8年ぶりのカテゴリー「衣」の更新...
着るものに無頓着なくせして「衣」をカテゴリーに入れている小町。
これは、ブログ開設時に、「衣」「食」「住」とすれば、とりあえず、どこかのカテゴリーに落としこんで日記を綴っていけるのではないか?という安易な発想から始まったことでした
読み返せば『どーして衣とは関係ない話を、そのカテゴリーに入れているのか???』という日記が、かな~りあります(笑)
移動しようかとも思いましたが、「それもまた、当時の、勘違いの思い出」として、そのままにしてあります
さて、本日はシャネルのお話です
シャネルって、女性の永遠の憧れだと思うのですが、皆さんはいかがでしょうか?
「憧れ」とは、決して手の届かないものへの思慕。
シャネルのアイテム、まず、お値段が...決して手の届かないもの
そして、お洋服のサイズが、自分の体型では...決して手の届かないもの
それから、さらに、ココ・シャネルの生き様が...決して手の届かないもの
ですが!ブティックでお買いものできなくても~コスメカウンターに立ち寄ることはできなくても~本屋に行けば買えるシャネルがあります!しかも、600円支払って、おつりが来ます!
全ての女性に読んでいただきたい哲学書(と言って良いと思いマス)「ココ・シャネル 女を磨く言葉」。
2012年2月17日に文庫化して発売されました。
2010年に単行本として書店に並んでいたのを立ち読みしたことがありましたが『これは文庫になるな...文庫になると注釈がついたり、加筆されてくるだろうし、何度も読み返したくなるんだし、持ち歩いても読みたいし。だから文庫になったら買うことにしましょう...』と文庫化を待っていたのですよ←ケチ小町(笑)
この名言集...もう、自分が恥ずかしくなるくらい「女」を勉強させられます。『自分は今まで、何をやってきたのだろうか?』と猛省の連続
強い言葉です。叱られている気分です。誰にともなく「ごめんなさい~」と謝りたくなります。しかし、勉強になりますヨ
Web上でもシャネルの名言は、検索すればいくらでも読めます。しかし、やはり「本」で読むほうが
もしかしたら、当時、小町がハードカバー(単行本)を買えなかった理由は、この本を読むと叱られた気分になるので、『大きい本は、イヤ。ちっちゃい本(文庫)で、シャネルに叱られるショックを抑えたい~』と思ったから、買えないでいたのかもしれませんネ
シャネルは自分で運命を切り拓いてきました。
時に、ひたむきに、時に、したたかに、栄光と挫折を繰り返しながら時代を駆け抜けていった人...
源流には「自分を信じる強い心」がありました。
エレガンスとは、なよなよと弱い、フワフワと軟らかい、テラテラと下品ではないもの。つまり、強さとタフさから、実は生まれるものなのかなぁ~と思わされます。
直観力~それが好きか嫌いか。
洞察力~どうしてそれを表現したいと思うのか。
着想力~『私なら、こうするのに。』と既存のものをハイランクにアレンジできるか。
想像力~周囲は、どう解釈し評価してくるか。
行動力~失敗を恐れずに動けるか。
(着想力は想像力に包括されがちですが、ここでは、想像は「発想」という部分と分けさせて頂きます。
着想は、シャネルの例に置き換えれば、紳士用であったジャージーやパジャマ@過去の男たちが身に付けていたものを自分が羽織って、あとは、上流階級女性の華美な装飾を見て嫌悪感を覚え、それを以降の自分の創作に役立てたので、それが、着想。)
上記5つの全てを持ち(いいえ、持って生まれたのではなく、ココは、その5つの力を自分自身で養ってきたのですね)ビジネスに挑んで、時代を大きく変えたアーティスト(デザイナー)。テーマは「女性の解放」。
ファッション業界で唯一無二の特異な存在として輝くまでには、数えきれないほどの失敗や失望、屈辱があったことでしょう。しかしそれら全ては、新たに直面する危機に対する「盾」にもなったはず...
