Kagemusha Soundtrack: Finale
![](https://www.jidaigeki.com/kikyo/img/mipcom_area.png)
![](https://www.jidaigeki.com/kikyo/img/tiff_area.png)
![](https://www.jidaigeki.com/kikyo/img/main_text_01.png)
2015年、スカパー!と時代劇専門チャンネルがタッグを組んで制作した、仲代達矢主演、杉田成道監督作品「果し合い」は、歴代のオリジナル時代劇の中で、最高の加入者を記録、海外でもニューヨークフェスティバル・ドラマスペシャル部門で金賞を受賞するなど高い評価を獲得しました。
あれから4年――
86歳となった仲代達矢を再び主演に迎え、京都の熟練のスタッフはじめ「果し合い」チームが再結集、杉田成道がメガホンをとる新たな本格時代劇が誕生します。
美しき日本の原風景を描いた藤沢周平。「帰郷」の舞台となるのは信州・木曾福島。山深い里を舞台に物語は展開されます。仲代達矢演じる主人公は老いた渡世人、宇之吉。若かりし頃、訳あって木曾福島を出奔した宇之吉は、流浪の旅を続け、病に倒れた旅の空で見た風景に故郷への思いをはせる。老い先を悟った宇之吉は、木曾福島へ。寄る辺のない故郷。しかし、やがて宇之吉は故郷に守るべき存在を見出します。
すべてを捨てたかに見える宇之吉の静かにそして熱く燃える心の炎。決してヒーロー然としていない老渡世人、宇之吉を主人公にした、藤沢周平ならではの股旅ものの傑作が、世界初の“8K時代劇”として、令和の時代に映像で蘇ります。
- 仲代達矢主演「帰郷」ナビ part1
- 佐藤二朗のカンヌ道中記
去年の暮れに、新作時代劇「帰郷」が公開されるのを知った。私は友人は居ない。だから情報を教えてくれる人は居ない。何時も情報はネットとテレビ。後は本屋で仕入れて居る。日本の時代劇は海外ではいまだに人気がある。特に今回の作品は名優、仲代達矢が主演して居る。彼は自分でも「無名塾」と言う演劇の劇団を作って。シェークスピア劇などや新劇などを主謀して居る。文字通り日本を代表す名優だ。私が仲代達矢と言う俳優を知ったのは。黒澤明の「用心棒」「椿三十郎」や「天国と地獄」。そして「人間の条件」でだ。特に「人間の条件」での仲代は戦時中。軍部と対立する兵隊を演じ。その演技力には舌を巻いた。そして、リアリズム時代劇の名作「切腹」。カンヌで賞を貰った小林正樹監督の作品だ。私はこの「切腹」が仲代達矢,主演映画の中では一番好きだ。今井正監督作、萬屋錦之介主演の「仇討」と共に日本の時代劇の2大名作作品としてDVDで所有して居る程です。
天国と地獄 予告篇
また、勅使河原宏監督の「安部公房」の小説を映画化した。「他人の顔」なども印象深い映画ですね。それから岡本喜八監督の「殺人狂時代」なども愛すべき作品と言えましょう。「大菩薩峠」も忘れられない映画ですね。それから「怪談」何かもありましたね。
予告編 他人の顔 1966 勅使河原宏
Age of Assassins (1967) Trailer
Sword of Doom – Dai-bosatsu tôge (Blu-ray Trailer, deutsch untertitelt)
Kwaidan: As Quatro Faces do Medo (1965)
トークショーから仲代達矢の収録を挙げて置きます.... .
竹中直人~月夜の蟹~ 2015年6月8日 プレミアムトークスペシャル 俳優 仲代達矢 山崎努
Tatsuya Nakadai on Five Japanese Masters
あの仲代達矢が1960年代にマカロニ・ウエスタンに主役級で出演して居た!!
その映画の題名は「野獣暁に死す」だ!!
