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筑波大学MBA-IB日記 - Be the No.1

2012年8月から筑波大学のMBA-IBに通っています。No.1を目指そう!という意気込みで、”Be the No.1"

結構大変だった授業(その2) FinanceⅡ

2013-10-11 07:30:00 | Accounting / Finance
FinanceⅡもMarketingⅠと同様結構大変でした。しかも、この二つの科目、同じTERMに提供されたので、最終日のグループプレゼンテーションが、ほぼ同時期になり、タイムマネジメントにかなり苦労しました。

MarketingⅠもFinanceⅡもグループワークではチームリーダーを引き受けてしまったので、なおさら大変でした(笑)。

FinanceⅡは、Valuationを扱う科目で、株式の評価(配当モデルとキャッシュフローモデル、残余利益モデル)、債券の評価などがテーマでした(不慣れな領域なので、表現の仕方に問題があるかもしれませんがお許しください)。これらについてのレクチャーが4コマ、そして最後にグループプレゼンテーションという内容です。

グループプレゼンテーションは、4-5人のチームに分かれて、特定の企業の評価をするというものでした。自分たちのチームはあるアパレルメーカーを選択してその企業の評価を行いました。

まず、その企業の戦略の把握、そして今後10年間のキャッシュフローの予測(何が収益ドライバーやコストドライバーになるかを考えながら、今後のキャッシュフローの予測)をして、それを割り引いて理論株価を求めます。そして、それを現在の株価と比較して、その企業の株は売りか買いかという結論を導いていくというものだったと記憶しています。割引く際に使用するWACC、それにCAPMもマーケットのデータを使って自分で導いて使用するという点が非常に難しく、面倒でもありましたが、勉強になりました。

そして、5コマ目の授業の時に、ある意味コンペティションのような形で各グループがプレゼンテーションをして質疑応答をするという方式で授業は進められました。自分たちのチームは2位!結構頑張ったつもりだったのですが、質疑応答にチームワークが見られなかったとのことで、、、悔しい思いをしましたが、今回の教訓は、今後につなげようと思ったのでした。





IFRSと日本的経営 1

2013-10-05 16:48:54 | Accounting / Finance
秋学期がそろそろ始まっているのですが、会計を少し深堀してみようと思い、博士課程のクラスを一つとっています。“IFRSと日本的経営 何が、本当の問題なのか“という課題図書に沿ってディスカッションするクラスです。全5回なのですが、1回目は第一章“経営スタイルと会計–日本企業が直面している課題”を読んでのディスカッションです。

IFRSと日本的経営―何が、本当の課題なのか!?
クリエーター情報なし
清文社



IFRSは、日本の企業の経営スタイルにフィットしないという主張がありますが、本当にそうでしょうか。また、日本的経営は本当に変わらなければならないのでしょうか。まずは、日本的経営スタイルと欧米的経営スタイル、それに伴って発達してきた計数管理の方法を比較してみます。

1.日本的経営
投資効率よりも、長期的・全体的成長を重視
→ 長期的・全体的な成長に求められる情報を、短期的かつ細分化して計数化することは難しかったので、会計を判断ツールや業績管理ツールとして発達させるという必然性が生まれてこなかった。

メリットとしては・・・
長期的な雇用関係から生まれる熟練形成、技術蓄積といったオペレーションに強みが形成された。
長期的な顧客との取引関係から生まれる信用を重視できる。
個々の経営者が当該事業で有するノウハウや経験(たたき上げのため)の活用できる。

2.欧米型経営スタイル
一般に責任と権限および成果に伴う報酬が明確にされている。
→経営者は業績管理につながる管理会計を発達させる必要があった。

デメリットとしては・・・
経営判断が短絡的になったり、雇用が不安定化しやすい。
業績と報酬との結びつきが強いので経営者不正を招きやすい。
オペレーションにおいても、チームワークの欠如や従業員の柔軟性、現場の創意工夫の欠如が発生しやすい。


上記のように、日本的経営スタイルでは、長期的・全体的成長を重視してきたようですが、日本企業が本当に長期的に良いパフォーマンスをあげてきたかというと、必ずしもそうは言えないようです。

売上高は、1960年以降基本的に増加傾向
営業利益は上下動を繰り返しながらほぼ一定のレンジに収まっている
投資効率も一貫して下落傾向にある
PBRも1980年代後半のバブル経済による株価高騰の時期を除き、漸減傾向にある
→2011年12月末現在、全東証上場企業約1,900社のうちPBRが1倍割れしている企業数は、約1,400社(74%)ということも考えると、日本企業は長期的に投資家の期待に応える収益性や投資効率を達成してきていなかったことになる。

