別館 兄弟仁義

超常現象ドラマの兄弟愛と家族愛をうっとおしくつつくブログ

スーパーナチュラル シーズン5 その14

2014-01-01 22:22:39 | シーズン5
第17話 バビロンの淫婦

ある小さな町で、サムとディーンが大勢の悪魔に追い詰められる。町の住人たちに救われる二人。住民全員が子供まで、悪魔退治のために準備して戦っている。
終末戦争と悪魔について知ってるのは、牧師の娘リアが天使から預言を受けているため。彼らと協力し、悪魔退治する兄弟。
しかし、リアのお告げはだんだん極端な方向に。禁酒や夜間外出禁止、さらには自分たち町の者だけが選ばれ、終末世界後は世界を統治すると言うようになり、不信神者やお告げを無視する者らを排除していくことを命令する。
仲の良かった町の人たちも、いさかいや不信、ついには殺人まで起きてしまう。
サムが呼びだしたキャスに聞くと、リアは預言者ではなく終末世界に現れる“バビロンの淫婦”であるという。
殺せるのは神を信じる敬虔な者のみ。兄弟とキャスはリアの父親の牧師を説得するが…


険悪状態で終わっても、次回にはまた一緒にインパラに乗り先に進まなきゃならんのが、この兄弟(^_^;)
気まずい雰囲気でずっといられるほど平穏無事な日々は続かないという皮肉もある。
二人だけでなく、協力体制で多数と狩りをして、ちょっと息抜きできたと思いきや。
リアがとっくに殺されてて化け物が入れ替わっている事実もだが、兄弟間の張りつめたものは何かにつけて飛び出してくる。
サムは先に進み、堕天使を拒否し、終末戦争を止めることを兄貴と二人でやるんだという気でそれを見せもするんだけど、ディーンは半ばあきらめてきている。追い打ちをかけられ続けた絶望に、何をやっても無駄な気持ちがここかしこに出てきてる。

結局、なぜかディーンがリアに憑いていたバビロンの淫婦とやらを刺し殺す。神を信じてない兄がどうしてできたのか。
そして兄がこの回のラストに取った選択。

もう娘ではないとわかっていても、殺すことができなかった牧師。そして彼は頭を打ち、手当てしてももうだめだよと匂わせている。
頭の打撲だけでなく、娘がいない世界に生きる意味を見いだせないと眼が語ってる。
それを見て、ディーンは決めたんでしょう。
ルシファーの器になろうが、ディーンはサムを殺せない。殺そうとしたところで物理的に無理なのは、『5年後の世界』ですでに見せられてるし。
ミカエルの器になっても、奥底に押し込められたディーンとしての記憶は、弟と殺し合いになることは最大の苦痛だろう。
でもそれを避け続けてきた結果、ルシファーがサムをとりこんでしまったらもう、すべての人が犠牲になる。
それを牧師とこの町の顛末で感じた兄は、ミカエルのもとへ。


ミカエルの器になることに決めたことにも増して、兄貴がその前に弟から離れて行った先が、リサの元というのがね。
兄弟ファンには解せないというか、納得しがたいところじゃないでしょうか。
私はリサとベンの母子は好きなんで別に不満はないんだが。

これは実際、前回の天国編で弟の望む幸福が自分を含めた家族にないってことは、確かに効いてますねー。
自分でなくなる前に会いたいと願い、君たちだけは守ると誓う相手がこの二人。
リサはディーンの好みだとは思う。お軽い付き合いでなくて兄が好きになる相手って、自立した女性だからね。
シーズン3で地獄落ちになる前に、も一度会ってお楽しみしたいって動機だけで会ったにしては、その後の流れは兄の心にインプットされた模様。
若い時はカラダの相性だけのお付き合いだったのが、再会して気持ち的にも惹かれたと。
でもまあ。これはベンの存在が大きいよね、完全に。
自分の息子ではないけど、息子がいたらこんな子に違いないってくらい兄貴似のベン。
ベンがいなかったらリサには興味ないということはなかろうが、リサとベン、一セットでディーンにとっては大事に思えたと。

前回書いたけど、ディーンにとっての幸せが守るべき者がいることで、その家族を守りつつ共に暮らすことが実は兄の夢と私は思う。
サムはずーっとディーンが守るべき弟で、それはサイキックやら悪魔やらの問題を山ほど超えても変わらなかった。

でもここに来て、弟の運命を自分が変えることはできず、さらには自分の運命もどうあがいても変えられないと思い始めてる。
けれどサムは、その状況の中でも投げない選択をしようとしてる。
弟が何か別のものになるかもとか、運命は替えられないとか、自分とサムが戦わなくちゃならないのかとか。そういう葛藤とは別に、サムはもう良かれ悪しかれ自分の選択をし、それをディーンが四の五の言える時期ではないと感じたんじゃないですかね。
弟気質が消えるわけじゃなし(笑)、100まで生きようがサムはディーンの弟だけど。
この世で心残りがあるとすれば、自分が守れるかもしれない“家族”としての単位―妻と子を感じさせてくれる、リサとベンに心は行きついたのではと思います。


あと今回の息抜きは、やさぐれキャス(笑)
パパ神さまにすっかり失望しておそいグレに入ってるキャスは、サムの呼び出しに現れるもグデングデンに酔っている。
天使がこんだけ酔うには、バー一軒分のアルコールを摂取したようです。
で、金は払ったんかい(笑) バーガ―んときと同様無銭飲酒じゃないかい。
グレ入ってるのもあるとはいえ、キャスは酔うと絡むらしい。弟がやり玉(笑)
『君の声は嫌いだ』、主の忠実なしもべに自分も兄も当たらないが、サムなんてもってのほかだと言い放つ。
でも、留守電の呼び出しには来るし、小さいソファで弟と並んでバビロンの淫婦についての本を見てる(笑)
かわゆいね、キャス。

でもわたしゃ、嫌われてようが、それを知ってても気にせずさくさく助けを求めるサムに笑った。
こういうところ、弟気質の良い面だと思う(笑)

住人達の悪魔祓いの呪文が、やけに短いなと思ったら、バビロンの淫婦の手下の悪魔どもでつまりは祓われたフリだった。呪文として教わってた言葉は「お前など山羊の口と交わっていればいい」だったとか^_^;
そんなことを言ったキャスをまじまじ見る兄弟。キャス「天使語だと面白いんだが」って。
天使間にも冗談あるんですか(笑)
山羊はキリスト教では悪魔の象徴でもあるので、それを逆手に取った雑言ということでしょうね。




次回はまた少し長いかな。100回記念エピだし。



(2010.12.19)

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