![仲代達也主演、ダリオ・アルジェント脚本 イタリア製の復讐マカロニ・ウエスタン『野獣暁に死す』は日本愛にあふれている](https://www.banger.jp/wp-content/uploads/2019/06/98b32470e080bff3669f1fdf3853ada2-1440x1009.png)
黒澤明と映画を作ろうとしたイタリアの映画青年
日本から仲代達矢が単身イタリアへ渡って悪役を演じた事で知られる『野獣暁に死す』は、セリフや説明が最小限に削り取られ、大物スターも派手な爆発も下手なギャグもない、まるで無駄なぜい肉をそぎ取った短距離アスリートの様なシンプルこの上ない復讐マカロニ・ウエスタンだ。1968年11月には日本語吹替版で、加山雄三・浅丘ルリ子主演の東宝映画『狙撃』と二本立て公開された。
![](https://www.banger.jp/wp-content/uploads/2019/06/ff2c3671ee2460700100c0f538547306-e1560506242955.png)
『野獣暁に死す』©1968 – Splendid/P.A.C. – Produzioni Atlas Cinematografica – Rewind Film S.r.l. All rights reserved
あらすじはと言えば、「5年の刑を終えたビル・カイオワ(モンゴメリー・フォード)が4人の腕利きガンマンを集めて無法者集団のボス・フェゴー(仲代達矢)を追う。フェゴーはビルの妻を殺したうえ駅馬車強盗の罪を着せた宿敵だった……」以上だ。
原題は「今日は俺、明日はお前だ!」と、復讐を誓う男の決意がみなぎって居るが、邦題は恐らく仲代の出世作でもある傑作ハードボイルド『野獣死すべし』(1959年)から連想したものだろう。が、それだけではない。『野獣暁に死す』は、黒澤明監督の時代劇『用心棒』(1961年)をリメイクした『荒野の用心棒』(1964年)によってイタリア西部劇が世界的にブレイクした事を良く理解して居た、あるイタリア映画人による“日本愛”に溢れた作品でもある。
監督トニーノ・チェルヴィはもともとプロデューサーとして、フェデリコ・フェリーニやルキノ・ヴィスコンティが監督したオムニバス映画『ボッカチオ’70』(1962年)やミケランジェロ・アントニオーニの『赤い砂漠』(1964年)など、芸術性の高い映画を製作していた映画青年だった。1966年には突如来日して、次は黒澤明、フェリーニ、ヴィスコンティによるオムニバスを作ると記者会見まで開いて居る。処が、流石にイタリアでも芸術映画では製作費が集まらなかった様で、取り敢えずオムニバス企画は棚上げにし、当時世界的大ブームだったマカロニ・ウエスタンを自分で作る事にしたらしい。
そこで思いついたのが、仲代達矢の起用だ。仲代は、マカロニ・ウエスタン誕生の切っ掛けとも言える黒澤の『用心棒』で、着流しにマフラー姿で拳銃をぶっ放すニヒルな悪役を演じて居たし、日本でチェルヴィは東宝映画『大菩薩峠』(1966年)のイタリア配給権を獲得して居た。仲代が凄まじいばかりの迫力で斬って斬って斬りまくる、岡本喜八監督の大殺戮時代劇だ。
仲代達矢への多大なる敬意を込めた実名クレジット
![](https://www.banger.jp/wp-content/uploads/2019/06/4ecea0c030030b62b403ba6eb16073ef-e1560505367507.png)
ファーストクラスのエアチケットを渡された仲代は、まだ脚本すらで出来て居ない段階でローマへ飛んだ。高級ホテルに滞在して送り迎えは高級車。日本では考えられない様な厚遇ぶりで、半月間の乗馬と射撃訓練も受けたと言う(本人談)。
