小町日和(だけど、今は紫繋~SHIKEI~ )twitter @purplemaple1

好奇心と猜疑心がせめぎ合う日常生活の中で、目に耳に飛び込んでくるいろいろを、ハートで濾過して腑に落とす小町の独り言です。

音楽の正体とは...

2013-03-15 | 
カテゴリーは「音」ではなく「考」です...

本日は「音楽」のお話を中心とした日記を残したいと思います。


今回タイトルにしましたのは「音楽の正体とは...」。


芸術というものは、聴いたことがないもの、観たことがないものを、人々が一途に追い求める分野ですね。
追い求めるのは、作る側も、作ったものを愉しむ受ける側も、同じ。

特に「音楽」というのは、芸術の中でも、絵画や彫刻のように物質が存在しないので、非常に感覚的なものです。
その分、作り手や表現者の、生き様やセンス、人柄や思考がダイレクトに出てしまう、面白くも危険な創作活動...


自分の中に降りてきたメロディーやキーワードを育て上げ、それらを丁寧に繋ぎ合わせて、濃密な音と感情の空間を作り上げるのが音楽だと思います。

音楽というものは実体がない上に、お金がかかります。
(楽譜やCD、映像ソフトというものを除いて、今回はライブステージというものに、焦点を合わせますね)

作る側は制作にお金を必要としますし、受ける側は、それを愉しむためにお金を支払います。
音楽とは、お金が関係する、非常に贅沢なゲームのようなもの。

受ける側は音楽を通して、高揚感を得たり、感動を味わったり、活力の源を得た気分になります。
作る側は音楽を通して、聴衆の支持を得て自己実現を行い、収益を上げ、次なる自己実現の場へと繋げてゆきます。

音楽には、趣味で行う(中にはプロを目指す)アマチュアと、ビジネスとしての成立が求められるプロとに分けられますね。

アマチュアは時間を無限に費やすことが可能です。技術や表現力や高いアーティストがプロの世界へ、という図式は、通常のスタイル
プロには制限がつきます。時間・予算・人材、そのすべてが有限です。その中で一定のクオリティをキープしつづけないといけません。関わった人々以外には想像がつかない、厳しい世界ですねぇ...


ビジネスとしての音楽。
音楽で成功するというのは、どういうことをいうのでしょうか?
アーティスティックサイドと、ビジネスサイドを両立させるには、収益・評価・将来性(または安定性)、そのどれもが、右上がりの上昇曲線を描くこと。といったところでしょうか?

損失を出さないこと→誰かが認めてお金を出さなければ、その次の一手に繋がらない。
良い反響を得ること→次なるステップへの期待を持ってもらえなければ、先がない。
時を経ても残ること→何十年経っても記憶に残る、記憶に上書きされるものでなければ、やった意味がない。

作る側は、受ける側の快感原則をつかむことが重要になってきますね...

受ける側の求めているものは何か?こちらの用意した作品の構成はどうか?展開はしっかりしているか?舞台の空間演出はどうか?会場内に響く音の重ね方はどうか?という事前の準備。

聴衆の反応はどうか?伝えたいことを伝えているか?場の雰囲気を掌握しているか?という、本番での対応能力。

作る側はとにかく、見抜くこと・考え抜くこと・やり抜くこと、を、高いレベルで要求されます。

そうして放たれた、作る側・表現者(アーティスト)のパフォーマンスを、受け手側は、記憶と期待と想像という名の、心のフィルターにかけて、好きと嫌いを判断してゆく...

人間という生命体は、非常に利己的な判断をするものです。
その基盤となるものは「Addiction~嗜癖~」。
日本語に直訳しますと「中毒」とか「依存」といった、あまり良い意味ではない言葉ですが、好きと嫌いの判断を下すときに、大きなウェイトを占めるのが、このAddiction。


少し、食べものの話など絡めてみましょう。
カタイ話を綴ってしまって、実は肩が凝っちゃいました、皆さんも読んでいて疲れませんか?
それに...ちょっぴりお腹も空いてきましたし

皆さんは、人にAddictionを起こす食品って、どういうものか、ご存知ですか?
アメリカの医学博士デヴィット・A・ケスラー説によりますと、それは「砂糖」「脂肪」「塩」、この3つが絶妙なバランスで組み合わせてある食品なのだそうです。

たとえば、トウモロコシ。
ただ茹でただけのトウモロコシ、これ、甘い(糖分)ですよね?それにバター(脂肪分)と醤油(塩分)を添えると、とても美味しくなりますよね?

バターしょうゆのトウモロコシ、お腹すいたので、ちょっと自分で作って、食べてきます








...というわけで、食べて、戻ってまいりました



再び音楽のお話に戻りたいと思います。

ライブステージというものは、抜き差しならない真剣勝負。

「心に残る印象的な音やリズム」と「共感できる、または、個人差はあるものの、脳に映像化できる歌詞」を持つ作品を「魅力のあるパーソナリティやスタイル」を備えたアーティストが表現して、Addict現象を起こすこと。

上記の食品のお話に重ねあわせて言えば、「糖分」「脂肪分」「塩分」という3つは「音やリズム」「歌詞」「表現者」という3つ(それぞれを、どれに例えるかは個人的感覚でお願いします...)に結び付けることでAddict現象と酷似していると言えるのではないでしょうか?


ライブステージの成功の鍵を握る、聴衆を巻き込んだAddict現象。


その現象を起こすことができるか、できないか、それは「賭け」。


「音楽」とは、FANTASYとADDICTが交錯する摩訶不思議な世界。




<2017年1月9日 加筆>
この世に果てしなく溢れ 数えることも不可能なほどに存在する音楽。
どんなに創り出しても 聴衆に届き、受け入れられなければ意味さえ問えない非情さと
音の響きを通して癒しや救いを生み出す素晴らしさがあるから 人は音楽をやめられない。

形を持たないものなのに、しっかりと時代の流れに伴走して、
ヒトの持つ脳内快楽物質を刺激し続ける。
音楽に携わる者は、さながら人間文化という名の襷をかけた駅伝のランナー
中継地点まで走りきり、襷を渡すことのできるランナーの数は、それこそ宝くじの
1等当選確率よりも、低い。

トップを独走していても、そのままいくわけでもなく
ペースが崩れることあれば、アクシデントに見舞われることもあることでしょう。

音楽に携わるランナー達に贈る言葉があるとすれば...
人間の健康の3大要素にひとつ加えて、贈りたいと思います。
『メンタル・フィジカル・ソーシャル・テクニカルの巧者であれ』。

君ならできる!なの(^-^)