sleeping sky

本・映画・漫画その他何でも気に入ったものを紹介するサイトです。
皆さんのお気に入りの一冊がここで見つかりますように

『大正ロマンチカ(1)』 小田原みづえ 社宙出版

2013年11月03日 | お気に入りマンガ


異国の公爵の契約花嫁は、訳あり少女だった


時は大正
父の形見を取り戻すために公爵邸を訪れた明
そんな明を出迎えたのは
金髪碧眼で超美形な異国の公爵
明は形見を譲ってもらう代わりに
公爵がアンティーク貿易の取引で日本にいる間
お嫁さん役をすることになって…




お約束、と言えばその通りの設定ですが
王道にこそ魅力ってあるものです

権力も財力も、容姿にも恵まれた公爵は一見
プレイボーイで女性には分け隔てなく優しい半面
クールで冷淡な側面も持っています


好きになったとしても叶うはずのない身分違いの恋で
その人と自分はつり合うはずなんてない
そんな恋愛特有のナーバスな気持ちは
ただその人と一緒にいるその瞬間だけ


忘れられる







少女漫画が苦手な私でも、入っていける親しみやすさでした

胸キュン必須です

評価
☆☆

『3月のライオン 9』 羽海野チカ 白泉社

2013年10月14日 | お気に入りマンガ




大切な人って誰ですか?
待望の『3月のライオン』新刊は
家族の第九巻です



中学三年生のひなたは自分の進路のことで悩んでいた
やりたいことは分かっているのに、手を出してはいけない気がして
そんな彼女を温かく見守るのはひなたの家族と零
一方、名人戦では宗谷名人の幼いころからのライバル
土橋九段が宗谷と激闘を繰り広げていた





好きなことを続けることは難しい
いつか自分の限界を見ることが怖くて
もっと先に行きたいのに、自分という壁にぶつかってしまう

中学生でプロ棋士となった零君には選択肢はなかった
あったとしても他の道は見えてなかったんだと思います

一度決めた道を進む覚悟はプロなら持っていて当然と思われるだろう
それでも彼らは時に不安になったり
自分を見失うこともある
どこまでいっても世界に限界はないのだから
9巻の後半、宗谷名人と土橋九段の戦いには
そんな葛藤が描かれています

主軸としては高校生になるひなたの成長が描かれているけれど
印象としては大人になることへの甘酸っぱさが目立ちました
大切な人との別れと、新しい環境での出会い
あくまで爽やかな作風にとても好感が持てます



評価






『失恋ショコラティエ』 水城せとな 小学館

2013年09月22日 | お気に入りマンガ



製菓学校に通う爽太は一つ年上のサエコと交際中
4年前の一目ぼれから思い続け
去年のクリスマス直前にようやく初キス

大のチョコレート好きの彼女の為
チョコ作りの腕を磨く日々
彼女から煙草の匂いがしても
バレンタインのデートを断られても
全く挫けず挑み続ける爽太だったが…





第36回講談社漫画賞・少女部門受賞
ananマンガ大賞受賞と各種メディアで絶賛されている本作

一途な片思いから、サエコの笑顔が見たいから
そんな想いで必死に努力し、成功した爽太
修業先のフランスから帰国した彼にサエコが告げたのは
結婚とウエディングケーキの依頼だった

片思いって凄くつらい
相手の気持ちが分からなくて
あの笑顔は友達としてのものなのか
優しさは恋愛対象としてのものなのか
全部ひっくるめて分からなくなる

他の人が見えてる印象と
自分の見えてるあの人は違う
まるで感覚が狂ったように
不安で、情けなくて、好きになった人しか見えなくなる

結局、客観的にみたら爽太はサエコと距離を置くべきで
もっと素敵な人を見つける努力をすべきだと思う
それが傍からみた幸せ
きっと本人は分かっててどうしようもない気持ちでいっぱいなんだろうけど

