もう, テレヴィネタが連続してしまうとか言っている場合ではなくて, どうにもこうにも「リンカーン」なのである.
ちょっと集めすぎなのではないか, と事前~オープニング後くらいまで心配だったのだが, 「各コーナー十名程度にフォーカスを絞る」ことによって充分まとまりのある内容で, しかも初回は大喜利的な要素満載で大満足.
もうダウンタウンひとり勝ちの時代ではないのは確かだが, やはりダウンタウンの安定感というのはやはり異常なまでに突出している. これだけの人数を集めているにも関わらず, 各個人を満遍なくいじり, 確実に収拾をつけることができるMCなど, 浜田以外に誰がいるだろうか.
そして何よりも重要なのは, 演者もスタッフも「何をどうやれば面白いものができるのか」ということを熟知しているプロばかりである, という部分であろう. 番組構成, 芸人の選択, そして演者のパフォーマンス. この番組は, 奇を衒わずに, 才能のある人間にやりたいようにやることのできる場を提供すれば, これだけ面白いものができる, ということを証明している.
例えば, ふかわりょうにしてみれば「気持ち悪ぃオッサン」などというフレーズを持ち出してくるのが大竹であることなど百も承知しており, さらに大竹のネタなど大竹が言うからこそ最大限に活きるということも熟知しているわけで, ならばそれを十位にしておいて罰ゲームという形で大竹に演らせる, というのが笑いの形としてはベストであることは計算できるわけである. だからこそあのコーナで, 「ふかわの懐かしのネタを辿る」だけに留まらない大竹ワールドが炸裂したのである. ふかわの独断かスタッフとの打ち合わせがあったのかなどどうでもよい. とにかくこういう計算ができる人達が作っているということが, 貴重なのである.
強いて難点を挙げるとすれば「張り切りすぎている」ことくらいだろうか. ガキの使いや内Pのような肩の力の抜けた番組にできないのは時間帯の問題なのだろうし, 初回だということもあるのだろうが, 若手ベテランともにやや頑張りすぎていたのが今後に向けて心配である.
とにかく, 二時間弱笑いっぱなし. 久しぶりに笑い疲れる.
笑わなかったのはワッキーの「おばけの救急車」とやらだけであった. ああいうのは10カラットあたりでやっていればよろしい.