産婆の気持ち

助産師として活動している中で感じること、日々の生活の中での出来事や思うことを書き綴っていこうと思います。

こんな地域格差

2009-03-31 22:39:34 | 日々のできごと
パソコンとかインターネットとか、そんなに詳しいわけではありません。
今でも手探り状態で使っています。
そんな状態で、7年間同じパソコンを使い続けていましたが、最近、その愛用していたパソコンがとうとう壊れてしまいました。

私が住んでいるところは、僻地というほどではありませんが“普通に田舎”という感じのところです。
インターネットの回線も光回線は開通?していないし、高速回線もすべてのプロバイダで使えるわけではなく、私が使っているのは未だにダイヤルアップ回線です。(パソコンとかインターネットにそんなに詳しくない人が書いているので多少表現が違うかもしれません・・・)

今回、新しいパソコンを買うために電器屋さんでいろいろ説明を聞いてビックリしたことがありました。
最近のパソコンは、高速回線や光回線が普及してきているからなのか、ダイヤルアップ回線の機能が付いているパソコンは今ではひとつのメーカーしか取り扱っていないのだとか。

初めは使いやすさとか頭の良さとかいろいろと説明をしてもらいながら、あれにしようかこれにしようかと考えていたのに、最後の最後に選択肢はないことが判明しガッカリ。
他のメーカーのパソコンも、別売りでダイヤルアップ回線用の機器を付ければ大丈夫と言われましたが、それは面倒くさいし、結局“選択肢のない”パソコンにしました。

店員さん曰く、私の住んでいるところは「将来的にも光回線は届かないでしょう」と。
こんなところにも地域格差が・・・

WBC

2009-03-25 23:01:14 | 日々のできごと
プロ野球なんて興味はなく、普段観戦することも気にすることもないのに、今回のWBCには熱が入りました。
不思議だなぁと思います。

甲子園にしても、地元が勝ち進めば勝ち進むほど地元のチームの応援に力が入り、地元が負けてしまうと今度は九州勢へとそれが移り・・・
地域別とか国別対抗になるとやっぱり仲間意識が高まるのか、選手のことが身近に感じられて、自然と応援する気持ちが湧いてくるのが不思議です。
おかげで、名前も所属チームも知らなかったプロ野球選手の名前と顔を覚え、選手に情がうつるほどになってしまいました。

ひとつの目標に向かっている一生懸命な人の姿には、やっぱり感動します。
そして、その結果が最高なものになった時には、さらに感動と元気をもらえますね。

赤ちゃんにおむつはいらない

2009-03-21 22:07:16 | 育児
“赤ちゃんにおむつはいらない”
「えっ?」「うそでしょ?」と思いますよね?
でも、昔の子育ての話を聞くと、赤ちゃんの頃からおむつはしていても、おむつの中ではなくおまるや庭でおしっこをさせていることが多かったそうです。
だから、おむつを汚すことも少なかったのだそうです。
私も、赤ちゃんの頃ではなかったと思いますが、庭で母に抱えられて「しーしー」という声を聞かせられながらおしっこをしたという記憶が残っています。

アフリカなどの地域の子育てでは、お母さんと赤ちゃんはいつもそばにいます。
お母さんは赤ちゃんを袋に入れて抱えているので、いつもお母さんと赤ちゃんはくっついています。
ずっと一緒にくっついているため、赤ちゃんが「おしっこをしたい」とか「うんちをしたい」という様子がすぐにわかり、そのときは赤ちゃんを袋から出しおしっこをさせて、また袋に戻すのだそうです。しかも、おしっこをしたいという様子は確実にわかるのだそうです。
新米のお母さんは最初のうちは服を汚してしまうこともあるようですが、子育てに慣れたお母さんたちに聞いてみると、100%のお母さんが「わかる」と答えるのだそうです。

東南アジアでの子育て風景で、赤ちゃんはおむつではなく股の開いたズボンのようなものをはいていて、おしっこをしそうになると抱きかかえて足を開かせ、すると自然にズボンの股の部分が開き、そこからおしっこをさせている、という風景を見たことがあります。
中国でも、1~2才の子どもが同じように股の開いたズボンをはいていて、おしっこの時にしゃがむと自然におしりがズボンの外に出ておしっこをしているところを見たことがあります。

