<前回から続く>
さて平和祈念公園の見学を終えて次の目的地に向かいます。
バス停の近くの「石敢當」これで「石敢當」になるの??
魔物が一直進に迫ってくるので建物などに入ってこないようにするための魔よけのようなものだそうと初日のガイドツアーで聞きました。
さて次の目的地は与那原町の鉄道資料館。直線距離でここから11㎞先。那覇までは約13kmなので那覇に戻るのと同じぐらいの距離ですが、那覇は西海岸側にあるのに対して与那原町は東海岸。
沖縄のバスは那覇から郊外のどこかを中心に路線が形成されているようなので、行程を考える中でもここの移動が一苦労。交通費は出来るだけ節約したいので尚更です。
本当は与那原町は別の日にして今日は糸満周辺を回るの方が行程としては余裕があるのですが、明日は帰る日なので出来れば今日済ませたいもので。
平和祈念公園前のバス停(平和祈念堂入口)で予定の玉泉洞駐車場行のバスを待っていると、到着予定時間まであと5分弱というところで、バス停の前の1台の軽自動車が止まり、運転手のおじさん(おじいさん?)が何処まで行くのかと話しかけて来るので、
とりあえず「玉泉洞に・・」と言うと「鍾乳洞のところか・・送っていってあげるから乗って行きなさい」と・・。
といっても知らない人の車にほいほい乗るわけにもいかないし、玉泉洞で40分ぐらいで乗り換えの予定なので「バスがもうすぐ来るのでいいです」と固辞します。
おじさんは「自分は車にガソリンを入れるついでに奥さんに買い物を頼まれてここを通りかかったところで」と、「ポーク 小」とか書いてある買い物メモまで見せられて、奥さんに頼まれた買い物ついでで自分は怪しいものではないといった感じで・・。
だんだん断りづらいような状況になってきて、いちかばちか乗せてもらうことに。
「今日は那覇から来たの??」
「そうですね」
「バスは乗ってる人いなかったでしょ??」
「ガラガラでした・・」
「そうだろうね~バスに乗るのは高校生の通学程度でみんな乗らない、この辺りを走るバス(琉球バス交通)は経営破綻していて、今は福岡の第一交通の資本がはいってる」「本土の補助金で走ってるんよ」と・・
「卒業後も沖縄に残る高校生はみんな3年生の夏休みに免許を取りに行く」だそう・・。私が高校生の時は「免許取得は進路決定後」と言われていたのを思い出しますが、そもそも免許がないと就職もままならないのでしょうね。
軽自動車は車庫証明は要らないし車は結構もらえたりするんよ・・と、この車ももらったと。
車が結構もらえるなんてびっくりというところですが、「この車は奥さんからもらった」と・・。「それはもらったうちに入るのかな??」とも思います。
「車庫証明がいらなくても車庫はいるでしょ」という突っ込みが田舎では無粋なのは、田舎の実家周辺の様子を考えれば私もなんとなくわかります。
私が車窓の写真をよく撮るのに気をよくしたのか「写真をよく撮るね~」とそれなら近くに景色がきれいな場所があるとサザンリンクスゴルフ場に。
サザンリンクスゴルフ場はホテルを併設しているようで・・。こういうホテルはゴルフをしながらゆっくり滞在するような人向けなんでしょうね。
確かに景色がよさそうですが、平和祈念公園の隣、ここも当然かっての激戦地のはず。先ほど祈念公園を見学したばかりなのでそういうのも気になります。
ここは本土から有名な芸能人などもよく来るそうで・・ただ今日は来てないねと・・、ゴルフカートが動いているのが見えるも「あれはこの辺の人だね」と「わかるんですか??」と聞くと、有名人が来る時はここ(正面の車寄せ)に高級外車がずら~っと並ぶそうで。
この辺りには宮本亜門の別荘もあるとかで「もうちょっと早く会ってたら宮本亜門の別荘に連れて行ってあげれたんだけど・・」と
具志頭のJA直売所(南の駅)のところで「ここは観光客向けで高いんよ」と、沖縄は給料が安いから本土の観光客頼みだそうで。
奥さんに頼まれた買物はスーパーに17時にすぎに行くそう。「なんでだと思う??」と聞かれたので「安くなるからですか?」と答えたら「いやいや、夕方に品出しするから品物新しい」だそうで。
このおじさん、沖縄の出身で若いころは神戸の製鉄所で働いていたものの40歳ぐらいの頃に長男だから戻ってきたそう。
