広範な国民連合・大阪

自主的で平和的で民主的な日本をめざす政治運動団体

RFIDの国際標準化とペンタゴン・ウォルマート連合 京都大学教授 本山 美彦

2004-12-29 21:04:05 | 講演録(全国)
 はじめに

 ある高名な先生が、判断力のない人間の典型として私を取り上げています。言外に、日本企業のだめな点を告発せず、すべてアメリカの陰謀のようにして日本企業に免罪符を与えている「陰謀史観」だ、というニュアンスで書かれています。私は逆に、今ここで反戦の声をあげずにいつあげるのか、とお聞きしたい。
 いま経済学の世界では、マーケットがすべてを決める、という神話が流行しています。人間の自由な競争によって世の中が進み、特定の個人や権力者が社会を動かそうとしてもそれはできない、という考え方です。これは間違っており、力の強い権力が世の中を動かしている、と私は思っています。私たちが何気なく自由に行動しているように見えても、誰かが意図した誘導の中で動いています。例えば、東京の人はエスカレーターに乗るときは左側に立ちますが、関西では右側に立ちます。たまたまそうなったのではなく、まずそういう都市の設計があるわけです。アメリカと日本の企業が競争して日本の企業が負けるのは、アメリカが強いからだと単純に考えられていますが、与えられているルールが違います。
 例えば、パソコンのOS(基本ソフト)はほとんど、アメリカで開発されたウインドウズです。多くの人は自由な競争の結果、自然にそうなったと思っていますが、事実は違います。二十年も前に、東大助手だった坂村健さんがウインドウズよりも優れた国産OSのトロンを開発しました。そして松下がトロンを搭載したパソコンを作り、学校教育の場に持っていこうとしました。ところが、アメリカは、国家的な事業でウインドウズを排除している、トロンをやめさせろ、と圧力をかけてきました。日本の通産省はアメリカに屈し、ある有名な大会社がこれに結託して、トロンつぶしをやりました。松下の製品はアメリカでボイコットされました。自由な競争ではなく、力でねじ伏せられたのです。その立て役者であるヒルズ米通商代表部代表は、その功績でアメリカの巨大ゼネコンの重役になりました。
 松下のパソコンはつぶされましたが、トロンは生き残り、携帯電話に使われています。そして坂村さんは今、いつでもどこでも簡単にコンピューターを利用できる環境をめざして、ユビキタスIDセンターを作りました。例えば、洗濯物にICチップをつけておくと、洗濯機が情報を読みとり、洗剤の量、回転の速さ、洗濯時間を自動的に選択する。神戸市が名乗りを上げている自立的移動支援プロジェクトでは、歩道の点字ブロックにICチップを入れておき、目の不自由な方のステッキがそれを読みとって、音声で右に曲がってください、止まってくださいと知らせてくれる。あるいは駅の案内板に携帯電話をかざせば、どこ行きのバスは何番ですなどと教えてくれる。そんなふうに、生活に便利なインフラをつくろうと、四百を超える会社がユビキタスIDセンターに参加して技術開発をしています。

 人類の遺産を競売にかける

 私がイラク問題で許せないことは、人道的な問題もありますが、一万年以上の歴史を持ち文明の粋を集めた世界をアメリカが破壊し、人類の文化遺産を雲散霧消させたことです。これは人類に対する冒涜です。
 イラクは世界最古のメソポタミア文明の発祥地です。「イラク」は低い地域、つまり、チグリス川とユーフラテス川に挟まれた肥沃な低地という意味で、バグダッドは、神(バグ)の贈り物(ダッド)です。アレクサンダー大王は、川(ポタモス)の間(メソス)、つまり二つの大河の間にある地域ということで、メソポタミアと命名しました。
 アレクサンダー大王はマケドニアの小国から始まり、西南アジアを支配してヘレニズム時代を出現させた人です。彼はメソポタミアの知識人や哲学者に学び、新プラトン学派はその影響を受けています。メソポタミアのミトラ神崇拝は、後に、ローマ帝国全域に広まります。このミトラ神の誕生日が十二月二十五日です。コンスタンティヌス大帝はキリスト教を公認するとき、イエスの誕生日をこの日に変えました。それ以前のキリスト教では、イエスの誕生日は四月七日でした。
 近世になってから、ヨーロッパの哲学、宗教を無知蒙昧なアジアに教える、という考え方が強くなりましたが、歴史をひもとくとアジアがヨーロッパに強い影響を与え、両者の緊張関係の中で偉大な文明が発展してきたことがわかります。わずか三~四百年の歴史しかないアメリカが、一万年を超える交流の歴史の中で培われてきたものを破壊し、それを自由の進歩だと錯覚していることに激しい憤りを覚えます。
 アメリカはこの偉大な文化遺産を持ち去り、競売にかけました。米国防総省(ペンタゴン)とくんで競売のリストを作成したウォルマートの社長は、「われわれはサダム・フセインの悪政からイラク人を解放しただけでなく、イラクの財宝をも解放した」と豪語しました。ラムズフェルドも競売に参加し、「私も黄金の皿を買った」とテレビに登場し、自由を愛する米国人の善意でイラク戦費をまかなおうと訴えています。

