Daily たけ

carpe diem -今を生きる-

無題

2005年12月16日 22時55分17秒 | Weblog
本田美奈子さんの追悼番組がやっていた。
本田美奈子さんはぼくは正直、亡くなってから初めて知った。
突然amazonでCD売り上げがほぼトップを独占していて、
それで亡くなったと知り、その後で歌手だったと知った。
そして白血病を治すために入院をしている途中だったとも。

テレビを見ていると白血病と闘う中、彼女が闘病中に書いた詩の中に、
こんな言葉があった。
「今はみんなにありがとうを言うときなんだ。」

無菌室の中で苦しんでいたはずなのに、携帯で撮られた写真や動画は
どれもすごく元気で笑顔に溢れていた。
さらに音楽を共に作っていた仲間から寄せられるメッセージ。

今となっては知るよしもないが、彼女はどう感じていたのだろう。
そして、死に瀕している彼女が見せた姿というのは、
私達が持っている本来の姿なんだろう。
全てに感謝をして、残るのは喜びだけ。
生きていられる、家族がいる、仲間がいる。

彼女は一度白血病が治って、退院したそうだ。
生きている実感をかみ締めながら毎日を送っていた。
その時、彼女は「太陽になりたい」と言っている。
明るくてみんなに元気をあげて、生きていく上で必要な存在。
けれども運命は苛酷なもので、彼女に再び白血病を発病させる。

ぼくは思う。彼女はじゅうぶんに太陽だったって。
今こうして闘病生活が語られ、彼女が病気から逃げなかった姿勢は
日本のどこかにいる病気で苦しんでいる人にとっての光となるだろう。
生きているときは歌を歌い人々に元気を分け与えた。
亡くなってからは病気と闘う姿勢が人々に勇気を運ぶ。

メディアが捉えられるのはここまでの本田美奈子。
そして、彼女の生き方・作品などはぼくたちの心に一筋の光をきらめかせる。
こういう光を投げかける死が、ぼくは本来あるべき死だと思う。
それは自分の周りの存在でもそう。一緒にいたペット、親戚の中の誰かとか。
心への光は死によってより一層輝きが増す。
だから死はとても尊いと思う。