どうも私が沖縄で話す人は「若いころは本土に行ってたけど戻ってきた」という人が多いような・・。沖縄にはそういう人が多いのか、それともそういう人は観光客に気さくに話しかけるのか・・
このシーサーは写真に撮った方がいいと。なかなか大きいシーサーですね。
沿道にはサトウキビ畑が広がるものの、今はサトウキビは金にならないそう・・。以前は糸満に製糖工場があったものの、周辺の住環境問題などで撤退、今は(本島)中部まで運ばないといけないので工場までの輸送費が馬鹿にならないそうで。
なんでもこれから向かう玉泉洞(おきなわワールド)では普段からエイサーのショーをやっているそうで。糸満では年1回しかやってないそう。
ただ今日は平日だからどうかな~??と
というところでおきなわワールドに到着。
おじさんは「那覇方面に戻るバス停はここ」と説明してタクシーの運転手に客引きにあっても「貧乏旅行だから金がない」と言ってやり過ごしなさいと
・・、もし「バス停が分からなかったらスタッフに聞くといい」と3回ぐらい言われてやたら心配されました。
おきなわワールドで客待ちしてるタクシーを見ておじさんは「ぽんびきがうようよおる」と・・。なんでも元タクシー運転手だったそうですが、それが信じられないぐらいタクシーはやばい乗り物だという雰囲気の言いぶり。まぁ貧乏旅行なのは事実なのですが。
友人から聞いた琉球大出身者の話曰く「沖縄のタクシーは観光客とみるともれなく遠回りをする危険な乗物」だそうですが、その話も誇張でもないのかも??
さて「おきなわワールド」は玉泉洞という鍾乳洞を中心に各地から移築した古民家の村で手作り体験などアクティビティを体験出来たり、ハブの飼育展示をする展示館やエイサーショー、ガンガラーの谷という森歩き体験、カフェやレストラン、土産物屋といったものの集合体のテーマパーク。
事前の調査では入り口前の無料エリアにもカフェや土産物屋などがあるので、入場料払わなくてもバスの待ち時間にそれなりに楽しめるよう。
駐車場に車を入れておじさんがスタッフに聞くと14時30分からのショーが始まったところだそう。無料で見れるから・・とおじさんについて土産物売り場を抜けてショーの会場に。
会場に着いたのが37分頃、ちょうど獅子舞のようなショーをやっているところ。45分頃に獅子舞が終わってここで終わりかと思えば次に太鼓のショーがあるそうで・・
席はあらかた埋まっていたものの、横から立ち見で普通に見れてそれほど混んでなくてよかった・・というか今日来た場所では一番観客がいるかな??
おじさんは中央の巨大太鼓を叩くのが女性なのが特に驚いているようで・・。ショー自体は15時5分頃に終了。十分に堪能できました。
当初の予定では、平和祈念堂入口14時25分→玉泉洞駐車場14時42分のバスから、玉泉洞15時27分発のバスに乗り換える予定で待ち時間は45分。
玉泉洞を見学する時間はないにしても、有料のハブ展示館か土産物屋を見ながらカフェとかかな??と考えていたので、ここでエイサーショーが見れたのはラッキー。というかショーは有料エリアだと思っていたので無料で見れるとは思わなかったです。
エイサーショーが終わったところで、おじさんは帰っていきました。こういう時に地元のお菓子とか缶コーヒーでも未開封で持っていればお礼代わりに渡せるのでしょうか想定外だったもので。色々説明してもらえてありがたかったです。バス代400円ぐらい節約出来たというのもありますが😅
それにしても私がバスを待っていて、おじさんが車で通りかかった平和祈念堂入口のバス停の場所、地図で見ると街道から外れ平和祈念公園に用があるか近くの集落に住んでいるのでもなければ通らないような道。
話の感じからおじさんは糸満市民のよう。若く見える人でも数値上の年齢は結構高いというのはあるあるな話。80歳ぐらいで幼少期に沖縄戦を経験していたりするのかな・・と。
土産物屋エリアで沖縄ワールド特産の「丸ごとパインカステラ」を買おうと思い、たくさん並んでいる棚からとろうとしたら張りぼて。近くにいたスタッフが「すみません。いま生産を減らしてるもので・・品物はこちらでと。張りぼてを買おうとする人も実際いるもんで。
会計をしたら840円ぐらいが1割引きにしてくれました。セール中のようですがセールならもっと積極的にアピールすればいいのにと思います。これも沖縄流?それともここがたまたま??
