Daily たけ

carpe diem -今を生きる-

ナラタージュ

2005年12月21日 15時43分25秒 | Weblog
この本をこの2日間で、三回くらい繰り返して読んでました。
ナラタージュとは回想シーンのことで、この本も主人公の回想がメインです。
すごくどっぷりと浸かっていたので、まだ夢の中にいるようでなんだか実感が湧かない。
本屋では確か、今年読みたい恋愛小説第一位と宣伝されている本だと思います。
そしてその言葉に偽りはなかったなと。
しかも、著者がぼくと同じ1983年生まれ。
その事実にも驚きです。

この本は、太陽の光みたいな本だった。
太陽の光も色が無いように見えるのだけれども、実際は様々な色が混ざり合ってる。
この本もそう。不安、安心、悲しみ、喜び、嫉妬、尊敬。
そんないろんな要素が混ざり合って、透明な光になって閉じこめられている。

読者が何色の光を見るかは人によって違うと思うのだけれど、
ぼくにとってその光は過去は過去と割り切りつつも、
まだその息吹は自分の中にしっかりと残っている。
そしてそれはぼくの心の真ん中のあたたかいとこの近くで
ひっそりと息をたてて眠っている。

そんな光景を心を乱すような心地よさで、ぼくは感じた。
そしてその心地よさが忘れられず、本の中に自分の心を置いておきたい。
そう感じさせる本だった。