『あの時のアレに比べたら、これくらいのことなんて、へっちゃら...』と。
「あの時のアレ」とは、いつも、新しく対峙して乗り越えた危機の経験が書き換えられていくわけですね。
それまでの概念を覆し、時代を逆手にとって、自分の理想を世に叩きつけ、屈服させた...というと、いささか表現は乱暴ですが、そうした歴史があって、ファッションの変遷が彩られてきたのでしょうから、ここはひとつ、ご容赦くださいませ
シャネルはファッションというビジネスで成功しました。
生まれつき好きなものででの成功でしょうか?
いいえ。
最初は、生きるために身に付けなければならないスキルであった裁縫。
好き好んで始めたものではなく、仕方なく、必要に迫られての技術。
好きなことを仕事に出来ることは幸せです。
だけど、選択肢のない中から、それも暗い思い出の付きまとう、裁縫から始まった仕事だからこそ、クールでドライに構えることができたのかもしれません。
誰かを幸せにしたいという想いで、成功したのでしょうか?
いいえ。
綺麗ごとではなく、誰かのためにではない、すべては自分のため。
母を亡くし、父に捨てられ、誰も自分なんか必要となんてしていないんだ、という焦燥感・虚無感から、誰もが認める存在となってやる、どんな手を使ってでも絶対に。という、気持ちの芽生え。
恋に落ちても、恋で身を滅ぼしたりしなかったのは、幼いころからの、そんな、やり場のない怒りがココの切り札となり、転じて、厳しく自分を律することができたのかもしれません。(でも、一時期、シャネルらしくない放蕩生活の時期もあったわけですが...それは名声を得てからの話。人間ですものネ、仕方のないことデス)
階級社会への反感や、自らの成育歴に対する報復、そんなネガティブな動機を、ものも見事に栄光へ昇華させていった人..
学問では及ばないチカラが、そこにはあって、独学で、手さぐりで進んだ果てに掴んだ成功と、その先に待ち受ける失敗や逆境、そして、それをまた乗り越える手段と実行を繰り返し、類稀な伝説の人となってゆく...
ファッション業界で、これほどまでにドラマチックで、地位が確立されていて、加えてデザイナー自身の有名な逸話が数多くあるブランドって...ありませんよね?
シャネルが高いのは、ガブリエル・ココに敬意を表した、上乗せ価格。なるほど、当然だわ...。
そう思える映画作品が「COCO AVANT CHANEL」。
「アメリ」のオドレイ・トトゥがガブリエル・ココを演じていたのですよ...
2001年にアメリ。それから8年後の2009年に、ガブリエル・ココ。8年という歳月は、人を大きく成長させるものですね
小町は何年経っても成長の兆しすら、見えませんが←自分のことは置いておきましょう
初めて「アメリ」のオドレイ・トトゥを見た時、『この女の子は、小町に再度、何かしらのビックリを提供してくれるかもしれない...』と思っていました。
いえ、そんなに明確には感じなかったのですが、アメリだけで、この出会いは終わらない気が、何故か、していました...。
なので、「COCO AVANT CHANEL」公開の時、『やっぱり...きた。』と思いました。
(オドレイ・トトゥは、この作品が上映される前に「ダ・ヴィンチ・コード」にも出演していましたが、小町、「ダ・ヴィンチ・コード」は観ていません...長編ミステリーサスペンスは自発的に避ける人間みたいです。怖いのと難しいのと長いのがダメな人間なのかもしれません...)
アメリで見た、コケティッシュでチャーミングで、それでいて神経質そうな、いかにもフランスらしい雰囲気を持った女の子が、フランスの代表ブランド・シャネルのココを演じる
アメリを観て、その時に、シャネルを演じるのでは?とまでは思いませんでしたが、『この子、シャネルのイメージキャラクターに合いそうだなぁ...』くらいの感覚はありましたヨ←本当に?後付けじゃないの???