 ICタグ

 ペンタゴンとウォルマートの連携で、競売よりも重大なことは、兵站(物流)技術の開発です。湾岸戦争では、前線に送った物資が輸送中に紛失したり到着が遅れて、四割近くが砂漠に放置されました。今回のイラク攻撃でも、物資が届かず食糧不足のため砂漠で身動きできなくなった部隊が出ました。その苦い経験から、ペンタゴンはウォルマートの物流戦略を学び、連携して兵站技術の開発に乗り出しました。ICタグの導入です。ウォルマートは二〇〇五年一月から、納入物資の梱包箱にICタグをつけることを納入業者に義務づけることを開始します。ペンタゴンもそれにあわせて二〇〇五年一月から、調達物資へのICタグ貼り付けを納入業者に義務づけました。ICタグをつければ、物資がどういう経路で運ばれ、どこにあるかが瞬時にわかります。
 ICタグとはIC(集積回路)を埋めこんだタグ(荷札)のことで、無線で情報を読みとったり、書き込んだりすることができます。このシステムをRFID(無線Radio の周波数Frequency を使った身分証明Identification )と言います。周波数が大きいほど、離れたところからも読み書きができます。JR東日本のカード「スイカ」やJR西日本の「イコカ」もICタグの一例です。ICタグを牛につければ放牧を管理できます。
 人間につけられたらどうなるでしょうか。ある国際会議では、参加者に無断で名札にICタグがつけられ、参加者の行動がすべて当局によって把握されていました。人体に埋め込むICタグも開発されています。九・一一事件で死んだ消防士が黒こげで誰かわからない、というのが発端でした。軍事会社のアプライド社がベリチップという子会社を作って開発しました。二〇〇四年七月、ベリチップのICタグが入院患者に注入されて訴訟問題になりましたが、米当局はこれを認可しました。ベリチップはメキシコの司法長官を宣伝に使い、彼は誘拐される恐れがあるので腕にICタグを埋めていると述べ、児童誘拐防止にタグが使用されるようになりました。ベリチップは衛星による位置確定システム(GPS)を利用して、人間の位置を測定する技術の開発にも乗り出しています。人間をICで管理する、恐ろしいことが進んでいます。

 RFIDの世界標準化

 ペンタゴン・ウォルマート連合のRFIDは、マサチューセッツ工科大学(MIT)のオートIDセンターが開発したものです。MITが開発したRFIDで情報をやりとりするコード(方式)の体系をEPCと言います。MITはEPCコードを世界標準にするため、それを推進するEPCグローバルを作り、イギリスのケンブリッジ大学、スイスのチューリッヒ大学、中国の復旦大学、日本では慶應義塾大学と提携して、一大運動を起こしています。
 ところが、日本ではすでに、先述した坂村さんのユビキタスICセンターが、UコードというRFIDのコード体系を開発しています。これは商品のバーコード、国際的な図書や逐次刊行物のコード、インターネットのIPアドレス、電話番号など、すでにある様々なコードを利用できる、かなりの優れものです。これに対して、EPCコードが世界標準になると、既存のコードはすべて書き換えなければなりません。