その間に監督と共に脚本を書いて居たのは、当時、若手の映画評論家だったダリオ・アルジェントだ。後に『サスペリア』(1977年)でイタリアン・ホラーの巨匠となるアルジェントは、この頃セルジオ・レオーネの『ウエスタン』(1968年)や、『地獄の戦場コマンドス』(1968年)など娯楽作品の脚本を書きまくって居たのだが、『野獣暁に死す』で主人公が仲間を集めていく前半などは、殆んど黒澤の『七人の侍』(1954年)を参考にしたとしか思えない(仲代もチョイ役で『七人の侍』に出演して居た)。
当初はスペイン・ロケの予定もあった様だが、予算不足ですべてイタリア国内で撮影され、クライマックスは荒野ではなく、ローマ北西のマンツィアーナ地区の森の中。仲代はマチェーテ(大きなナタ)を懐から取り出して振り回す。森の中といえば、やはり黒澤明の『羅生門』(1950年)だ。『羅生門』がグランプリ(金獅子賞)を受賞して世界に日本映画と黒澤の実力を知らしめたのは、どこあろう、イタリアのヴェネチア国際映画祭だった。
そしてなにより凄いのが、仲代の名が「Tatsuya Nakadai」とクレジットされて居る事だ(順番的には主要登場人物の最後、日本映画でいえば「トメ」の位置)。何が凄いって? 説明しよう。この作品の主人公ビルを演じる主演俳優はモンゴメリー・フォードだが、彼はそもそも「ブレット・ハルゼイ」の名でハリウッド映画『蝿男の逆襲』(1959年:劇場未公開)などに出演しゴールデン・グローブ賞有望新人賞を受賞していた正真正銘のアメリカ人俳優だ。マカロニ・ウエスタンでは、“アメリカ映画を装う”ためにアメリカ人風の別名がつけられて来た。ジュリアーノ・ジェンマは最初「モンゴメリー・ウッド」だったし、バッド・スペンサーの本名はカルロ・ペデルソーリだし、セルジオ・レオーネですら『荒野の用心棒』ではボブ・ロバートソンだった。
しかし、トニーノ・チェルヴィはアメリカから連れてきたアメリカ人俳優ブレット・ハルゼイに、わざわざ「モンゴメリー・フォード」(ジェンマの芸名とジョン・フォードを組み合わせたようだ)を名乗らせ、その一方で、日本人・仲代達矢を「本名」でクレジットしたのだ。まさに仲代への多大なる敬意が感じられる処遇ではないか。タイトルバック場面で「モンゴメリー・フォード」は冬の荒野を馬で駆けて行く。途中、コートを羽織り、「マフラー」を首に巻く。此処でも『用心棒』の仲代達矢が参考にされて居る。
![](https://www.banger.jp/wp-content/uploads/2019/06/119b5e079db26ffb5ae7a80cddddc21d.png)
仲代は、前半まったく口を聞かず、不気味な強盗団のボスをケレン味たっぷりに演じて見せる。途中から流石にセリフをしゃべるが、現場では日本語で演じ、マカロニ・ウエスタン流にすべて吹替えられたそうだ。パーカッションを利かせた音楽もどこか東洋風だし、最後の決斗で「フォード」と仲代が静かに向かい合う“間”は、『椿三十郎』(1961年)のクライマックスを意識して居るとしか思えない。
日本愛が炸裂! もう一人の日本人キャストが居た
トニーノ・チェルヴィの日本愛は止まらない。実は、『野獣暁に死す』にはもうひとり日本人が参加している。彼の名はヒロシ・ナカエマ。中東でイスラム文化を学んで居たが、ヒッチハイクでヨーロッパへ移り、ローマでアルバイトとして誘われたのが、この作品でのスタントマンの仕事だったと言う(本人談)。スタントマンと言っても、特に吹替が必要な場面もなさそうだし、それよりもインディアンに似た東洋人のルックスが必要とされたのでは無いだろうか。
仲代達矢演じるフェゴー(明確にはされないがメキシコ人と白人の混血らしく、名はジェームズ)が率いる駅馬車強盗集団にはコマンチと呼ばれるインディアンが何人も居る。その中で、最後まで生き残るがバッド・スペンサーに捕まえられてハチの巣のように撃たれる長髪・ヒゲ面の男がヒロシ・ナカエマだと思われる(クレジットもない為確認のしようが無いが、どことなく日本人風に見える)。ナカエマは、翌年にもアンソニー・ステファン主演のマカロニ・ウエスタン『十字架の長い列』(1969年)で最後に殺されるメキシコ人役を熱演(この時の撮影の様子は日本の週刊誌のグラビア記事になった)して居るが、その後はパリで画家として活躍、なぜかボンドガールのオルガ・キュリレンコと仲が良いとの事だったが……その後の消息は不明だ。