また、1997年の会計ビッグバン以降、日本の会計基準は国際化を目指して大きな変化を遂げてきましたが、それにより何が起こったかというと・・・

経営の失敗を減損損失や関係会社整理損・事業構造改善損といった管理対象外の特別損失項目で計上しつつ、それとほぼ同額に近いレベルの特別利益を投資有価証券売却益や固定資産売却益で計上し、翌期以降にV字回復をはかるアプローチをとる企業が出てきた
日本企業の予算管理の構造として、営業利益や経常利益が主体であり、特に売上高管理や売上原価管理が中心に行われており、このような管理は、オペレーショナルな部分に強みがある日本型経営と親和性が高いのですが、戦略機能に関連する指標については有効に管理しきれていない
など・・

本書では、経営と会計の融合を以下の4パターン分けており、それぞれのパターンに潜む課題を順次議論していき、IFRSと日本的経営のフィットとその課題、日本的経営は本当に変わっていかなければならないのかなどを議論していくことになるのだと思います。

パターン1.
制度会計と管理会計が経営判断と完全に分断しているパターン。
→経営者は、自らの思想を測定するための会計ツールを有しておらず、独自の方法で情報収集し経営判断を行う。

パターン2.
管理会計に基づいて経営判断を行っているが、制度会計とは切り離して運用しているパターン。
→このパターンでは、売上や売上原価等の限定的な主要項目について多くみられる。カイゼンKaizenが制度会計とは別に管理会計独自の視点で行われている場合などがその例。

パターン3.
制度会計から出てきた数字を用いて、経営判断を行っている場合。
→このパターンは、日本企業で頻繁にみられる。
IFRSでいわれているマネジメント・アプローチが、管理会計→制度会計という方向での制度会計と管理会計の一致「制管一致」であるのに対し、このパターン3は、制度会計→管理会計の方向での「制管一致」

パターン4.
制度会計が経営判断に影響
→有価証券を時価評価しなければならなくなったため、時価変動の景況を回避するために持ち合い株式を解消するという経営判断
→退職給付会計が導入されることに伴い、含み損失が顕在することを見越して退職給付せいどを見直すという経営判断

それぞれのパターンでの課題等については、次回以降また議論していくことになります。

アカウンティング

2013-09-25 06:35:33 | Accounting / Finance
アカウンティングについては、自分の専攻で提供されている3科目(Accounting1: Basic Accounting Theory (Financial Accounting), Accounting2: Financial Analysis and Bankruptcy Prediction, Accounting3: Managerial Accounting)全部受講しました。

Accounting1はコア科目なのですが、初心者には難しい論点に入り、最後は試験という結構大変な授業でした。

Accounting2は、選択科目で財務分析と企業の倒産予測を扱う科目です。特定の業界の3社を選んで、財務分析などを使用して比較しながら、回帰方程式を使用して倒産予測をするという授業です。倒産予測=企業の与信管理的な考え方だと思うのですが、このような科目は他では提供されているところは少ないと思うので、興味深かったです。例によって最後の日はプレゼン、18:20にスタートして、議論が白熱し23:00過ぎまでやっていたタフな科目でした。。。

Accounting3は、管理会計。基本的な原価管理や活動基準原価計算、予算とコントロールなど管理会計の主要論点を学びました。最後にレポート提出があったのですが、課題の要件にしたがって、管理会計に関する実務をCFOもしくはそれに近いポジションの人にインタビューしてまとめるというものがありました。なかなか他社のCFOと接する機会などないのですが、クラスメートに相談しまくり、1社のCFOと別の1社のコントローラーの方にお会いすることができ、管理会計に関するいろいろな話をきく機会を得ました。これは、この授業をとっていなければ、自分でやることはなかったであろう貴重な体験でした。なお、この先生は、今年はMBA-IBは受け持っておらず、別の先生が担当されるようです。


基本的に、全部5コマの授業なので、ハンドアウトが配布され、それに沿って勉強するという感じでした。5回しか授業がないので、あまり深く読書している暇がないのも事実なのですが、下記の本が参考図書として指定されていたと思いますので、ご参考までに。

Accounting1
財務会計概論
クリエーター情報なし
中央経済社


Accounting2
倒産予知モデルによる格付けの実務
クリエーター情報なし
中央経済社


Accounting3
Management Accounting: Information for Decision-Making and Strategy Execution
クリエーター情報なし
Prentice Hall


あとは、特に指定図書というわけではないのですが、こんな本も参考にしました。
グロービスMBAアカウンティング【改訂3版】
クリエーター情報なし
ダイヤモンド社