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タイの沼は海ですか?

『君子盟』完走

↓『君子盟』ドラマ公式サイト

相変わらず中華ドラマ熱が続いている私。☺️連休中、U-NEXTで全話見放題になった『君子盟』を完走しました。

いやぁ、面白かったです。
終盤、一気に畳み掛けて来る展開に、夢中で見てしまいました。

このドラマ、ジャンルはいわゆるミステリー時代劇。私が中国作品でも古装ドラマ(時代劇や武侠、仙侠もの)が好きなのは、そこにプロパガンダ臭がしないから。
エンタメとして普通に楽しめるからです。美術とか所作とか、型が決まっていて、ある意味不自由だと思われるのに、表現としては自由なムードを感じるのです。それでも規制はガッツリあるようですけどね。(許可下りなきゃそのままお蔵入り💧)
そして、何より画的に美しいのも魅力。キャスト含めて衣装、建物や背景(CG含む)なども綺麗なんですよね。


亡き父の汚名をそそぐため二十年前の事件を調べつつ国の機関で働く蘭珏(ランカク)と、推理が大好きな貧しい学生、張屏(チョウヘイ)。ふたりの運命は複雑に絡み合っていきやがて恐ろしい陰謀と向き合うことに……。

では、この『君子盟』の魅力をネタバレありで書きますね。








私が何より好きだったのはそのタイトルの回収です。
【君子たるもの〇〇……】
蘭珏の父の教えでもあるのですが、人間にとって大切なものとは何か、どう生きるべきなのか。そんな問いが物語を通して繰り返されるのです。

中盤、蘭珏が張屏と袂を分かつと宣言した後、闇落ちしそうになるのですが、結局のところ留まるんですよね。
この時代、私怨や私利私欲で裏からいくらでも手を回すことが出来るだろうに、彼はそれを選ばないんです。
蘭珏だけじゃなくて張屏も、様々な局面で正道を選ぼうとします。
倫理や秩序、国の安定や国民の安寧を一番に考えるんですよ。
めちゃくちゃ損しちゃうのに、そちらを選ぶの。自分の生命を賭けて。

物語的には、恨みを晴らすために感情を爆発させて色んな手を使って仕返しする方が盛り上がるし、刺激的なシーンも撮れる。
でも、このドラマはそうはしないなんですよね。主人公たちを敵と同じ低級な魂に染めないんです。そこが良い。そこがすごく好きでした。


そんな彼らの対極として描かれるのがボスキャラの皇太后。
この人、もう少し同情の余地あるキャラかと思って見てきたんだけど、最後までそれは【なかった】です。😅わずかに母としての思いをもらしたシーンもあったけど、やっぱり圧倒的に権力欲が勝ってたなぁ……。彼女の中で。



そして、終盤突如として現れた蘭珏の元カレ(違います)辜清章(コセイショウ)。
いや急に来たよね、この方。なんかすごい存在感で「え、誰?」みたいな。
😁
知己ですよ、知己。しかも同棲してた!(言い方w)
もちろんプラトニックなんだけど、罪人の子として孤独だった蘭珏が本当に理解し合え、こころ通わせた人っていうのが良〜く伝わってきて……。
価値観とか感覚が合って、ふたりでいると楽しくて安心できて。刺激的でありながら心底幸せそうだった。
良いよね、そんな関係。

でも、そこには意図的に辜清章が近づいてきたという裏があったんだよね……。😔
だけど、ふたりが交わした友情は私は本物だ思うの。代わりに毒を飲むなんて、ただ利用しただけなら出来ないことだから。


そうです、終盤に現れた第三の男、辜清章。重要なキャラでした。私は彼に泣かされましたよ。
復讐のためにとったやり方が【君子】ではなかった彼……。だって言わば化学兵器テロなんだもん。罪のない町の人まで巻き込んだ無差別テロなんですよ。もちろん先にそれをしたのが皇太后なんだけどさ。辜清章は正統な皇位継承者でありながら、その復讐のやり方のせいで蘭珏や張屏と対立してしまったのよね。もっと穏便で法的に正しい方法はなかったか……。

それでも、私は彼に同情してしまいました。人間だからさ、理性で抑えられない割り切れない感情ってあるもんね。根っからの悪人じゃないしさ……。泣いていた赤子を抱いて町を歩き、その子を母親に渡したあと見送るシーンで私の涙腺は崩壊……。😭良きヒールでした。



君子であるかないかを決めるのは、地位でも血筋でもない。物事をどう考えどう行動するか……。

そんなテーマをこのドラマは描いているように思いました。


ミステリーとしても面白いし、時代物ならではの怪しさ、不可思議さも良い感じです。映像も綺麗でオープニングやエンディング映像も凝っています。
そして、キャストもみんな良かった!
どうして中国には美しくて、ちゃんとお芝居できる俳優さんがこんなにたくさんいるんでしょう??ますます沼ってしまいます。😁

ちなみに蘭珏の親友役の王硯(オウケン)を演じていたのは『顔心記』で山賊の頭役だった方。そして張屏の親友、陳籌を演じてたのは『陳情令』で景儀役だった方。
こうして顔なじみの役者さんが増えていくのも、中華ドラマに沼る理由でもありますね。😉






しかーし女子の出てこないドラマだったな〜。主要な登場人物、みんな独身(フリー)でしたw。
そんな中、最後の「若君」にはびっくりした!え、蘭珏結婚してたん?!しかも子持ち??😳💦みたいなw。
これ、はじめの方で触れられてたっけ?

本当なら回想シーンなどで妻子の存在を描くのもありだと思うんだけど、尺の都合?とかで一切なかったよね。でもその分、テンポ良く緊張が途切れずに見れたし、【君子盟】というタイトルにも合っていて良かったと思います。☺️✨






















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