月一回、近くの藤本眼科で診療を受けている。先生は絵の造詣が深く中待合室の壁に、洋画を掲げておられ、絵は月ごとに架けかえられている。先月は、ゴッホの「跳ね橋」だった。絵画に多少の興味を持っている私は架けかえる絵画を興味深く楽しんでいる。先月24日に訪れた時はシャガールの「空飛ぶ絵」に架けかえられていた。
この絵は、南フランスを旅したときニースの「国立マルク・シャが―ル美術館」へ寄ったときに男性が奇妙な姿勢で女性に口づけをしようとしていた絵画はアニメに近い絵画という印象が深かった「空飛ぶ絵」だった。待合い室の絵から、私は本棚からアート・ギャラリーという洋画の画集から「シャガールの空飛ぶ絵」を調べた。
説明で「空飛ぶ絵」は、シャガールが恋人のベラと婚姻の直前、ベラへの思いを絵に描いた。ベラはシャガールに捧げる花束を持って宙に漂っていて、シャガールも宙に浮かんでベラにキスをしようとしている構図、実際には、とてもできないポーズで首をまげている絵である。と説明があった。私の印象に残る絵にシャガールのモーセの十戒がある。「十戒」は映画化されたが見ていない。でも、若い日に教室で学んだ倫理学で初めてモーセの名前をしり、その十戒が今日の倫理規範に、そして殺すなかれ、盗むなかれ、他人の妻を欲するなかれなど今日の法律に生きていることを知った。
シャガールの絵は、ピュアーであった在りし日の私を偲ばせて呉れ
俄然、若者に立ち返った瞬間の感動を覚えた。この気持ち、誰かに伝えたい。理解してくれそうな人を探した。いた。いた。学生時代から文通していた旧友、お互い年を重ねたが、いつも私を機知に富んだユーモアで励まし勇気づけさらには揶揄して楽しんでいる友人Kを思いだした。友人は独特なユーモアで私のロンリ―を元気づけてくれている良き友人だ。このブログを送ったらどんな反応を示すか確かめてみたいという悪戯心が起きた。反応は早かった。リ・メールは:「ベラは素敵ですね!若し私がキスをしながら宙を舞えたら。どんな気持ちいいでしょう!私ではなく、胸に潜んでいた小悪魔が「貴方とならできるかも」フフフと。一本やられてしまった。アクロバットのようなシャガールの姿勢、誰にも僕にも出来っこないことを知りながら、言わせたのは私ではなく小悪魔だったのですよと断るなど手の込んだ知能犯ぶり。でも映画「後妻妻の女」でなく良き友人ということ。2017/02/20
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