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台風一家

こいちゃんの生活発表会

2月の末にこいちゃんの生活発表会が幼稚園で開催された。
「生活発表会」などという名前なので何をするのかと思っていたが、要は、劇やお歌遊びなど、行動で自分たちの練習の成果を見てもらうというものだった。
思い思いの動物さんを選んだり、衣装にアイロンを当てたりして、かなり前から準備は進められる。
生活発表会用の写真撮影会も行われるほど、本格的で、子供たちの愛くるしい練習の成果を見るために、親たちは集合の1時間以上も前から最前列をキープするために並ぶのだ。

こいちゃんは「とんとんとん」という歌遊びで、6人ほどで歌いながら劇のようなことをし、若干せりふもあるという。
衣装にはかわいらしいピンクの上着を持って帰って「アイロンをかけてください」と先生の手書きの連絡もついていた。
こいちゃんは始め衣装にも役柄にも満足していたようだが、練習を重ねるたびに不満が増してきたようだ。
というのも、同じようにクラスで割り振ってある「ダンス」のチームがスカート衣装をあてがわれたことから、自分はなぜトントンチームなのだと、ぶつぶついいはじめた。

しかし、話を聞いてみると、どうしてもダンスに行きたいといったクラスの子のために譲ってあげたのだという。
それはまぁ、すばらしいことなのだが、いったん譲ったものを悔しがるというのも見ていていささかしつこい感じがする。
結局、人数だってしっかり決められた上で厳正な割り振りがされたわけだからいまさら難癖をつけてもどうしようもないわけだ。
とにもかくにも、若干文句をいいつつも自分がウサギさんで、眠っている森の仲間を起こして、最後は皆でお歌を歌うのだ、といった内容を嬉しそうに何度も説明してくれる。
食事中に行儀悪いことだが、箸を振り回しながらお遊戯の練習などを始めると、注意しながらも楽しみにしているこいちゃんがかわいくてついつい見守りたくなってしまうのだ。

こいちゃんは歌が好き。
ダンスチームや、とんとんチームそのた、隣のクラスまでの歌やダンスを覚えて帰ってきて一日中なにやら歌っている。
とにかく毎日が歌とダンスなどで埋め尽くされているのがたまらなく楽しいようなのだ。
ところが、生活発表会が近づくにつれ、心配ごとがぽつりぽつりと沸いてきた。
まず、連絡帳に「園児の頭からアタマジラミが発見されました、疑わしい卵などを発見された場合はすぐに病院に行ってください」などと不穏な連絡がはさまれていた。
こんな清潔な時代に…とびっくりしたが、子供同士のことである。
大丈夫だろうか、と真剣に頭を探してみた。

次に風邪が流行り始めたと思ったら、しばらくしてインフルエンザが大流行したと連絡があり、こいちゃんのひよこ組みでも5人も休んだり、知り合いも生活発表会の記念撮影に参加できなかったりと、はらはらどきどきの毎日になってきた。
それでなくても少し前に実家に帰ったときに熱を出したこいちゃんである。
生活発表会の練習が楽しすぎて体も疲れてきてるのかもしれない。
先生もこれ以上休まれては劇そのものの話が続かなくなる可能性が出てきたとあせったのか、毎日の電話連絡が増えてきた。
こいちゃんは何とか元気に毎日通っていた、バス停の中でも母親がインフルエンザに倒れたりする中、けろりと幼稚園に通っていたのだが、次に流れてきたのはなんと水疱瘡。
これは、潜伏期間が長く、一緒に遊んで知らないうちにうつるらしいということで、本当にあせった。
あれだけ楽しみにしていた生活発表会、絶対休ませるわけには行かない。
その発表会の前日も先生から留守電があり「どうかお母さん、気をつけてあげてくださいね」と入っているのを聞いたら、せっぱつまったものを感じた。

当日は雨。
早くから会場について最前列をキープしようと思っていたのに、結局遅くなってしまい、しかも雨のせいか普段そうでもない道がびっしりと渋滞で止まっていた。
このままではこいちゃんを近くでも見ることが出来ない!
あせった私は小雨の中車を降り、ついて来たがるこいちゃんの手をひいて小さな小道を抜けて走った。
とにかく少しでも前の席をとって、ビデオをまわすことを考えて走った。
帽子におちた雨を振り払い、ついてみると早くから集まり並んでいた親たちでごった返し、その列は幼稚園側が用意した暖房のついた部屋からはみでるほどになっていた。
すでに列の最後尾は隣のクラスにまで達している。
これは絶対最前列は無理だろう…。
あきらめながら劣に並び、しばらく待たされた後、先生が挨拶にきて、講堂に案内された。

会場である講堂には一面にクッションがしかれており、舞台は幕で覆われている。
どきどきしながら場所を探すと、以外にも中央以外の前列が空いているではないか。
こいちゃんはすでにひよこ組に預けてきたので、身軽な私は早足で最前列を確保した。
偶然にも隣は友人とバスの待合の母親であった。
これはラッキーだった。
3人で最前列を確保できた喜びを分かち合っているうちに車を駐車場にとめてきた伴侶といっくんがやってきた。
ビデオを設置し、園長先生の挨拶などのあとにとうとう「生活発表会」が始まった。

何番目かのお歌や劇のあと、とうとうこいちゃんのとんとんチームの順番がきた。
ゆっくりとあいた幕の向こうにピンクの水玉衣装にウサギの耳をつけたかわいらしい姿でこいちゃんが現れた。
本当は先生からは「だめだよ」と言われているのに、私たちを見つけるが早いが嬉しそうに笑いながら堂々と手を振った。
苦笑しながら控えめに手を振り返し、音楽が始まる。
冬の間眠りつづけた動物たちが順番に熊やリスなどを起こして、最後に皆で歌を歌うというストーリー。
こいちゃんは起こされるまでの間、ほっぺの横に両手を合わせて当てて眠った振りをする。

とうとううさぎさんが起こされる番になり、こいちゃんは大きな声で「はーい!!!!」とお目覚め。
おどりながら、立派に歌を歌いきった。
感動しつつビデオをまわしていると、最後に起こされた動物がおね坊さんで、なかなか起きないという設定だったらしい。
皆で声をかけてもなかなか出てこないし、舞台の中央ま出てきたのにまた寝てしまう。
このオチがこいちゃんには最高に面白い見せ場部分だったらしく、私を見ながら中央で寝る振りをする動物を指差しつつ舞台で「うひうひ」と変な笑いを続けるのだ。
それをみたお母さんたちは大笑い。
あとで「あれは演技?本気でおかしかったのかしら」と聞かれるほどみんなのうわさになってしまっていた。
「こいちゃんちゃん、本当にかわいかったよ」と時間が違うはずの人にまで言われる。
どうやらうわさやビデオが回っているらしい。

上手に出来なくてもいい、いつもにこにここいちゃんが、そのままでとっても素敵だと言うことを今回のDVDにも残すことが出来てとてもよかった。
大人になったらぜひ見せてあげたい思いで部会発表会になった。
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