公開2日目に見てきたよ!☺️
うっすらネタバレありで感想を書きまーす。
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職業柄、そして昨年父を見送った立場から割と客観的に見た。そう、人が老いて病んで亡くなるというのはああいうことなのだ。とても正直に描かれた映画だと思った。いたずらに、見ている人の感情を煽るとか、何かを声高に訴えるとかではなく、淡々と、正直に、人間(肉親)の終末期を描いている。
淡々としてはいるけれど、そこに含まれた内容は多彩で、深く抉れば血が出そうなものもある。(今も根付いているミソジニーとか、タイの医療や福祉制度、格差社会についてとか)でもそうしなかったのは、多くの人の人生ってそんなに激しいものじゃないからかな……。そんな風に思った。
人間って往々にしてそんなにとんがってないしへこんでもいない。火傷するほど熱くもない。振り返ったときにわかる、人生は【じんわりドラマチック】なものだから。生まれたからには誰もが生きて、死んでいかなければならない。その摂理に従って、いたずらにエンタテインメントにしてないところが良かった。(そうじゃない作品、苦手なの💧)
久しぶりに見た俳優ビルキンくんは本当に良かった!普通の青年を普通に演じられる人。(これは難しいこと)施設の多床室に寝てるおばあちゃんを訪ねた時の表情とセリフにこちらの涙腺がやられた。その前のおばあちゃんのセリフも!(そうだよね、女性ってそういう時でもそれ言うよね! )
もちろん、おばあちゃん役のウサー・セームカムさんもキュートで素敵だった。ビバ!自立してる高齢者!そして、病気の進行に伴って落ちていくADLの様子がリアルだった。そこも淡々と正直に描かれていたと思う。
そして、タイならでは、中国系タイ人ならではの習慣、風習も興味深く見た。タイ沼民としては、『とな墓』を思い出したりしてね……。
この映画の登場人物たちはだーれも完璧じゃない。そこが本当に人間らしくてリアル。狡かったり怠け者だったり、冷たかったり頑固だったり計算高かったり……。でもとことん悪人という人もいなくて、優しさや甘さも持ち合わせている。そういうところも正直な映画だと思った。現実ってそういうものじゃない?
後味は爽やか。見て良かったよ。☺️✨✨
音楽も良かった。タイあるあるの?調律の甘い(ゆるい?)ピアノがノスタルジックな良い味を出していた。🎹楽譜あれば弾きたい。そしてエンドロールで流れるビルキンくんの歌。映画よりも随分前に配信されすっかり耳に馴染んでいた曲が、日本語訳と共に流れめちゃくちゃ沁みた……。映画館は時間的なものもあってかガラガラ。(おかげで良い席で見られたけど!)この中の何人がこれ歌ってるのは主演俳優本人だって知ってるのかな?…なんて思ったりもした。 😁
個人的には見て良かったと思える映画だけど、人によってはしんどく感じるかもしれません。私もタイ映画じゃなければ、ビルキンくん主演じゃなければ見なかったかも……。そのあたりは、自衛するなりなんなりをお勧めします。☝️✨
例のピアノ曲↓Spotifyにありました