この漫画の面白いところは
王道の少女漫画じゃなくて、主人公の恋愛の行方が未知なこと
一途に思ってても、傷ついても
恋愛って必ずしも上手くいくとは限らなくて
そんな甘酸っぱさが魅力なんだと思います


評価
☆☆

『進撃の巨人 11』 諌山創 講談社コミックス 

2013年08月20日 | お気に入りマンガ


 


”屈辱の歴史を塗り替えろ”







もはや社会現象と化している『進撃の巨人』
最新刊の11巻ついに発売です

出版不況の中、累計2300万部突破したメガヒット作にして
現在テレビアニメ放送中、映画化、ゲーム化の話題もある作品です


最大の特徴は、謎が謎を呼ぶ物語の設定

巨人という新たな脅威に直面した人類は絶滅寸前まで追い詰められ
辛うじて壁を築くことで、壁の中での仮初めの平和を手に入れた
巨人は頭を飛ばされても再生し、簡単には死なない上に
人類を捕食対象と認識している為
一歩壁外に出れば、兵士と言えど生存確率は圧倒的に低くなる
安全な壁の中にいれば外の世界の恐怖を知らずに生きていける…
そんな世界の中で主人公・エレンは壁の外への憧れを捨て切れずにいた

そして静寂は破られ
人類は鳥籠の中に囚われていたことを思い知る





11巻ではついに第1巻で登場しウォール・ローゼを破壊
数少ない人類の活動領域の激減と大量の死者を出した元凶
鎧の巨人と超大型巨人の核心に迫ります
彼らの目的は一体何なのか
謎は続くばかりです


8巻くらいから、最新作まで物語は若干スローペースですね
徐々に詳細が明らかになっていくのに
全体像が見えてこないのは相変わらずです
きっと最後まで読まなければ伏線に気づくことも難しいのかもしれません
漫画から入った方は是非アニメの見て下さい
立体起動シーンはクオリティが高く
漫画よりずっと躍動感があるので見ごたえ十分です





アニメの有名なシーンに主人公の親友ミカサの
”この世界は美しい、そして残酷だ”
という言葉があります

『進撃の巨人』では一貫して
「正体不明で圧倒的な力を持つ巨人」を恐怖や絶望のアイコンとして
無力でちっぽけな人間の弱さと世界の残酷さを描いています
しかし、一方で絶望的な状況下でも目の前の敵に果敢に挑んでいく
主人公達の姿が力強く描かれているのも事実なので
作中の力強い言葉に勇気付けられることも多いです



評価

頑張ってる人に読んで欲しい漫画です




『あの日見た花の名を僕達はまだ知らない』 泉光 ジャンプコミックス

2013年08月05日 | お気に入りマンガ





思い出を語ろう-



小学生の頃に
”超平和バスターズ”というグループを作り
いつも一緒に遊んでいたじんたん達6人
しかし、めんまの死を境にグループはバラバラになってしまった
ある日、高校生になったじんたんの前に
死んだはずのめんまが現れ”お願い”を叶えて欲しいと語った



時間が経てば人は大人になっていく
それは誰にも止められない


この物語はめんまという一人によって繋がっていた仲間達と
心の時間が止まってしまった各個人の再生の物語です


めんまの死がきっかけで絆が揺らいでしまった彼らは
いつしか別の道を歩んでいた
進学校に通い者、世界を旅する者、自宅にひきこもる者、、、
めんまの死を受け入れられず
もう昔のようには笑えないのかって何度も自問自答して
過去を引きずって生きていた

彼らの心もまためんま同様に時が止まってしまっていたから
失くしたものはあまりにも大きくて
傷は癒されないままだった


痛みを抱えたままでは生きていけない
頼れる仲間がいるってことを
泣きたいときに泣ける場所があるんだってことを
教えてくれる物語です



私は最初、あまりにキャラデザインが可愛らしいので
ラノベっぽい軽い感じだと勘違いしてたんですが
最後は読み進めていくうちに涙が止まりませんでした


大人が読んでほしいと思える漫画です


評価