国によって子育ても様々だと思いますが、日本でも、似たような時代があったんですね。
そんな昔の子育ての頃は、おむつがはずれるのも1~2才と早かったのだそうです。
今はだんだん遅くなっていて、3才でおむつをしている子も多いと思います。
おむつがはずれないことが悪いということではないのでしょうが、体に備わっている最大限の感覚や赤ちゃんのちょっとした様子の違いをキャッチする感覚は薄れてなくなってしまうのかもしれません。
もしおむつがいらない子育てができたとしたら、お母さんの感覚が磨かれ、赤ちゃんは自分の意思がお母さんに伝わっていると感じることができ、さらに、おむつにかかる費用(紙おむつ代・おしり拭き代・布おむつの洗濯枚数)が減り、ゴミが減り、いいことだらけです。
今、「赤ちゃんにおむつはいらない」という研究が行われ、取り組んでいる方たちもいらっしゃるそうです。

おっぱいと虫歯

2009-03-16 23:15:03 | おっぱい
母乳で育てていて、よく耳にする話。
「いつまでも母乳をあげていると虫歯になるよ」
子どもの健診のときや歯科検診に行ったときにもよく言われる言葉だと思います。

虫歯になる理由として言われるのは、「母乳にも糖分が含まれているから」「夜中におっぱいを飲むから」「飲みながら寝てしまうから」

虫歯菌は糖を使って歯垢や酸を作り、虫歯を作ります。
代表的な虫歯菌であるミュータンス菌などは、ショ糖を分解して歯垢を作るそうです。
その歯垢の中でさらに酸を作ることのできる虫歯菌が増殖し、その虫歯菌が糖を分解して酸ができ、歯を溶かして虫歯になるそうです。
砂糖や果汁に含まれているものがショ糖で、母乳に含まれているのは乳糖です。
だから、母乳だけを飲んでいる間は歯垢ができず、虫歯にはなりにくいということです。

でも、歯垢はショ糖から作られても、歯垢の中に増殖する他の虫歯菌がショ糖以外の糖分(乳糖も)を分解して酸を作ることもあるのだそうです。
だから、母乳以外の食べ物を食べ始めれば母乳でも虫歯ができる可能性はゼロではないということです。
でも、虫歯菌が乳糖を分解して虫歯を作る能力はショ糖を分解して虫歯を作る能力に比べると低いそうです。
エスキモーの人々は3才くらいまで母乳を飲ませる習慣があるそうですが、虫歯は少ないそうです。

世間でよく言われる「母乳の子に虫歯が多い」というのは、おっぱいはこどもが欲しがれば飲ませるものなので、同じ感覚でおやつも欲しがればあげるとなれば虫歯を作ってしまいます。「母乳の子に虫歯が多い」ではなく、「母乳も飲んでいて、おやつもだらだらと摂っている子に虫歯が多い」のだと思います。母乳を長く飲んでいても虫歯のない子はたくさんいると思います。

虫歯ができるのは「母乳のせいだ」と言われ母乳をやめる。
もともとは母乳のせいではなく、食生活のせいだったり歯の質のためだったりするのに母乳をやめることになる。
おっぱいを飲む・吸うことは、子どもの心身ともに健やかな成長にはとても大事なことなのに、そのことは重要視されない。
「母乳をやめる」が最初の選択肢ではなく、おやつや食事の仕方を見直すこと、口や歯の清潔を心がけることが最初の選択肢のはずです。

世界がもし100人の村だったら

2009-03-13 21:50:05 | 思うこと
先日、『世界がもし100人の村だったら』という番組が放送されていました。
その中であった西アフリカの少年の話です。

少年は1歳のときに罹ったポリオの重い後遺症のために歩くことができず、四つんばいで地面の上を這って移動していました。

一人の少年は両親と離れて暮らしており、自分が歩けるようになれば両親が迎えに来てくれ一緒に暮らすことができるだろうと考え、いつか立てるようになると信じて、毎日柱を支えに立つ練習を繰り返し、柱に擦り付けられる膝には血がにじんでいました。