 トロン紛争の再現

 そして、またもや通産省の後継である経産省が坂村さんに待ったをかけました。二〇〇三年十月、東京で開かれたオートIDセンターの国際会議で経産省の役人は、「政治の力でEPCコードを日本標準にしてみせる。坂村さんはそれがわかっていただけると思う」と発言しました。国家による介入もあり得るとの宣言です。国産の技術を開発してきた日本人の努力は無に帰し、利益はアメリカに吸い取られることになります。
 二〇〇四年九月、東京で小売り技術サミットが開かれました。ウォルマートの担当者は「EPC対応のICタグを一枚五セント(五円)にまでする」、「EPCグローバルが唯一の標準団体である」、「すべての業界でEPCコードを採用するべきで、皆がバラバラの技術で進めば幸せになれない」と発言しました。
 ウォルマートは、アメリカ国内で百万人、全世界で百六十万人の従業員を雇用する、最大の小売業です。しかも、労働組合の結成を認めていません。売上高は二千五百億ドル(二十五兆円)を超えます(日本で最大のイオンは三・五兆円)。すでに西友を傘下におき、ダイエー買収に名乗りをあげました。二〇〇六年から株式交換による企業買収が外資にも認可されますから、買収攻勢はさらに激しくなります。そのウォルマートと取り引きしたい業者は坂村方式を採用するなという脅しです。
 経産省は、現在一枚五十円のEPC対応のICタグを五円にすべく、「響きプロジェクト」を立ち上げ、二年間で開発するよう、日立に十八億円で委託しました。日立はEPCグローバルに加入して技術をもらい、二〇〇六年秋から量産体制に入ることになりました。アメリカの言いなりになる連中の政治的圧力によって日本の独創性を封じられ、日本人は独創性がなく物まねばかりするという汚名をかぶせられるのです。

 おわりに

 同じ条件のもとで日米の企業が四つに組んで競争しているのではないのです。日本が勝てないような仕組みが設定されていて、日本が負けるのです。日本が負けるのは、アメリカ的コーポレートガバナンスをやらないからだ、日本社会の閉鎖性が招いた事態だ、などという考え方に私はくみしません。独自の技術を開発して、日本はこれでいきます、どうぞアメリカさんはご自由にと言おうとしたら、アメリカの言うことを日本の政治家が鵜呑みにし、日本の経産省が恫喝する。そういうことが常に繰り返されてきました。これにノーと言う政治システムを、私たちは作っていかなければいけません。
 ヨーロッパやアジアは、アメリカとは違った道を歩もうとしています。ロシアは勝ち馬に乗ろうとして、ヨーロッパにつくかアメリカにつくか様子を見ています。日本は、アメリカとは違った生き方をしているアジア、ヨーロッパの国々との友達づきあいを今よりも密接にしていかなければなりません。世界から孤立し、経常収支赤字を拡大させているアメリカに一辺倒で、アメリカと抱き合い心中をする――そんな道はごめんだ、というのが私たちの知恵ではないかと思います。

