コメちゃんの悪性リンパ腫闘病日記

悪性リンパ腫になってからの生活の様子と病気についての考え方を書いていきます。

私にとってのビッグヒストリー

2017-01-30 08:50:33 | 日記
ビッグヒストリーというのは
ビッグバン(宇宙誕生)から現在までの歴史を研究する新しい学問分野のことで
宇宙138億年の歴史を振り返りながら
宇宙・生命・人間の本質や
宇宙における人間の存在の意味を
宇宙論、生物学、化学などの自然科学と
歴史学、地理学、社会学などの人文社会学を統合した
学際的アプローチを用いて考察しようとするものです。
ビッグヒストリー関連のプロジェクトとして
考案者のデヴィッド・クリスチャン(歴史学者)らが
マイクロソフト社創業者ビル・ゲイツの資金援助(1千万ドル)を受け、取り組んできた
新しい教育プログラムの「ビッグヒストリー・プロジェクト」があります。
この中でビッグヒストリー啓発活動として
世界の教育機関等へのオンライン講座の無償提供などをしています。
私がビッグヒストリーに興味を持ったのは、ビッグヒストリーに関するあるテレビ番組がきっかけでした。
その番組でデヴィッド・クリスチャンが行った講義を聞いて
すごく感動し、自分の生活の中にもこれを取り入れたいと思いました。
その頃、体を悪くして、治療の方法や普段の健康管理について勉強し始め
それを自分の健康づくりに役立てたいと考えていた所だったので
早速その勉強に、このビッグヒストリーのやり方、考え方を取り入れました。
これまである程度の医学の勉強はしてきましたが
それらが今の自分の健康づくりに役立つか、と考えると
不十分であると判断しました(自分の不勉強を棚に上げて)。
ビッグヒストリーの考え方が良いと思われるのは
次のことからも分かります。
例えば私達が「眼で物を見る」というのはどういうことかを考えてみます。
最も単純に言えば「物に反射した光を眼で捉えて脳で認識している」となります。
しかしこれを実際に役に立つ知識(認識)にするには
科学的に細部を認識していかなくてはなりません。
まず光についてですが
光とはどういうものか?
太陽から放射されているが、どういう原理で光を出しているのか?
その太陽はどうやって出来てきたのか?
これらを認識するには
宇宙の起源(質量の起源)、恒星の歴史、量子論などが必要となります。
光を網膜の光の受容体で感知することを認識するには
光が分子にどういう影響を与えるか?や光を感知する受容体の仕組みが分からないといけません。
光刺激を神経で脳に伝える部分では
神経伝達の仕組み(イオンチャンネル他)や神経伝達物質のこと、解剖学が分からないといけません。
脳で認識する部分では
視神経の情報を脳で画像にまとめるという脳科学の知識が必要だと思います。
他にも何故生物が光を感知するようになったのか(眼の起源)?を
進化生物学や細胞生物学で学んだ方がいいと思います。
このように「眼で物を見る」というのを正しく認識し、役に立つ知識にするには
宇宙の起源や分子生物学など色々な分野の勉強が必要であるということになります。
ビッグヒストリーの考え方に基づいた勉強が出来れば
例えば「物が見えにくくなった」ということに対しても
光がうまく網膜に届いているか?(白内障)や
光の受容体が正しく機能しているか?(ビタミンA不足)や
神経伝達がうまくいっているか?(神経難病)や
脳が正しく認識できているか?(神経伝達物質の過不足、脳血管障害の後遺症)など
原因を細かく分子レベルで考えることが出来ると思います。
今の科学では体のことも含めて森羅万象のごく一部のことしか分かっておらず
医学に関しても病気の原因から治療することが出来ずに
ほとんど対症療法(症状を抑える)で治療しているのが現状です。
こういったことを理解した上で、ビッグヒストリーのような良い考え方、方法を取り入れながら
色々な分野の知識を深めて、物事を総合的に正しく判断出来るようにして
これからも自分の健康づくりの勉強を続けていきたいと思っています。
偉そうなことを言ってますけど
個人の能力に限界があるので(最近、短期記憶がかなり怪しくなってます)
まあ、ぼちぼちとやりますか。