トニーノ・チェルヴィは、その後も『火の森』(1970年)はじめ10作ほど監督作を世に出したが、殆んどがエロティックものだった。フェリーニやヴィスコンティ、黒澤明とも映画を作る機会は無い侭に、2003年に世を去った。
TODAY WE KILL TOMORROW WE DIE ORIGINAL TRAILER
野獣暁に死す@仲代達矢
仲代達矢が『野獣暁に死す』撮影のためローマ空港に降り立った時、出迎えたスタッフは「ちょんまげはどうした?」と真面目に聞いたそうです。監督のトニーノ・チェルビはアントニオーニの『赤い砂漠』やフェリーニの『8 1/2』をプロデュースした才人で、仲代の『用心棒』『切腹』が大好き。『大菩薩峠』をイタリアで公開した人物でもあります。そんな彼は、サムライ姿こそが日本人にふさわしい…そう考えてたフシがあります。時代劇での侍のイメージを、イタリア製西部劇で再現しようと企んだ見たいなんですね。結果として、仲代演じる悪役フェゴーは、カウボーイハットを被らずスーツ姿で馬に乗る、メキシコ人との混血児と言う設定になりました。日本刀は青龍刀に似たメキシコのマチェーテに代わりましたが、着物も着ずちょんまげも結いません。仲代達矢はイタリア人の抱く表層的な日本人のイメージを拒絶し、守るべき部分を守った訳です。だから、今観ても彼のキャラクターは鑑賞に耐えます。大振りの刃物をジャケットに隠し持つのは物騒ですが、それをバカバカしく思わず、真剣にマチェーテを構える仲代の姿は格好良い。如何にもマカロニ顔した主人公モンゴメリー・フォードを完全に食ってました。
そのモンゴメリー・フォードですが、実はカリフォルニア出身のれっきとしたアメリカ人です。そして、彼が雇うジェフ・ミルトンに扮するのも、50年代のTVシリーズ『コルト45』で主役を務めたアメリカ人俳優、ウェイド・プレストンでした。
此処では、彼の愛用するソウド・オフ・ライフルに焦点を当てて見たいと思います。
遠距離射撃に用いられるウインチェスターを、携帯に便利な様に銃身・銃床を切り詰め、近接戦用にカスタムした物を“メアズ・レッグ(MARE'S LEG:牝馬の足)”と呼びます。発砲時の衝撃の凄まじさを蹴り上げる足に例えたのですが、スティーヴ・マックィーン主演のTVシリーズ、『拳銃無宿』の主人公ジョッシュ・ランダルが愛用して居た為、別名“ランダル銃”とも呼ばれます。拳銃でも無いのに何故『拳銃無宿』か…と言った疑問は置いといて、若き日のマックィーンのイメージ作りにこの銃が一役買ったのは確かで、未だ“ランダル銃”の呼称が日本では定着して居ます。その「メアズ・レッグ=ジョッシュ・ランダルの愛用銃」と言うイメージがアメリカでも浸透して居たのか、ハリウッド製西部劇にメアズ・レッグが登場する事は殆どありません。私の記憶する限り、『マーベリックの黄金』でレオナード・ニモイが使って居たのが唯一の例だったと思います。
ところが、マカロニ・ウエスタンに於いては数々のメアズ・レッグのバリエーションが活躍します。見た目で目立つこの銃を、派手好きなイタリア人が放っておく訳がありません。幾つか列挙して見ましょう。『ウエスタン』では、黒人ガンマンの腰に切り詰められたM1892が収められてました。ラージ・ループ・レバーには連射用の鉄片が溶接され、プロの使う道具を想起させます。『ミネソタ無頼』では敵方の一人が所持、レバーを起こした音でミネソタ・クレイに気付かれ、撃たれて仕舞います。『ミスター・ノーボディ』にはM1873ベースのメアズ・レッグが登場。“ワイルド・バンチ”の首領であるジェフリー・ルイスが下げてますが、発砲シーンはありません。『西部悪人伝』でもサバタが銃身のみを切り落としたM1866を使いました。遠距離の敵を狙撃する際は、エクステンション・バレルを装着します。
