ビジネス本・自己啓発本☆読書日記

元気が出たビジネス本・自己啓発本を読んだ感想をまとめます!

「日本の雇用--ほんとうは何が問題なのか」 (講談社現代新書) 大久保幸夫

2010年12月15日 | 日記
日本の雇用の何が問題だったのか。

それはまず第一に、人に対する企業の姿勢にあると思います。
バルブ期には大量採用し、
不況になったら採用をしないという人事を行った結果、
バブル期に大量採用された世代に、後輩や部下がいないという状況が続きました。
その結果、マネジメント能力や管理職としてのスキルが身につけられない人が
たくさんいるそうです。
そのことは、組織としての能力を低下させる事態を招いている
ということがが述べられています。

何より、組織は人です。
「人を育てる」人事を視野に入れ、
景気によって、いたずらに人事制度を変えるべきではありません。

反対に、変えるべきこととして、
企業が正社員の雇用の形態を多様化することが挙げられています。
具体的には、長期雇用を守りながら、
勤務地や職種などの条件を付した雇用を広めていくことです。

なぜこのような必要があるのか。
それは、正社員の誰もが健康で仕事一筋、
独身もしくは奥さんが専業主婦で、子育てや親の介護は任せきり・・・
という時代は完全に終わったからです。
男も女も子育てや介護をしながら働ける雇用形態を、
社会や企業が真剣に考える時です。

また、保育所を拡充させ、
待機児童問題を早急に解消することも早急に考えるべき問題です。
夫が働き、妻は専業主婦、という形態は時代遅れなだけではなく、
非常にリスクを伴う時代になりました。
リスクに備えるためにも夫婦共に働くことは常に大切なことで
そのためにも保育所の問題は早急に解決すべき問題です。

また、雇用の問題に関しては、企業や社会に期待するばかりではなく、
個人の意識を変えることも重要だと述べられていました。
個人年金や貯金、家族や知人とのネットワーク、社会保障に関する知識、
どこでも通用する能力を身につけるための学習の習慣、
自分のキャリアを展望し、汎用性の高い技術を身につけること。
・・・どれも今の時代を生き抜くのには大切なことです。
私も、実行できることからして実行していこうと決めました。

ものごとには、変えてはいけないことと、変えてはいけないことがあるんだなぁ、
と感じた1冊です。


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