ポスト・ドル支配は無極時代 ミネルヴァのフクロウは飛び立つか

2004-12-29 20:59:43 | 講演録(大阪)
同志社大学教授・元三菱総研ロンドン所長 浜 のり子

 世界に依存するアメリカ

 私は、いまの世界を多極化しているとは思っておらず、無極時代、ドル支配が終わった後の世界と認識しています。もちろん、今なおドル支配の時代だと思っている人々もいます。その筆頭がブッシュであり、二人目がイラク戦争にいち早く賛成した小泉純一郎、そしてイギリスのブレアだと思います。
 ドル支配が終止符をうったのは一九七一年八月十五日で、アメリカはドルと金の交換停止を宣言しました。それまでは、金一オンス=三五ドルでドルと金を交換できた。ドルを基準に、一ドル=三六〇円という固定相場制でした。だから、ドルは基軸通貨として認識されていたわけです。しかし、この日を境にドルは金と交換できなくなり、固定相場制も崩れました。
 いかにハイテクのラップトップでも、バッテリーが切れると動かない。これと同じように、どの国も独自の電源がなく、たえずバッテリー切れを恐れ、他国をバッテリーとして頼まなければ暮らしていけないのが、無極時代です。金・ドル交換停止以前は、ドルとアメリカが戦後世界の電源の役割を果たし、アメリカという電源につながってさえいれば、それなり暮らせる時代でした。今やグローバル時代を構成するすべての国々や経済圏は、誰も独自の電源につながっていない。その中で、バッテリー依存症が最も激しいのがアメリカです。そのアメリカに組み込まれているバッテリーは日本製で、最近は中国製にも依存しています。
 アメリカは、政府も家計も企業も買いすぎ、大幅な輸入超過で、赤字がどんどんたまっています。その赤字の面倒をみているのが日本です。日本はドル買いの介入資金も含め、アメリカに資金を流して、借金の穴埋めをしているわけです。依存される側の日本や中国も、アメリカの買いすぎに依存して経済を回しています。お互いに相手をバッテリーにして、相手に依存しなければ経済活動を続けていけない。これが世界経済の実態です。アメリカの一人勝ち、アメリカ一極集中などというのは誤りです。多極時代でさえもない。これが、ドル支配が終わった、無極時代になったと言う意味です。
 それでは、EUが新たな軸としてアメリカに対抗する存在感をもてるのか。ユーロ支配が来るのか。これは容易なことでなく、二つのことに合格しなければなりません。
 第一に、お仕着せワンサイズ主義から脱却できるか。例えば、欧州中央銀行が決める金利が、ユーロ圏(EU加盟国中の十二カ国)を支配しています。財政赤字がGDPの三%をこえてはいけないという決定が、EU全体(二十五カ国)を拘束しています。金融制度や租税制度、技術基準なども一本化すべきだと、均一化の論理が働いています。背の高い人も低い人も、ワンサイズの洋服をお仕着せられる状況です。しかし、痛みを伴うお仕着せワンサイズでは、豊かな多様性が芽吹かず、外に対して豊かな発想力をもってみることはできません。ここから脱却しない限り、EUはアメリカに対抗する存在として力強く自己展開していくことはできないと思います。
 第二に、進化は深化をこえられるか。EUは今年五月一日、新たに十カ国を迎えました。これらの国々の多くは旧ソ連圏で、経済体質も戦後の歴史もまるで違います。EUはこれをきっかけに、多様性を受け止められる存在へ進化していけるのか。それとも、痛みを伴う不合理なお仕着せワンサイズに東欧の仲間を押し込めていくのか。
 この二つに合格すれば、EUは存在感を増すでしょうが、不合格となれば、分裂と衝突に満ちた存在になる可能性があります。

