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仔猫と小説

2023-12-17 13:48:00 | 日記

批判しないでください。

今回はホラーです。

団地の隅に佇む古びたアパート、その一室に住む若い女性、藤本明美。彼女は毎晩、同じ悪夢にうなされていた。夢の中で、影が床を這いずり回り、壁に影絵のように浮かび上がってくる。そして、耳元で囁き声が聞こえ、明美は凍りつく。

ある晩、彼女は勇気を振り絞り、アパートの歴史を探り始めた。すると、隣人から聞いた話が彼女を戦慄させた。昔、その部屋に住んでいた一家が謎の失踪を遂げ、その後、不気味な現象が絶えず起こっていたというのだ。

恐れを抱えながらも、明美は夢の中での影と対話する方法を探し始めた。そこで彼女は、ある呪術的な儀式を知り、その夜に実践することになった。

アパートの真っ暗な一室で、明美はろうそくを灯し、呪文を唱えた。影がゆっくりと物質化し、部屋を包み込んでいく。しかし、その姿は歪で不気味なものだった。

影は声を上げ、昔の悲劇を告白する。彼らは生前、冤罪で苦しんでいたのだと。その怨みが未練となって、次第に形を変えて現れ、住人たちを恐怖に陥れていた。

明美は影との対話を通じて、彼らの鎮魂を約束し、呪いを解く方法を学んだ。しかし、解呪の代償として、彼女もそのアパートに取り込まれることを余儀なくされた。

次の日、彼女の姿は見当たらなくなり、アパートは以前のように静寂に包まれた。しかし、新たな住人たちが夜になると、時折、明美の声が響くという噂が立った。


では また