川柳 ねじまき#9(2023年2月)発行される。
上の写真は、毎月あっている<ねじまき句会>(なかはられいこ主催)のメンバーの句の発表誌です。今回は昨年発行された3冊目の句集・なかはられいこ句集『くちびるにウエハース』 左右社 特集となっています。2022年11月に名古屋市で開かれた3時間超にわたる批評会のすべてが文字起こしされています。批評会に登場する柳人や発言を読むと、これからの川柳界のゆくえを示唆しているようです。
ビル、がく、ずれて、ゆくな、ん、てきれ、いき、れ なかはられいこ
さすがにこの句はだれでも知っています。アメリカの2001年9.11のあと発表されました。しかし、これはもう20年以上前の句。
編集後記(二村典子)に次のようにあります。
「なかはらねじまき句会は「場」だと言い続けてきました。誰もが出入りできる「場」であり、仲間意識も帰属意識も求めない(仲が悪いわけではありません)。 中略 なかはられいこはねじまき句会のものではない。川柳界からの預かりもののような感覚があります。」
わたしは一度名古屋でその「場」の始まりに臨場したことがありますが、そのときの張りつめた空気を忘れることができません。
ねじまき#9 「古戦場」 なかはられいこ 20句から抄出
領収書ください的な猫の顔
ぼくたちの会話のなかの古戦場
ですよねと言えば流れるドナウ川
てのひらに乗れば安心する蜜柑
電線にいっぽん混じる龍のひげ
ドアノブがキウイと鳴いて秋に入る
ともだちはときどき川でまれに虹
(レポート いわさき楊子)