夜中、実家から自宅に帰ってきた。
翌朝は伴侶も仕事で出かけてしまい、私は子供達と3人で洗濯を干したり部屋の掃除をしていたが、去年買っていたお守りをまだ返していないことを思い出した。
しかし、お守りは3つ購入したはずなのに、どうしても1つしか…探せど探せど見つからない。
反して子供達は「はつもうでにいける!」と行く気満々。
何と自分達でお弁当を作り始め、卵焼きを焼いたりかまぼこを切ったりして見つからないお守りはそっちのけ…。
仕方ないので一つだけのお守りを持って出かけることにしたが、お弁当やお菓子をたっぷりリュックに詰めてやっと出発したのは2時。
お昼に食べる予定のお弁当だったのだが…。
この日はとても寒かったので、手袋をしっかりしていったが、歩いているうちに体が温かく感じられるようになってきた。
子供達は、歩いている最中も始終嬉しそうである。
寒さなど勿論全く関係ない様子で子供達は突き進む。
車に注意しながら歩くこと数十分。
やっと無事に着いた!一番ほっとしたのは私である。
しかし、子供達も方向音痴の私と一緒で不安だったらしく、途中で何度も
「本当にこっち?」などと念を押していた。
着いたとたん何やらホッとした表情を浮かべたのがシャクである。
本堂に行き、皆で新年のご挨拶である。
そして1つだけ見つかったお守りを大事そうに返却…。
手を合わせて1年間お世話になったお礼を述べる。
時間はすでに3時30。
境内の休憩所でやっとお昼ご飯(?)にありつけた子供達は至福の表情でお弁当に喰らいついた。
何しろ自分達で作ったお弁当である。
たとえ切っただけのかまぼこだろうと、形の悪い卵焼きだろうと、美味しくないわけがない。
実家でおばあちゃんが作ってくれた炊き込みご飯もたっぷりとお弁当箱に詰めてあり、何度も「美味しい!美味しい!」と言いながら夢中で食べた。
こいちゃんはしっかり2段弁当を食べてから、持ってきたデザートのイチゴ、シュークリームや厚焼きラスクをたっぷり食べて、大満足。
暫く待っているとご祈祷の時間となり、列をなしてお坊さん達が歩いていく。
ご祈祷が終わって出てくるお坊さん達を待ち構えていたこいちゃんといっくんは、休憩所を飛び出し、すぐ傍を歩いていく様子を間近で眺めながら「おぉ~!!!」とわくわくした様子であった。
寒さが厳しくなり、夕日が見え始めた頃、3人で自宅を目指して帰り始めた。
沢山の屋台が出ており、頑張って歩いた子供達に何か買ってあげる事にした。
が!お姉ちゃんに最後までちょっかいを出し続け、言うことを聞かなかったいっくんには、お土産ナシ、の厳しいペナルティをかせることに…。
かわいそうかなぁ、とも思ったが約束をしていたので、貫くことに。
こいちゃんは、りんご飴の姉妹品「ぶどうあめ」を買ってもらい、大事そうに道々それを眺めながら帰った。
「家についてから食べるねん…けど、おいしそうやなぁ…舐めてもいいかなぁ…」などと言いながらビニールの上から「ぶどうあめ」をいとおしそうに撫でた。
そんなこいちゃんを見ながらいっくんがつぶやくように言う
「買ってほしかったなぁ……けど、今そのツケが来てる時なんやなぁ…我慢せんとなぁ…」と私の口調を真似るように。
その後はこいちゃんを見ようともせず、「欲しい」とも口にせずひたすら暗くなり始めた道をテクテクと歩き始めた。
辺りが真っ暗になった頃自宅に到着し、3人で玄関に転がり込み、電気をつけた。
たっぷり歩いたおかげで体は温かかった。
この日の晩御飯は帰り道に買ったおでんやパンなどを3人で食べ、お風呂に入り1日が終わったのだった。
もうじき冬休みも終わるのに、冬休みの宿題そっちのけでプチ冒険をしてしまった…。
また一気に忙しくなるが、頑張らなければ…!