北海道立釧路芸術館

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新年度の展覧会・イベント、ここに注目!

2022年04月16日 14時56分00秒 | 日記

【新年度の展覧会・イベント、ここに注目!】

 

朝霧が出るようになり、ここ、釧路でも春の到来を実感するころとなりました。今回のブログでは、2022(令和4)年度の展覧会、イベントの見どころをご紹介いたします。

 

「鮭」と「麗子」がやってくる! 「日本洋画の130年」展(2022年4月23日〔土〕~6月19日〔日〕)

本展は、笠間日動美術館の開館50周年を記念して、同館のコレクションから名品40点を、一堂に展示するものです。日本洋画の草分け・高橋由一、外光派を牽引した黒田清輝と藤島武二、明治浪漫主義を象徴する青木繁、娘・麗子の肖像で名高い岸田劉生、大正の前衛・萬鉄五郎、日本的洋画を確立した梅原龍三郎と安井曽太郎などなど、美術の教科書に登場するような、明治から現代にいたる巨匠の作品を、ご覧いただけます。

                

高橋由一〈鮭図〉        岸田劉生〈寒山風麗子像〉

1879-80(明治22-23)年    1922-23(大正11-12)年 いずれも笠間日動美術館蔵

釧路だから見られる!山下りんのイコン

釧路会場独自の企画にも注目です。笠間出身のイコン画家・山下りんの作品を特集展示します。笠間日動美術館所蔵のイコン2点に加え、釧路ハリストス正教会ならびに上武佐ハリストス正教会(中標津)のイコン12点を合わせて展示、地域の優れた文化資産に接していただきます。

 山下りん〈コゼリシチナの生神女〉制作年不詳 釧路ハリストス正教会蔵 撮影:中村治 資料提供:白凜居

また、日本近代彫刻の先駆者・荻原守衛の<女>、幣舞橋に設置された<四季の像>制作者のひとり・舟越保武の<C夫人>(いずれも笠間日動美術館蔵)とあわせて、舟越保武<若き石川啄木>(当館蔵)も展示します。うららかな陽光にあふれるこの季節、釧路芸術館で、日本近代洋画の名作をぜひご堪能ください。

同時開催として、フリーアートルームでは、2021(令和3)年度に新しく受贈・受託したコレクションをご紹介します。釧路で活躍するアート・ディレクター、木島誠悟の絵本原画『キリンのあかちゃんがうまれた日』『わたしはマリモ』。釧路生まれの建築家・毛綱毅曠(1941-2001)が、母のために設計した〈反住居〉の設計図(複製)。この機会に、あわせてご覧ください。

 

ワインにまつわる素敵なイベントも!「ヨーロッパ版画の花束」展(2022年7月9日〔土〕~9月4日〔日〕)

夏は、ヨーロッパ版画の名作の世界です。詩人で児童文学者の友田多喜雄氏が収集した名作版画コレクション「友田コレクション」を中心に、道立近代美術館のヨーロッパ版画のコレクション300点余りをご紹介します。ルオーや、シャガール、ピカソなど、巨匠たちによる華やかな美の競演をお楽しみください。

 マリー・ローランサン〈『マリアナ』右向きの女の顔〉 刊行:1932年 北海道立近代美術館蔵 8月9日から展示

会期中には、ぶどうの収穫が登場するシャガール〈ダフニスとクロエ〉にちなみ、鶴居村産の山幸ワインを味わう「ワイン&トークの夕べ」や、朗読会、キッズ・アトリエin花束展など、楽しいイベントも盛りだくさんです。

同時開催の「いきものの王国 岩合徳光・動物記」では、釧路出身の写真家・岩合徳光(1915-2007)が撮影した、かわいい動物たちの写真をご覧いただけます。夏休み中には、自由に工作が楽しめる「キッズ・アトリエ」も開催。夏休みは、親子で芸術館の展覧会とイベントをお楽しみください。

 

200年前の道東にタイム・スリップ?「祈りの造形(かたち) 地域の記憶 厚岸・国泰寺の200年」展(2022年7月9日〔土〕~9月4日〔日〕)

釧路市の隣町・厚岸町の国泰寺は、1804(文化元)年に江戸幕府が建立を決めた「蝦夷三官寺」のひとつです。建立以来、大切に伝えられてきた初代住職の肖像、仏画、仏具のほか、当時の東蝦夷地にかかわる貴重な文化財を一堂に展覧し、地域の優れた文化資産に親しんでいただきます。芸術の秋、釧路芸術館で、200年前の江戸時代の道東にタイム・スリップしてみませんか?

    国泰寺 外観    蠣崎波響〈御味方蝦夷之図 イコトイ〉制作年不詳 函館市中央図書館蔵 *10月16日まで展示

 

「毛綱毅曠ミニ展示2022 『北国の憂鬱』の世界」(2022年11月9日〔水〕~23日〔水祝〕)

 釧路生まれの建築家・毛綱毅曠(1941-2001)の仕事を紹介するミニ展示。昨年に引き続き、第2回となる本展では、毛綱毅曠が姉夫婦のために設計した住宅「北国の憂鬱」の設計図(青焼き)をご紹介します。本展の関連イベントとして、11月12日(土)には、「毛綱建築とアート展をめぐるバスツアー 学校建築編」を開催します。毛綱の母校である幣舞中学校(釧路市立東中学校の後身)、同じく母校の釧路湖陵高等学校の同窓会館を、釧路生まれの建築史家・駒木定正さんの解説で鑑賞します。それぞれの学校では、中学生による吹奏楽の演奏や、高校の茶道部による呈茶をお楽しみいただく予定です。展覧会と合わせて、ぜひ、お楽しみください。

 

「アートに耳をかたむけて 絵画と彫刻から聞こえる『音』」(2022年12月17日〔土〕~2023年4月9日〔日〕)

 1年に一度の、コレクション展。今年は、「音」をキーワードに、当館所蔵の秀作をご覧ください。見て鑑賞するのはもちろんのこと、想像力をはばたかせて、アートの中にゆたかに広がる「音」の世界に、耳をかたむけてみませんか。

    奈良原一高〈近くて遥かな旅 禅 J-Z-L-26〉1969(昭和44)年 プリント:1998(平成10)年 当館蔵 ©NARAHARA IKKO ARCIVES                     

    望月正男<落日>1975(昭和50)年 当館蔵

             

 また、同時開催として、2021(令和3)年に逝去した、釧路生まれの彫刻家・中江紀洋の追悼展を開催いたします。自然、人間、時間、祈り・・・深い思索と果敢な造形的試みによる、スケールの大きな造形の世界を、振り返ります。

 

 中江紀洋<魂の安息日>1998(平成10)年 当館蔵

このほか、「大人の家庭科&お手軽アート教室」、ミュージアム・コンサート「霜月に寄せる~國澤秀一・筝の世界」、「大人の寺子屋-びじゅつの時間-」など、毎年好評のイベントにもご期待ください。みなさまのご来館を心からお待ちしております。

 

 

 


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