読んで参りました。チェーホフです。今回は、『私の妻たちーー(青ひげラウールの編集部への手紙)』です。あおひげといえば、シャルルペローの作品で、七人の妻を毒殺する男の話です。今回は、その青髭が、自分をモデルにしたオペレッタに文句をつけるというものです。
まず、ペローの原作では、青髭にラウールという名前はなく、グレトリというフランスの作家のオペラで初めて、ラウールと名付けられ、今回の作品は何でもロシアでオペレッタ上演中だった、そのオペレッタに文句をつけるというということで、うまく機に乗じた作品だったのですね。
純粋に表現を追究するのも面白いですが、時代背景から見えてくるものは、教わらないとわからないですね。
もうひとつは、『お抱え猟師』。文章は、志賀直哉を思わせる無駄のない書きぶりで、おふざけ感のあったラウールとは、全く違います。ただ、私にはやや退屈でしたが、そこは、高田映介マジック!なんと、ツルゲーネフの『あひびき』と比べ出したのです。農奴解放のために書いたツルゲーネフの作品では、農奴の美しいだけのアクリーナ、都会に染まったためにアクリーナを見捨てるヴィクトルが描かれていますが、
『お抱え猟師』も、女性が思いを寄せるのにつれない猟師を描いているのですが、ただの農奴ではなく、猟師は自分の仕事にプライドを持っている。女性もたくましく、また12年も帰らぬ夫を待って、一瞬会えたことに喜びを感じる。あとは、様々に解釈可能なようになっています。この女性の立場、男性のあり方をじっくり見ていくと、面白くなります。一人で、読んでいたらよさがわからなかったな。
高田先生からの紹介
チェーホフの『三人姉妹』を「地点」が演じます。神奈川がKAAT神奈川芸術劇場 中スタジオ 2019 7月4~11日
京都が、京都芸術センター 講堂 2019 8月22~25日
です。
かなり、前衛的なお芝居だそう。
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