ヌクレオチドについての考察

2017-01-25 17:49:23 | 日記
前回、生命活動を行う上での最も重要な生体分子は
「ヌクレオチド」ということになったので
今回はこのヌクレオチドについて考えてみた。
ヌクレオチドは
リボースなどの五炭糖の1位に
プリン塩基またはピリミジン塩基が
グリコシド結合したヌクレオシドに
リン酸基が結合した物質で
ヌクレオチドが鎖のように連なると
DNAやRNAのようなポリヌクレオチドになる。
生物体で用いられるエネルギー保存および利用に関与する
ATP(アデノシン三リン酸)もヌクレオチドである。
ATPは生物体内の存在量や物質代謝における重要性から
「生体のエネルギー通貨」とされている。
ATPの構造は
プリン塩基であるアデニンに
糖のリボースがN-グリコシド結合した
アデノシンを基本構造として
リボースの 5'-ヒドロキシ基に
リン酸エステル結合によりリン酸基が結合し
さらにリン酸がもう2分子連続してリン酸無水結合した構造を取る。
このリン酸基同士の結合(リン酸無水結合)は、エネルギー的に不安定であり
このリン酸基の加水分解による切断反応や
他の分子にリン酸基が転移する反応は
エネルギーを放出する高エネルギーリン酸結合となっている。
他にcAMP(環状アデノシン一リン酸)は
アデノシン三リン酸 (ATP) から合成され
リボースの 3', 5' とリン酸が環状になっている分子で
グルカゴンやアドレナリンといったホルモン伝達の際の細胞内シグナル伝達において
セカンドメッセンジャーとして働く。
主な作用はタンパク質リン酸化酵素(タンパク質キナーゼ)の活性化で
イオンチャネルを通して、Ca2+の通過を調節する事にも使われる。
生物にとって極めて重要な補酵素(助酵素)であるCoA(補酵素A)にもヌクレオチドが使われている。
CoA(補酵素A)は
パントテン酸(ビタミンB5)とヌクレオチドのアデノシン二リン酸、および 2-チオキシエタンアミンから構成されている。
末端にあるチオール基に様々な化合物のアシル基がチオエステル結合することによって
クエン酸回路やβ酸化などの代謝反応に関わる。
ではヌクレオチドはどうやって作られるのだろう?
ヌクレオチド類は食品から摂取されるものは排泄され
ほとんどを自分自身で生合成している。
その生合成の経路は2経路あり
一つは一から作っていく新生合成(デノボ合成)で
プリンヌクレオチドを例にとると
まず解糖系の分岐経路であるペントースリン酸経路から供給されるD-リボース-5-リン酸の
1'-OH基がピロリン酸化され,5-ホスホリボシル-1a-二リン酸(PRPP)になる。
このPRPP(今流行りのPPAPみたいで何か嬉しい)を土台に,プリン骨格を次々と組み立てていく方法によってつくられる。
プリン骨格はアミノ酸のグルタミン 、グリシン、アスパラギン酸やギ酸(N10-ホルミル-THF)およびCO2からつくられる。
PRPPはアミノイミダゾール-リボシル-5-リン酸を経て
IMP(イノシン一リン酸)になる。
IMP(イノシン一リン酸)からはアデニロコハク酸を経てのAMP(アデノシン一リン酸)合成や
キサントシンリン酸を経てのGMP(グアノシン一リン酸)の合成が行われる。
もう一つの経路は再利用(サルベージ経路)の経路で
不要になったDNA、RNAが分解するときに生成するヌクレオチドや塩基を
サルベージ経路が取り込み
再利用することでヌクレオチドを合成する。
ヌクレオチドの生分解については
例えばプリンヌクレオチドであるアデノシンとグアノシンを分解する際は
中間体(イノシンからヒポキサンチン、キサンチンやグアニンからキサンチン)及び反応を経て
両方とも尿酸となり
尿へ排出される。
これがヌクレオチドの代謝の概要だが
やはりヌクレオチドは生命活動を行う上での最も重要な生体分子であり
知識を深めて、それを理解した上で
健康づくりにも役立てていきたいと思っている。

生体物質についての考察

2017-01-25 14:32:50 | 日記
生体物質について考えてみた。
生体物質とは
ウィキペディアによると
生物の体内に存在する化学物質の総称で
生体を構成する基本材料である生体高分子(核酸、タンパク質、多糖)や
これらの構成要素であるヌクレオチドやヌクレオシド、アミノ酸、各種の糖などと
脂質やビタミン、ホルモンなどを指す。
生物はこれらの生体物質で体を形作ったり、これらを元にエネルギーを作り
生命活動を行っている。
生命活動にはこれらの物質が必ず必要ということだが
生命誕生の時にはこれらの物質はどう関わっていたのだろう?
生命の誕生に必要な物質についての仮説は
大まかに
核酸のRNA からなる自己複製系が、まず存在し
現生生物へと進化したという「RNA ワールド仮説」と
まずアミノ酸ができ、重合してポリペプチド、さらにタンパク質が作り出され
これが触媒として働いて生命を作り出したという「プロテインワールド仮説」がある。
タンパク質はDNAの遺伝暗号に基づいて作られるので
タンパク質に先立って、まずDNAがなければならないが
ヌクレオチドというDNAの構成単位となる化合物を一つずつ繋いで
意味のある遺伝暗号の鎖にするには
タンパク質(DNA合成酵素群)が先に必要となる
我々の体の細胞にはDNAもタンパク質も揃っているので
生命のサイクルを順調に回せるが
生命誕生の最初の時はどうだったのか?
DNAが先にあったのか、タンパク質が先にあったのか?
今の所これについてハッキリとしたことは分かっていない。
しかしどちらが先だったかというのを抜きにして
生命誕生や生命維持にDNA(RNA)やタンパク質が必ず必要であるというのは
異論のない所だと思う。
我々の体ではタンパク質はDNAの遺伝暗号に基づいて作られるので
我々の生命活動を行う上での最も重要な生体物質は
核酸のDNA,RNAということになる。
核酸は塩基と糖、リン酸からなるヌクレオチドが
リン酸エステル結合で連なった生体高分子であるので
生命活動を行う上での最も重要な生体分子はヌクレオチドということになる。
次回はこのヌクレオチドについて考えてみたい。