 経済のアジア化、ローカル化へ

 無極時代は弱者の持たれあいの世界で、弱者のつぶしあいに転化する恐れを内包しています。為替市場では、アメリカが日本や中国を非難し、日本はアメリカが悪いと言えず、ドル買い介入をする。ヨーロッパはアメリカやアジアを非難する。つぶしあいの姿がすでに見えています。通商関係でも、鉄鋼をめぐってアメリカが欧州や日本と対立する。欧州はアメリカの遺伝子操作食品を、日本は中国のシイタケを輸入しないと言う。弱者の持たれあいが、つぶしあいに変わる瀬戸際にきています。
 こういう中で、日本がまともな存在になるために、二つのことが起こらなければいけないと思います。第一は、日本経済のアジア化です。日本がアジアに門戸を開放し、日本のイニシアティブでアジア、特に中国との一体化を進めることです。いま以上に中国の安い物が日本に流れ込み、生産拠点が中国に移転して一層空洞化するわけですから、これは大変な問題です。しかし、それを十分にふまえた上で、「保護は救済につながらず」という歴史の教訓に学ぶべきです。戦後のアメリカは、日本との貿易摩擦で輸入課徴金制度や輸入数量規制を行い、日本も自主規制しました。しかし、保護措置で守られた産業や企業や産地は自らの競争力、生産性、創造性を失い、救済されるどころか敗北に至りました。
 第二は日本経済のローカル化です。地域社会、地域経済がそれぞれ独自の力、独自の創造性を発揮して、内にあっても堅固を競い、外に向かってもたくましくアジア化を進めていかなければなりません。戦後の日本は、全国均一の国土開発によって、貯蓄規模では世界一のリッチな国になりました。しかし、その中で忘れ去られてきた内なる多様性、地域というものが前面に出てこないと、日本もお仕着せワンサイズの中で窒息死するところにきています。
 例えば、イギリスのサッチャー改革は経済の活性化で大きな成果をあげました。しかし、労働組合つぶしや労働福祉の抹殺という面に加えて、中央集権的な改革であったため、地域社会、地域経済に壊滅的な打撃を与えました。先週、イギリスに行きましたが、ロンドンは物価もホテルも非常に高く、ロンドンへの一極集中、土地バブルで景気が成り立っています。ところが地方都市に行くと、まさに「シャッター通り」です。ロンドンの失業率は三%なのに、バーミンガムやマンチェスターは二〇%でした。サッチャー改革による地域つぶしは、経済全体の構造を歪め、脆弱な経済状態をもたらしてしまいました。
 地域の主体性、自由な自己展開が認められるほど、日本への愛着も増し、帰属意識は強まるものです。豊かな個性で多様に自己展開しながら、強い帰属意識をもつ地域群によって構成されている日本こそ、世界にとっても魅力的で、存在感のある国と映るのではないでしょうか。
 私は「ミネルヴァのフクロウは黄昏どきに飛び立つ」という言葉を心に刻んでいます。ミネルヴァはギリシャ神話に登場する知恵の女神で、他の神々や人間に用がある時は、使者としてフクロウを向かわせます。この言葉は哲学者のヘーゲルが言った言葉で、マルクスもこれを引用しています。一つの時代が黄昏を迎えると、その時代を規定していた考え方、哲学、社会経済システムも役割を終え、次の時代を規定する新しい考え方、哲学、社会経済システムが到来して、夜明けを呼ぶ。そういう形で人類の歴史は前へ前へと進んでいくということを、彼らは言いたかったわけです。
 弱者の持たれあいが弱者のつぶし合いに転化するのか、それともそれを免れるのか、われわれはそういう岐路に立っています。古い時代の古い知恵、中央集権的でお仕着せワンサイズの知恵が黄昏どきを迎えている中で、新しい知恵の到来を告げるミネルヴァのフクロウが飛び立とうと身構えている。古い知恵がいいとフクロウの飛び立ちをおさえれば、黄昏の次に来るのは夜明けではなく永遠の暗闇です。ミネルヴァのフクロウを飛び立たせていただきたい。無極時代から力強く脱却する方向に進むことを切望します。

国民連合第10回全国総会in大阪が大成功をおさめました

2004-12-29 20:56:05 | 取り組み
 11月23日~24日、大阪にて第10回全国総会が開催され、小泉改革のもとで切り捨てられ怒りに燃える労働者、中小商工業者、失業者、そして青年学生が結集する発展的で画期的な総会となりました。

 挨拶や報告は、現在の小泉改革がいかにアメリカに追随し中小企業を切り捨てているか、そして労働者を過酷な状態にさらしているかを明らかにするものでした。
 本山美彦・京都大学教授の記念講演は、各界からの報告をよりリアルに根拠をもったものとして理解し、認識を深めました。経済学者と現場で闘っている人々が相互に学び合い、「大きく連携できそうだ」という雰囲気が会場にあふれました。

 討論では、失業の中で仲間と出会い希望と勇気を見出し団結して闘っている失業者、学生・若者の理不尽な政治に対する怒り、本山教授の話に啓発され「このような話をもっと多くの人に聞いてもらいたい」「中小企業との連携を強めよう」という発言、アメリカのイラク攻撃には断固反対する闘いを組織しよう、等々、積極的な意見が数多く出されました。
 国民生活を守るために各層が連携して闘うアピールが可決され、アメリカのイラク攻撃に反対して行動する総会特別決議が採択されました。
 25日にはフィールドワークが行われました。大阪市大正区の沖縄出身者居住地域、釜ヶ崎の日雇い労働者の街、大阪市生野区の在日朝鮮人居住地域を関係団体の方々にご案内いただきました。