黒川孤遊
高校生17,906人(43,585句)が参加する全国高校生川柳コンクールがあることをご存じだろうか。15回(募集中)を数える。福岡大学の主催で、文化庁、福岡県、全日本川柳協会、福岡県川柳協会などが後援している。選者は学長、教員、学生、それに「川柳葦群」の梅崎流青氏。サラ川が43,691句だから恐るべき句数である。朝日新聞(2019.6.25)に掲載され、その規模を知った。
日川協では理事会で報告しているそうだが、吟社には何の通知もない。これほどの規模の高校生大会を後援していることになぜか沈黙している。全国大会のジュニアの参加数は4、5千人だ。
熊本の川柳界はこの春から県川柳研究協議会に衣替え、高校生の開拓に乗り出した時にこの記事に出合った。福大広報課によると第1回目は74校3千余人だったが、14回目は45都道府県270校の応募学校数になった。全国約4,800校にポスターと応募要項を6月に送っている。息の長い活動の結果だろう。
作品集には「川柳とは?」と柄井川柳の肖像画があるほか、金賞(学長賞)銀賞、銅賞、特別賞(全日本川柳協会賞など)40句が紹介され、さらに学校賞9校が表彰されている。
熊本からは必由館高校、第一高校の2校。
金賞の句は
散歩道祖母を何度もふりかえる 金沢大付属高校二年 西村 楓
高校を出て大学や社会に入ると川柳を忘れる、という声を聞くけれど、応募した高校生の生涯に、川柳との出会いと思い出が灯ればいいのではないか。そしてそのうちの何人かが川柳界をリードする柳人に育ってくれれば万々歳である。 (「番傘」8月号掲載予定稿から抜粋)
本協議会報第2号から