そして、本作の『野獣暁に死す』。ジェフ・ミルトンが物置から取り出したのが、M1892改造のメアズ・レッグです。収めるガンリグは通常のS.A.A.用の物に似た、大きめのホルスター。最初の銃撃戦の際、敵が盾に使ったサルーンのテーブルごと撃ち抜き、威力を見せつけます。その速射能力に、昔観た時は何と迫力のあるシーンか! と驚愕したものですが、改めて見るとフィルムを早回ししてますね。
さて、こうやって事例を眺めてみると、興味深い事実が浮かび上がって来ますよ。本作のウェイド・プレストン、ウッディ・ストロード、ジェフリー・ルイス、リー・ヴァン・クリーフ…。メアズ・レッグを扱う役者はアメリカ人が多いのです。銃身を切り詰めたウインチェスターを持つガンマンは、アメリカ人こそが相応しい…イタリア人はそう考えたのでしょうか? “トラッパーズ・カービン”なる短銃身のウインチェスターをトレード・マークにしているジョン・ウェインの例もあります。特に、西部劇のTVシリーズで主役を務めたウェイド・プレストンには、『拳銃無宿』のマックィーンのイメージを重ねたのかも知れません。
さらには、もう一つの謎が…。レオナード・ニモイがメアズ・レッグを発砲する『マーベリックの黄金』は、スペインのアルメリア・ロケなのですよ。そして、『ミスター・ノーボディ』でジェフリー・ルイスが出てくるシーンはアメリカ・ロケなのです。彼がメアズ・レッグを発砲するシーンは何故無いのか? 此処に謎を解く鍵があります。「自由の国」であり、「銃の国」のイメージが強いアメリカ。しかし、銃器の規制に関しては結構厳しかったのです。例え映画の小道具と言えども、ライフルの銃身を切り詰めるのは違法行為であり、スクリーンに登場させる為には当局との交渉に可也の努力と忍耐を要する事になります。『拳銃無宿』にメアズ・レイグを登場させる為、プロデューサーは法外な税金と、粘り強い交渉が必要だった…と聞いて居ます。意外な話ですね。だから、メアズ・レッグは滅多にハリウッド製西部劇には出て来ません。逆に、イタリアやスペインでは、映画に使う銃の改造・加工はおおらかに認められて居るので、マカロニではソウド・オフ・ウインチェスターが活躍出来たのです。映画のレイティングもそうですが、アメリカ人も守るべき部分は守るんですね。それに引き換え、ラテン人種と来たら…。(笑)
ー最新ミニコンポ紹介ー
今回取り上げるのは、ビクターのミニコンポ「EX-HR99」(実売13万円前後)。最近のビクターブランドは、オルゴールや音場特性カスタムサービスの「WiZMUSIC」の提供をして来た。昨年発売されたイヤフォン「HA-FW10000」、ヘッドフォンの「HA-WM90-B」もある。EX-HR99は、新たに復活したビクターブランドとしては初のミニコンポスタイルのオーディオシステムだ。ウッドコーンオーディオ発売15周年記念モデルとしては、下位モデルのEX-HR55(実売85,000円前後)もある。
ウッドコーンとは、今やJVCのオーディオ製品でも数多く採用されて居るが、木材を振動板の素材として使うもの。ウッドコーンスピーカーを組み合わせたミニコンポ、ヘッドフォンやイヤフォンも登場して居る。
木材はさまざまな楽器の素材として使われるが、この理由は響きの良さと言えるだろう。現代のスピーカーでもエンクロージャーに木が使われる事は多い。ウッドコーンはそれを推し進めて、スピーカーユニットの振動板までも木材としてしまった訳だ。実際、木材は振動板の素材としては理想的な特性を持っており、速い伝播速度と適度な内部損失を兼ね備えて居る。ウッドコーンの素材となる樺材はさまざまな木材の中でもより優れた特性を持って居ると言う。
