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『氷雪の眼差しに妬かれて』 ジュリー・ガーウッド (ヴィレッジブックス)

2012年12月24日 | ミステリー小説




『氷雪の眼差しに妬かれて』 ジュリー・ガーウッド (ヴィレッジブックス)


待望のジュリー・ガーウッド著作のロマンティックサスペンスがクリスマスに間に合いました

シカゴの地元紙で記者として働くソフィは、取材相手の男が遠くアラスカの荒野で死亡したことを知る。自称アスリートの男がなぜ大会目前に忽然と姿を消したのか…
死亡の因果関係を探るソフィは、突如命を狙われる
それは、犯罪者の父を持つソフィへの因縁かそれとも今回の事件と関係があるのか-
彼女の警護に当たるのは親友の夫の同僚・FBI捜査官のジャック
真相を追う二人が遭遇するものは、、、


久々にジュリー・ガーウッドを読んだのですが
やはり安心して読めますね
ミステリーの構成もしっかりしているし、やはり本家アメリカの作家は違います




評価
☆☆


和製

2012年12月22日 | ミステリー小説
『夢のカルテ』 高野和明・坂上仁志 角川文庫

2011年『ジェノサイド』で第二回山田太郎賞受賞
話題沸騰の大注目作家のファンタジック・ミステリー

明析夢(意識ある中で見る夢)をみることができる心理カウンセラー来生夢衣と
襲撃事件によって心と身体に傷を負った刑事・麻生健介が出会い、次第に惹かれあいながら、ともに事件を解決していくというストーリーです

主人公の一人がカウンセラーということもあって、心理学の専門用語がそれとなく物語の中で解説されているので知らないうち?に勉強にもなります

ソラは『ジェノサイド』が何となく難しそうで読まず嫌いなのですが
本書はとても読みやすく、すらすら一気読みでした
物語の構成自体はありきたりなのでドラマ化するかも予想してます


心に響いた一文は


傷つくことは弱さではない、それは真摯に生きている証なのだ








うん、最近疲れてるのかな、、

こうしたミステリー×恋愛の分野はロマンチックサスペンスと呼ばれ海外小説が主流です。主に女性向けでジェイン・アン・クレンツやJ.Bロヴ、カレン・ローズなんかがおススメです

ただ、今回紹介した『夢のカルテ』は上記にあげた著者の本を既に読んでいるような上級者には薦めません

総じて日本の小説は、この分野には弱いからです
まず、ミステリーについては、犯人の生い立ちや動機の強調が必ず構成要素に入ってくるので展開が重くなり、概して読みずらくなる傾向があります
次に、日本の恋愛小説の分野では、どこかドロドロしていて、妙にリアリティがありすぎるように感じます
(有川浩『図書館戦争』は大人が読めるライトノベルを当初目指しており、一途な片思いを描いたフレッシュさは日本の文芸界の新境地を開拓したとソラは評価しています)
この二つの強烈な傾向を持った日本人作家がこの分野に挑戦すると…大抵どっちつかずになり、ミステリーも恋愛の学園物?のように軽くなってしまうのです

評価☆☆☆☆
この分野が大好きだから厳しくいきます








あたたかな日常

2012年12月19日 | エンタメ小説
『妖怪アパートの幽雅な日常8』 香月日輪

YA!ENTERTAINMENT発の大人気文庫化シリーズの第八弾
今回のテーマは大人と子どもの境界線…

精神年齢という言葉にあらわされるように
子どものまま大人になった人は世の中に沢山いる
実際の年齢とは関係なしに
世の中の理不尽が既に見えてしまっている子どもがいる

今回、ある事件をきっかけに夕士くんは少し大人に近づきます


この物語は両親を亡くし、孤独の淵にいた高校生・夕士くんの成長の物語です
児童書ながら多くの大人に支持されている理由は
優しい文体と世の中の核心を突く言葉にあります


例えば負のコミュニケーションについて
苦しくてミジメで哀しいって文句垂れて、世の中を呪って他人を妬んで…
それで満足しちゃうの。同志を得たら『な、俺達ってミジメだよな。世の中ヒデェよな』って傷を舐め合う

お互い苦しいなら何故支え合って頑張ろうとしないのか

それは惨めな被害者のままでいた方が楽だから



心が動く、そんな気がした
疲れていても、苦しくても、人生を投げ出すことはできない
強くありたいと思う、そんな自分が肯定されるような
自分は違う、前に進もう
そんな気持ちになる小説です

評価





その後の物語

2012年12月09日 | エンタメ小説
『NO.6 beyond』 あさのあつこ 講談社

NO.6崩壊後の物語がYA!ENTERTAINMENTから刊行されました


絶対的な管理国家が点在する近未来の地球で
二人の少年は出会った

一人は壁の内で繁栄と慈愛を糧に
一人は壁の外で貧困と憎しみを糧に生きてきた

明暗のような対極の二人は
反発しあいながらも、惹かれあい

やがて完全と謳われたと都市国家壊滅の序章を巻き起こす

発売当初から大きな反響があり
児童書の枠を超え、アニメ化・コミック化もされた作品の
外伝が本作
スピート感あふれるストーリーの中では
描ききれなった間幕や彼らのその後が書かれています




この本は是非、文字を追ってほしい


文量自体は多くはないけど重みがあるから



どの方法を選ぶにしても、あっさりと逝ける
苦しむ時間はそう長くない、たぶん
だから、死を選ぶ方が楽なのだ
そんなことは、分かっている
太陽が東から昇るのと同じくらい明白じゃないか
でも、おれは嫌だ
挑んでやる
西ブロックに生まれ、道端に捨てられた運命に、
生き延びることが至難の世界に、こんな世界を作り上げたやつらに
挑んで勝ってやる
勝つとは、つまり、生き続けることだ


評価
宇多田ヒカル-Kiss&Cryのイメージで、笑い飛ばして頑張れ♪

綺麗な海と空と

2012年12月09日 | 恋愛小説
『カフ-を待ちわびて』 原田マハ 宝島社



カフ-とは沖縄の言葉で幸福という意味




沖縄病って知ってますか?
都会の20代の女性が無性に沖縄を旅したくなって
そのまま居ついて帰れなくなる


ソラも仕事が頻忙期の時は周りにそんなことばっかり言ってました
一人で旅をしたくなる

きままで
何にもとらわれず

そんな自分の時間が欲しくなる時ってありますよね




嫁に来ないか-絵馬に冗談交じりにそんな事を書いたら
本当に自分を訪ねる女性が現れた
彼女に真意は…

沖縄の小さな島で繰り広げられる
やさしくて、温かくて、切ない恋愛模様


評価
☆☆☆