エイサーショーを無料で見れてすっかり気をよくして??鍾乳洞や古民家、ガンガラーも気になるので次の機会にゆっくり回りたいものですね。
なかなか気になるハブ博物公園なるハブの展示館。ハブショーや白ヘビと一緒に記念撮影などがあるようで・・。
さてバス停の場所が定かではないので早めに・・那覇や糸満方面のバス乗場は案内が出ているのですが、次に乗る南城市のコミュニティバス(Nバス)が何処から出るのかわからない。
とりあえず那覇方面のバス停に行くと「Nバス止まります」とステッカーが貼ってあるものの、時刻表を見ると逆方向のよう。
南城市コミュニティバスはgooglemapに結構バス停が出ているのですが、私が探している玉泉洞前の逆方向のバス停が出てない!「あれかな?」「これかな?」という感じで探すと、おきなわワールドのゲートの前を那覇方面のバス停と逆方向に向かう形でようやく発見!
余裕をもっておいてよかった。
ここからの那覇方面のバスは朝の数本のみのよう。
「時間帯が合えば幸いです」まぁ乗客が少ないとはいえ富士急湘南バスよりは努力している形跡がありますね。
さっきのおじさんの話では地元ではバスは殆ど利用されていない風ですが、去年あたり訪日外国人を含めて観光客が沢山いた時はそれなりに乗っていたのかどうか・・。
さて次に乗るのが南城市コミュニティバスNバス「C1 玉城・大里一周線(右回り)」
平和祈念公園から与那原町へのバスルートを調べると、一度那覇市の真玉橋の方まで戻るようなルートが出てくるものの、これだとロスが多い。
糸満市のデマンドバスで糸満市の端までいってそこからタクシーとかも考えたのですが、検索しまくってこの南城市コミュニティバスを発見。このバスで一番与那原町に近い場所で降りれば、鉄道資料館まで徒歩20分ほどで歩けることが判明。しかも玉泉洞からバスルートで9kmぐらいあるものの、値段はたったの300円!!今回の行程の救世主ですね。
運賃は300円均一で短距離超不利ですが、南城市民は1回あたり160円になる回数券が買えるようで・・。南城市は他に1回400円で糸満市のような市内任意の場所を移動できるデマンドバスもあるようで、公共交通が充実している模様。
旅行の時に何処からどこが何市でというのはあまり意識しないですが、コミュニティバスのルートを調べていると位置関係などが分かってきますね。余談ですがNバスと言えば愛知万博ファンには長久手町(市)コミュニティバス「Nバス」のイメージが強いです。
この南城市コミュニティバス、外観は普通ですが意外に南城市のキャラ「なんじぃ」が登場している
降車ボタンも「なんじぃ」
これは大和市コミュニティバスも負けてはいられないですね。もっとヤマトンを登場させないと。
このバスにしても前のバスにしても郊外部の沖縄のバスは結構飛ばすような。前が開いてるとイケイケどんどんでずんずん進みます。渋滞に巻き込まれない限りは乗ってしまえば結構早いようで・・。
バス停の順番とかそろそろかな?というのが分からないので、降り過ごさないように注意してないと・・ですね。最前部のモニターに次とその次のバス停名が表示されるのでちょくちょく見ながら・・。
道路の様子を見ていると那覇とか都市部を外せば、郊外は車も少なくて道さえわかればレンタカーの運転もなんとかなるかな??という印象。
玉泉洞から25分ほどで南城市の端っこ、下車地の嶺井団地入口に到着。乗客は途中の乗降も含めて4~5人といったところでした。
バス車体の「4 NANJO」は路線番号ではなく4号車の意味のよう。
<次回に続く>
2020/11/23 3:13(JST)