ガブリエル・ココと、オドレイ・トトゥの顔の輪郭は似ていますし、身長はかなり差がありますが(ココは小柄でしたので)その佇まいは、非常に似ています。
オドレイ・トトゥの方が柔和な印象なのは女優さんですし、キツイ顔のオドレイ・トトゥなんて、怖くて想像できません(というか、したくありませんねぇ...)
しかし、よくよく考えてみますと、オドレイ・トトゥはガブリエル・ココに似ているけれど、シャネルのイメージキャラクターにはなりえないんですよね、シャネル(ガブリエル・ココ本人)に似ている人、を起用することはないですよね。多分。
シャネルは自分自身ではなく、自分が作り出した創造物を世に出したかったわけですから(自分が表に出ることは好まなかった、ということでした)、シャネルの精神に反します。
でも、そんなシャネルは晩年、自分の軌跡を残すべく自叙伝を綴ってくれる作家を探していたという話がありますから、もしシャネルが生きていて(というか、生き返って)、この「COCO AVANT CHANEL」を観たら、どんな感想を語るのか、とても興味があります。
この作品は女性の方なら絶対に観て頂きたいです
シャネルの黎明期を描いたラブストーリーなのですが、俳優陣はもとより、美術と衣装も、この上なく素晴らしいのです
2008年(この作品の1年前)にシャーリー・マクレーンが演じた「ココ・シャネル」があるのですが、小町は映画館で、これを観ていません、DVDをレンタルして観ました。
比べるのは良くありませんが、やはり「COCO AVANT CHANEL」の方が良いですねぇ...
フランス語であること。(「ココ・シャネル」は英語でした)
バルザン役とカペル役が、作品に非常にマッチしていたこと。
史実を、ほぼ正確に表現したこと。
美術表現が卓越していたこと。
「COCO AVANT CHANEL」。
これ以上にガブリエル・ココを描いた映画作品は、もう出てこないのでは?とさえ思います
シャネルの実像に関してはナチスドイツのスパイ説など、穏やかではない面もありますが、誰もが認めるエレガンス性と、そのサクセスストーリーは充分に魅力的なものだと思います。
シャネルを認められない(受け入れられない)という人がいるのだとしたら、それは眩しさに目を細める時の反応にも似た、嫌悪というより畏怖というものなのかもしれませんね?
もし、シャネルがいなかったら、機能性そして創造性豊かなデザインのお洋服が出てくるのは、まだまだ先だったかもしれません。
私たちは、自由なファッションが楽しめない時代を生きていたかもしれないのです
それでは、おしまいに、小町がシャネルの名言と出会った最初の言葉(OL時代に読んだファッション誌でのシャネルの特集。もう25年以上も昔のことですねぇ...)を、ひとつだけ...
「20歳の顔は自然から授かったもの。30歳の顔は自分の生き様。だけど50歳の顔には、あなたの価値がにじみ出る。」←「ココ・シャネル 女を磨く言葉」message47
小町、もうすぐ50歳...価値が問われるステージ、もうそこまで来ています
<2018年1月21日 加筆>
昨年10月に発売されて売り切れ続きのハンドクリームのラ・クレーム・マン。
白いチューブタイプから白い楕円形のラミネートケースに姿を変えて、
それはまるでタマゴかと見紛うスタイル。
その少し前に発売されて話題になっていたクレヨンのようなリップカラー
その名もル・ルージュ・クレイヨン・ドゥ・クルール。
デパート内のコーナーでも当然お試しが出来ますが、メゾンでも同じように試せます。
個人的にはシャネル銀座店がオススメ。
松屋銀座の向かいのシャネル銀座店。
この中にある入場無料のネクサスホールでは
現在フランク・ホーヴァット写真展を開催中(~2月28日まで)
エントランスから奥に進むとエレベーターがあって、
ちょうどそこにはコスメコーナーがあるんですヨ。
アートとコスメを楽しめて嬉しいですネ。