大切な人って誰ですか?
待望の『3月のライオン』新刊は
家族の第九巻です
中学三年生のひなたは自分の進路のことで悩んでいた
やりたいことは分かっているのに、手を出してはいけない気がして
そんな彼女を温かく見守るのはひなたの家族と零
一方、名人戦では宗谷名人の幼いころからのライバル
土橋九段が宗谷と激闘を繰り広げていた
好きなことを続けることは難しい
いつか自分の限界を見ることが怖くて
もっと先に行きたいのに、自分という壁にぶつかってしまう
中学生でプロ棋士となった零君には選択肢はなかった
あったとしても他の道は見えてなかったんだと思います
一度決めた道を進む覚悟はプロなら持っていて当然と思われるだろう
それでも彼らは時に不安になったり
自分を見失うこともある
どこまでいっても世界に限界はないのだから
9巻の後半、宗谷名人と土橋九段の戦いには
そんな葛藤が描かれています
主軸としては高校生になるひなたの成長が描かれているけれど
印象としては大人になることへの甘酸っぱさが目立ちました
大切な人との別れと、新しい環境での出会い
あくまで爽やかな作風にとても好感が持てます
評価