そうだ、カフェに行ってみよう。

秋はゆっくりカフェでくつろぎならお茶しながら本を読む。そんな贅沢を京都CF!カフェ号からご紹介

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2010年01月03日 | おにかいカフェ
魂と一緒に搾り出す
おにかいエスプレッソ


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 「普段使える店ではありたいけれど、カフェとは線を引きたい」と、店主の金子さん。「同じ材料、同じ機械を使っても、煎れ方、飲み方ひとつで泥にもなる」エスプレッソは、搾り出した金子さんの一部だ。トータルパッケージというよりも、コーヒー屋さんの意気と一杯入魂、それが同店のエスプレッソ。
 何だか四角四面な感じだが、肩を怒らせて飲む客など見あたらないし、2階に至る階段に比べるとのびのびした店の中には、カフェインに打ち勝つ眠りの神もいたりする。比叡連山の四季、エスプレッソの四季、そして煎れた人のソウルが感じられれば上出来だし、それすらマストなことではない、「落ち着かせ上手」な一軒だ。


■weekenders(ウィークエンダーズ)
■京都市左京区田中里ノ内町82 藤川ビル2F
■075・724・8182
■12:00~22:00
■水休(祝日の場合営業、翌日休)
■http://www.geocities.jp/cafeweekenders/


-京都CF!2009年6月号 引用-

月と六ペンス

2010年01月02日 | おにかいカフェ
「私だけのcafe 見つけた」?
意外とハードボイルドですけど?




 「お店、どこですか?」。所在を訊ねる電話が今日も鳴る。2階に上がる階段の前に、ビルがそれらしくないし、ドアなんかちょっと昔の団地風。
 「ウチは独りで本を読むための喫茶店。カフェとの違い? カフェはみんなで行くところ? ちょっと、違うかな?」。柴垣マスターは穏やかだし、古ビル内のログハウス風情は、カフェ好き女子が「お気に入り見つけた♡」とブックマークしそうではあるが、ウィルキンソンのジンジャエール、ギネスの瓶ビール、そしてコーヒーは意外とストロング…。実はなかなかハードボイルド。このギャップに気づくと、いっそうこの店を好きになる。



■月と六ペンス(つきとろくぺんす)
■京都市中京区二条通高倉西入ル松屋町62杉野ビル2F
■090-9058-8976
■12:00~20:00/日、他月1回不定休
■http://www.tsukitorokupensu.net/


-京都CF!2009年6月号 引用-

かもがわカフェ

2010年01月01日 | おにかいカフェ
例えば、悪口で愛し合う仲
そんな関係も似合いそう


【かもがわカフェ】

 店主の高山さんは思う。「カフェとは?」という問いに、広く言われる「フランスのカフェ」という定義を持ち出すと、これは果てしなく広義で、もはや精神世界の話。
'90 年代から続くカフェブームの浅はかさも違う。そんなことよりも、「不味いコーヒーやなぁ」と言いながら毎日やって来るオッチャンの、日常が詳らかになるパブリックな場所、それでいいんじゃないか、と。そこに通じる「互いに感じる愛おしさ」のようなもの。それがあるから店は続いていける。
30年後を夢見ることができる。若くして老練であることを、頑固と呼ぶならご自由に。1階からは、チョイと見えないストイックワークの賜物なんだから。



■かもがわカフェ
■京都市上京区三本木通荒神口下ル上生洲町229-1
■075・211・4757
■12:00~23:00/木休
■http://www.cafe-kamogawa.com


-京都CF!2009年6月号 引用-

おにかいカフェ

2009年12月31日 | おにかいカフェ
今日から「おにかいのカフェ」を紹介していきます。
元ネタは、京都CFの2009年6月号です。

 一気に、雑誌と同じデザインで、詳しく読みたい人は京都CFのホームページで会員無料登録するとPDFが無料で閲覧できます。

--------本編スタート。
「わざわざ」ですから、その分取り返せばいい。
2Fから見える風景で、美味いコーヒーで。



「路面店(1階)でないと、商売になりまへん」。なんてことがまことしやかに言われるのが、京都という街である。それは何故かというと、京都人の臆病さというか慎重さがそうさせるのだそうだ。気になる店があったとしても、「外から中の様子を見て、自分が行けそうなら行く」からである。「とりあえず、行ってみよう」とはならない。
 1階以外でそれ(様子見)をしようと思うと、わざわざ登っていったり、降りていったりしなければならない。それがおっくうということでも、疲れるということでもないんだろうが、もし、登った先、降りた先が「いきなり、店」だったら…。店員と目が合ってしまったら…。これはもぅ、入るしかない。「あ、ちょっと拝見してるだけです」が、どうやらできないらしい。というか、そうしないのがプライドというか、美徳というか、譲れないところらしい。
 で、その店が服屋や雑貨屋だったらば、何となく物色するフリをして、「探してるものがなかったんで」的な顔で出てくればいい。ところが飲食店となると、とりあえず座って何ぞを注文しなきゃならない。そこで仕方なく飲む(食べる)のが、これがまた意に沿わない…。
 とまぁ、京都における路面店の意味はそんなところにあるわけだが、リアルな話、1階と2階の家賃が2倍ほど違うケースもあるらしい。
 そこで、である。このところ、2階のカフェ・喫茶が多いのである。ふと思いついて、指折り数えてみると…。あるわあるわ。これほどサクサクと、たくさん取材先が浮かんだのも久しぶりである。京都人のカフェ好き、喫茶好きについては、今までさんざん言ってきたし、特集も何度も組んできたが、今のテーマは「おにかい」であると結論。


 もちろん、飲食店の中では単価の高い業種ではないということもあるだろうが、本誌がそんな大きなお世話を論じるよりも何よりも、実に個性的なカフェ・喫茶が多いことに気づくのである。そして、ここ最近の流れとしては、原点回帰というか、カフェから喫茶へ、というのがあるように思える。それは「カフェ的空間を売る」ということだけではなくて、「ちゃんと美味いコーヒーを出す」ということであったり(エスプレッソやカフェラテや、ちょいとストロングなコーヒーだったり、特徴や好みの差はあるが、どの店も美味いコーヒーを飲ませてくれる)、店舗エンジニアによる隙のない内装というよりも、何というか、生活感のような空気を大事にしているようでもある。
 一部、3階や地下も含めて、こういう店には「打ち合わせ」とか、「待ち合わせ」とか、それだけで行くのはもったいない。何しろ「わざわざ階段を上がる」のだから。おかしな言い方だが、その分は取り返したい。何をもって? と言われれば、「のんびり」で。
 どなた様も、ご多忙とは存じますが、忙中閑あり。読書など、するのもよろしかろう。カップルで談笑されるのも、これまたよろしかろう。「のべっ」とした時間を、存分に堪能していただきたい。この2階の店には、十二分に価値があるので。
 「おにかいでないと、カフェや喫茶はできまへん」。
 そんな時代が、来るかもしれません。