グルタチオンについての考察

2017-01-19 12:30:56 | 日記
健康づくりの勉強の中でよく目にする「グルタチオン」について考察してみた。
グルタチオンは抗酸化物質の1つで
アミノ酸のグルタミン酸、システイン、グリシンが、この順番でペプチド結合したトリペプチドである。
構成アミノ酸の中のシステインが持っているチオール基(硫黄)を用いて
過酸化物や活性酸素種を還元して消去するという体の中で最も重要な抗酸化物質の一つとなっている。
また様々な毒物・薬物・伝達物質等を細胞外に排出する働きもある。
ある種の金属イオンは非酵素的にグルタチオンと結合するので
グルタチオンとこれらの物質の結合物(抱合体)は細胞外に排出され
細胞から有害物質が取り除かれる。
哺乳類の場合は抱合体は血中を移動し、腎臓まで運ばれ
腎臓でこの抱合体はメルカプツール酸に変換され、胆汁中や尿中に排出される。
グルタチオン合成はγ-グルタミルシステイン合成酵素によって
グルタミン酸とシステインがくっつきγ-グルタミルシステインとなり
次いでグルタチオン合成酵素によってγ-グルタミルシステインとグリシンがくっついてグルタチオンが出来る。
それぞれの酵素反応にはATPが必要である。
グルタチオンは過酸化物や活性酸素種を還元して、これらを消去するが
自らは酸化され、グルタチオンジスルフィド(酸化型)となる。
体は細胞内のチオール環境を維持する為に、
グルタチオンレダクターゼ(還元酵素)により、
グルタチオンジスルフィド(酸化型)をグルタチオン(還元型)に戻す。
これにより細胞内はグルタチオン(還元型)が高濃度に維持されていることになる。
この酵素反応にはNADPHが必要である。
このNADPHはグルコース解糖系の分岐経路のペントース・リン酸経路で作られる。
また補因子としてFADが用いられる。
グルタチオン分解は、まずグルタチオンγ-グルタミルトランスペプチターゼ(γ-GTP)によって
グルタミン酸とシステイニルグリシンに分解され
次いでジペプチターゼによって
システインとグリシンに分解される。
グルタミン酸とシステインの結合は通常のペプチド結合とは異なったγ-グルタミル結合となっており
このためグルタチオンは、ペプチドでありながら、ほとんどのプロテアーゼに対して耐性であり、分解されない。
グルタチオンを直接分解できる酵素はγ-グルタミルトランスペプチターゼや
その近縁のごく限られた酵素のみとなっている。
またγ-グルタミルトランスペプチターゼは細胞外に存在する酵素であるため
グルタチオンの分解は細胞外でしか行われない。
これらのことから細胞内はグルタチオンが高濃度に存在し、抗酸化物質として働ける環境にあると言える。
これまで述べたグルタチオンの働きを考えると
グルタチオンの合成を増やして濃度を高めることは
発がん予防の観点からは
抗酸化力を高め、遺伝子のダメージや変異を防ぐ効果が期待できるが
抗がん剤や放射線治療を行っているとき(無理に酸化ストレスを与えている)は
反対にがん細胞が死ににくくなってしまう(耐性を持つ)ので
グルタチオンの濃度を高めることがいいとも言えなくなってくる。
これががん細胞に対するグルタチオンの2面性である。
いくら体にいいものでも、使い方で良くも悪くもなる(時と場所を選ばないといけない)といういい例です。
またグルタチオンは他の抗酸化物質を還元型に戻す働きもあります。
酸化されて働きを失ったビタミンC(デヒドロアスコルビン酸)を
グルタチオン-アスコルビン酸回路のデヒドロアスコルビン酸レダクターゼによって
還元型ビタミンC(アスコルビン酸)に戻す働きです。
グルタチオンとビタミンCはこのような関係にある(片方があり過ぎるともう一方は足りなくなる?)ので
それぞれが抗酸化物質としてうまく働くバランスというものがあります。
バランスが崩れるとかえって酸化ストレスを増すことに繋がります。
高濃度ビタミンC療法が無理に抗酸化物質のバランスを崩して
酸化ストレスを増している方法だと思います。
ビタミンCも酸化型ビタミンEを還元型ビタミンEに戻す働きがあるので
抗酸化物質のことを考える時は抗酸化物質全体(体全体)のことを考え
それぞれが上手く機能するようなバランスを考えるべきだと思います。
人間の恒常性は血圧・体温調整にしろホルモンバランスにしろ電解質濃度にしろ、体全体の絶妙な調整機構で保たれています。
病気の予防やがん治療を考える時、それを忘れて部分だけで考えてしまうと
体全体の健康が損なわれる恐れがあるので、
「木を見て森を見ず」にならないように気を付けたい思います。