良い事づくめの様だが、では何故ウッドコーンのスピーカーがもっと大量に存在しないのか? それは成型が難しい為だ。木は変形しやすく割れやすい。これを振動板に加工するのが至難の業だった。それを可能にしたアイデアが「日本酒を含浸させて柔軟性を引き出す」と言うもの。発想から20年以上を経て、要約、実用化出来たのだ。
世界初のウッドコーンスピーカーを採用したミニコンポ「EX-A1」が2003年に誕生。その後も振動板の大口径化、ハイレゾ音源への対応など、着々と進化・熟成を進め、ビクターブランドの「EX-HR99」、「EX-HR55」へと結実した。
9cmウッドコーンを採用したフルレンジ構成の、コンパクトなミニコンポ
まずは製品を見てみよう。外観は、チェリーの無垢材を使ったエンクロージャーを持つスピーカーと、サイドウッドを備えたCDレシーバー部の本体で構成される。コンパクトなミニコンポのスタイルは、此処、最近のウッドコーンを採用したミニコンポとほぼ同じ構成だ。目を引くのは、CDレシーバー部の天板に蓄音機を聴く犬のマークが備わって居る処。正面パネルのブランドロゴも「ビクター」だ。
光学ドライブはCD専用で、ワイドFM対応のFMチューナーを内蔵。アナログ入力×2、アナログ出力×1、サブウーファー出力×1を備えるほか、デジタル入力も2系統(光×1、同軸×1)備える。これに加えて、前面にUSB端子を搭載。USBメモリーに保存したハイレゾ音源などの再生が可能。ハイレゾ音源はリニアPCMで最大192kHz、MP3やAACは最大48kHzに対応する。USB接続メモリー再生だけでなく、CDやラジオ、外部入力の音声をMP3(128kbps/192kbps)で録音も可能だ。さらに、Bluetoothも内蔵し、スマホなどの音楽をワイヤレスで再生することも可能。コーデックはSBC、AAC、aptXに対応して居る。
アンプは独自の高音質デジタルアンプ「DEUS」を採用。デジタルのフィードバックとアナログのフィードバックを使用する事により、広帯域特性を実現。SN比や歪み率、高域の再生特性を改善したと言う。背面などのネジに銅メッキネジを使うなど、CDレシーバー部も中々拘った作りになって居る事がわ解る。
底面を見るとちょっと驚く。無垢の真鍮削り出しのインシュレーターが3点支持となって居るのも珍しいし、底面の大部分を9mm厚のアークベースで補強して居る。手前側のネジは真鍮ニッケルメッキのワッシャーと銅メッキネジの組み合わせ。隣のネジは銅ワッシャーに銅メッキネジだ。アンプなどを内蔵するCDレシーバー部はシャーシの剛性が重要になるが、単に剛性を高めるだけで無く、さまざまな素材を吟味して振動のコントロールを行なっている事が解る。インシュレーターに組み合わされたゴム系のクッションが、フロント側の片方だけ形状が違うのも、音質を検討した結果だと思われる。
ウッドコーンのユニットは、チェリー材の薄型シートを十字に装着した異方性振動板を採用。振動を制御する為の内部の作り込みが凄まじい。まずドライバーユニットには、音質チューニングの為のアルミニウムショートリングや銅キャップを使って居るが、銅キャップには木片の吸音材を装着して居る。ドライバーユニット自体にも、後部にメイプル材のウッドブロックを装着して、振動の吸収と低音再生能力の向上を狙っている。装着位置は1mm単位で調整して居る様だ。
今回はこれで終わりです。何時もより短いですが体調が優れないので。このぐらいにして置きます。皆さん良かったらコメントを書いて下さいね。何でも良いですからね。此処の文は面白いだとか面白く無いだとか。何でも書き込んで下さいね。まあ、明らかに私を冒涜するコメントやら嫌がらせは削除しますが。それ以外なら、何でも書き込んで下さいね。宜しくお願い致します。では、疲れたので横になります......。それでは。おやすみなさい.....。