6月末から7月にかけて急に暑くなったこともあり、私の契約させて頂いている事業所で既に2件の熱中症労災が発生している。
失敗した。
もう少し具体的に、熱中症の予防について、安全衛生委員会で説明すべきだった。
熱中症の予防として事業所が行っているのは、飲料を準備したり塩飴を準備したりする他、今年のトピックはWBGTとなっており、しっかりやっている衛生管理者であればあるほど、「WBGTを測っています」などという。
事業所は熱中症対策を行わなければならない。真剣に行い「熱中症労災」を予防しなければならない。しかし、あまりに一生懸命行うことは、リスクにもつながると思う。
それは「熱中症対策は事業所の責任」ということを過度に働く人々に印象付けること。「あ~、会社が頑張ってくれてるなあ。これで大丈夫だ。」と思われては困る。
僕の持論では熱中症対策の7割は働く人々に行って頂かなければならない。事業所が頑張って予防できる部分はせいぜい3~4割程度だと思う。
働く人々が日々、バランスの良い食事と十分な睡眠をとること、過度な飲酒をしないこと、これがとても重要だ。特に睡眠については、寝苦しいこともあり個々の努力が必要である。「睡眠は最も重要な要素」ということを認識して、エアコンや扇風機を使いながら、いつもにも増して睡眠に意識を向けるべきである。夜な夜なテレビを見たり、ゲームをしたり、遅くまで飲み歩いたりしてはいけない。
事業所では出勤時、始業時の体調確認を確実に行ってほしい。そして体調不良の場合は、勇気を持って仕事をせずに休むことをお勧めする。
通常は仕事中に気分が悪くなり、病院を受診して「労災」などと言われることは、特殊な作業でなければ殆どない。
しかし、日中の気温が30度を超えるこの時期は、例え夜勤でも事務所内の勤務でも、仕事中に気分が悪くなり病院を受診すれば「熱中症」と診断されることが想定される。仕事中に熱中症を発症したとなれば、事業所でどんなに対策していたとしても、それは「労災」となる。
今一度、事業所では働く人々への体調管理の重要性をしっかり周知して頂きたい。そして始業時の体調確認を行って頂ければと思う。