黒崎ホストクラブ GRAREA ブログ

メンキャバグラリアオフィシャルブログです!(^^)!

月曜日のおしべとめしべ

2019-05-29 17:46:17 | 日記
カランカラン


「っしゃせぅえ」





これはとある県の、
とある町の、
とある喫茶店の、

おはなし。




この町は、決して都会とも言えないが、
すごく田舎とも言えない。

昼はアーケードの中に商店街がありなんだかよくわからない服屋や雑貨屋が立ち並んで昔からあって潰れない。

夜は飲み屋が軒を連ねてわちゃわちゃしている。
風俗街もあるっちゃある。

飯どころは老舗もあるし新しいチェーン店や個人店もちょくちょく出来る。

都会の華やかさも田舎の安堵感もない。
が、なんというか、痒いところに手が届く感、
なんにもないけどなんでもある感、
自分だけは何がどこにあるかわかってて、
都合のいい具合に散らかったワンルーム感、
のある町。





そんな町の少し外れた場所にある喫茶店。
「tearoom おしべとめしべ」

開店して5年目のこの喫茶店は少し変わっていて、
毎日店主が変わる。



朝の9時に開いて夜の9時に閉まる。



店のオーナーは5人いて、曜日別で入るので土日は開けたい人が開ける。



その日の売上はそいつが持って帰る。
バイトも一応いる。



5人それぞれが他で何をしているかは後にわかるとして、こんなデタラメで5年も続くような、そんな町。




自分の曜日の日はその店はそいつの城。
なので毎日店のカラーも雰囲気も変わる。
それが功を奏して話題を少しだけ呼んで今に至っている。

この話は月曜から金曜までの、
それぞれの店主とお客さんのおはなし。









今日は月曜日。


















カランカラン


「っっしゃせぅえ」

80歳くらいの老婆「ごめんなさいね、少し早かったかしら?」

「いいえ、少し準備がありますけど大丈夫ですよ」ニコッ

(まだ8:57だっつの!!いっつもちょっと早く来やがってこのクソババa)

婆「終わったら、いつものお願いできる?」

「ウィ」





今日は月曜日。
店主は野村 克則
独身30歳
元ホストでバツ5の子供が15人。
今は独立してこの町でガールズバーを2件とアニソンカフェを1件経営している。
いらっしゃいませが、
「っしゃせぅえ」になるので悩んでいる。
30代になって少し鼻息が荒くなってきてるが周りしか気づいてない。
髭が濃い。







(ンフー今日もちゃんと言えないなぁー。なんでかなー。練習では言えるのになー。急にカランカラン来ると無理だなー。ビクゥーてなるなぁ。あ、カランカランやめてもっと優しい音色にすれば慌てなくてすむかも。チリンチリーンとか。電子音でピヨーンとか。ンフーあ、そうしよ、今度から。勝手に変えても別にいいよねあのカランカランはうちの実家にあったやつだし。ミスターマックス寄って帰ろ。ンフーあー、でも9時はもう閉まってるなー。明日行こ。でも明日はバイオハザード37時間やるって決めたしなぁ。まぁ来週までに買っとこう。あ、でもチリンチリーンにしたらガサツなやつがドア開けたらグワァラガシャィンシャイーンとかなるんだよねー。あれ嫌だよねー。もっとビックリするよねー。やめよ。変えるの。よし。あれ、俺ちゃん何しようとしてたっけ。。。ンフーーあぁ、ババaにバナナシェイクとフレンチトースト作るんだったね。大体なんなの毎週毎週ご丁寧に9時2〜3分前にご来店ありがとうございますしやがって。確かにOPENの札は来た時に出すよ忘れるから。でも9時からって書いてるよね看板に。甘いのと甘いの一緒に摂取すんなっつの高血糖でタヒねンフー)


彼はこれを心の中でなく少しだけ声に出して同じ音で言っているのでバイトの子は怖がって月曜日に入らない。
でも彼は面倒を見るとか教えるとか叱るとかそういったことがすごく苦手なので1人の方が楽でいいらしい。


「お待たせしましたぁ。バナナシェイクとフレンチトーストです」


婆「ありがとうね、あなたのこのメニューが一番好きなのよ」

「ありがとうございます。至極光栄です。」ニコッ

婆「でもねぇ、今度からあまり来れなくなるかもしれないのよねぇ」

「そうなんですか?」

婆「あまり体がよくなくてねぇー、今日から検査入院なのよー。」

「それは心配ですね。お体大事にされてくださいね」

(そぉらぁ!!見たことかぁ!!wwwいっつもいっつもバナナシェイクとフレンチトースト食ってたらそらそーなるわぁ!!wwぼけぇえええええええ!!wwwwww)

婆「そうなのよね、私も気をつけてはいるんだけどねぇー...」

《...き、聞こえていただと...すまん、ババa》

婆「このメニューね、夫が好きでいつも作ってくれていたのよ。5年前に亡くなってから落ち込んでいたらこの喫茶店が出来て...。」

「そうだったんですか...」

婆「入ってみたら同じメニューがあったから頼んでみたら全然美味しくないの!ww」

「何曜日でしたか?」

婆「たしか初めて行ったのは木曜日ね」

「あぁ、それは不味いでしょうねwww」
(あぁ、それは不味いでしょうねwww...あれ?)

婆「それから初めて月曜日に来てみて、あなたが作ったの食べたらすごく美味しくて。月曜日が1番好きな味なの。次は金曜日かな。木曜日が最下位ねwww」

「ありがとうございます。伝えておきます金曜日と木曜日に。」

婆「ありがとう、ご馳走様でした。また来ますね。」

「ありがとうございましたぁ」


「ふぅ...煙草でもす」

カランカラン

「っしゃせぅえぇ!!」


その日はいつも暇なのに妙に忙しく、買った材料が全て無くなった。
バナナも無くなった。

(あぁぁぁ疲れた凄く疲れたおっぱい揉みたいおっぱいおっぱい。あのババaが開店と同時に来るからなぁー今日は休憩無かったなぁー。ンフー)

(ババaあんま来なくなるのかなぁー...


来週から3分だけ早く来てやろうかな、、、
俺様のゲームとアニメとオナニーの次に大事な睡眠時間を3分だけババa、貴様の短い余生に使ってやろう。フハハハンフー)



野村はブツブツ言いながら少しニヤついて店を閉めて帰路についた。

散歩中の犬に吠えられてイラついたのか、飼い主にメンチを切って飼い主を怖がらせた。

彼の目つきの悪さは定評で、目が悪いのも相まって殺し屋みたいな目付きに完成していた。

家に着くと野村は血迷ってバナナシェイクとフレンチトーストを作って食べた。



「あっまっっっ!!俺甘いの嫌いなんですけどー」


自分で作ったくせに謎の独り言を呟いて、野村はPS4のコントローラーを握りしめて寝た。




















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