もう一人の少年は、手に職をつけて自立しようと、毎日イス作りの修行に励んでいました。
そのイス作りの修行に通うのにも、片道40分かけて四つんばいで地面を這って通っていました。
そして、自分でお金を稼ぐことができるようになったら、手漕ぎ自転車を買いたいと話していました。

日本でも1950年~1960年頃にはポリオが流行したようですが、予防接種が開始されてからは激減し、今では国内での自然感染はなくなっているそうです。
予防接種については様々な意見や考えがあると思いますが、今のような日本の状況になったからこその様々な意見や考えだと思います。

世界中で戦争や紛争が起こっており、争うことに尊い人命を犠牲にし、お金を使っています。そして、それを何とかしようと、他の国々も尊い人命を犠牲にし、莫大なお金を使っています。
何とかしなければならない問題が山積みなのだと思いますが、将来の世界を担っていく子どもたちのために世界中が力を合わせることはできないのだろうかと思います。

山桜

2009-03-10 21:57:21 | 日々のできごと
今年も桜の季節が近づいてきました。
でも、桜の前に見頃になるのが“山桜”
今、山桜がきれいな時期です。

数年前、阿蘇にある“一心行の大桜”を見に行ったことがあります。
ものすごく風格のある立派できれいな山桜でしたが、山の木々の間であちらこちらに花を咲かせている山桜もとてもきれいです。

抱っこで授乳

2009-03-09 23:47:40 | 赤ちゃん
BFH(赤ちゃんにやさしい病院:baby friendly hospital)に、昨年、鹿児島生協病院が認定されました。鹿児島県では久米クリニックに続いて2施設目となります。
それを記念して、昨日、BFH認定記念講演会が開かれました。

「母乳育児の意味と赤ちゃんにやさしいという意味」ということについて、日本赤十字九州国際看護大学教授の吉永宗義先生が講演してくださいました。
その講演の中で「抱っこされて授乳してもらうことの大切さ」についても話されていました。

赤ちゃんは人と接することで人らしく成長していくわけで、人とのかかわりがないままでは生きた感情を持った人らしくは育ちません。
赤ちゃんは成長する中で、まず“自分と他人”という二つの関係がわかり、次に“自分と他人と物”という三つの関係がわかっていくのだそうです。

赤ちゃんは成長すると、だんだん周りの人や物に興味や関心が向いていき、それが表情や行動に表れてきます。
子どもが「指差しをするか」と質問されることがあると思いますが、これも“自分と他人と物”の関係がわかってきているかの目安にされています。
その前の段階の“自分と他人”。これは、目を合わせて見つめあったり顔の表情や声を送りあったりすることで芽生え、培われていきます。
“抱っこされての授乳”はとても大事な時間ということになります。
授乳中のテレビやメールは“抱っこされての授乳”とは言えません。

今は物が豊かで溢れかえっている時代で、次から次に新しい物が作られ、本当にたくさんの商品が世に出回っています。
その中のひとつに、授乳ホルダーという商品があると聞いたことがあります。
抱っこしなくても、赤ちゃんが寝たままの状態で、一人でミルクを飲むことができるというモノだそうです。
モノがあると使いたくなる人間の心理というものもあると思います。
赤ちゃんの成長を思うと恐ろしくなります。

ふたつの誕生日

2009-03-02 20:10:00 | 思うこと
昨日は父の誕生日でした。
でも本当に生まれたのはこの日ではなく、随分前なのだそうです。

戸籍上の誕生日と実際に生まれた日が違う。誕生日がふたつある。
昔はこんなことはよくあることだったらしく、農繁期で忙しかったとか、交通の便が悪く役所へなかなか届けに行くことができなかったなどが理由だったそうです。

でも、違う理由でということも聞いたことがあります。
生まれた子どもに生きていく力があるかどうかを見極めていたということです。
今の時代では生まれた命は助けるのが当たり前となっていますが、医学・医療が進歩していなかった時代では、そういう考え方がされるのも当然だったのかもしれません。

生きる力を見極めてから出生届をするとは、一見、冷酷で命を軽視しているかのように感じます。
でも、それぞれの命を繋いでいくというすべての生物が行っている命の営みの大きな流れの中で、ひとつの命に与えられた力をすべて受け入れる、という尊い考え方なのかもしれません。