「たかが珈琲」と言ってくれ。

さっきいつもたのしみに見てるNHK「プロフェッショナル」を見ました。

この番組はプロ、つまり１人のプロフェッショナルにスポットを当ててその生き様を追っていくという番組なんですが、毎回「なるほど！」って思うことがあり、とても興味深い番組です。

・・・で、今回は「漫画編集者」の長○△志氏。
僕は最近漫画をあまり見ないので、長○氏のことは全然知りませんでしたし「へぇ～、漫画にも編集者っているんだな～」なんて思いながら見てました。

その名の通り、彼は『絵を描くこと以外は全てやるプロデューサー』で漫画のストーリー、セリフの段落落ち、表情、の１つ１つで作家と対峙しながら進めていく・・・文字通りプロフェッショナルです。・・・・・と言われてる人みたいです。

と言うのも、見ていくうちに（なんか違うな～？）って思い始めました。
そのうち後半に入った頃、彼の言葉に唖然としました。


「たかが漫画なんて言わせない。」


そして、挙げ句の果ては、


「漫画雑誌は、たかがコーヒー１杯くらいの値段ですが、たかが漫画とは言わせません。」　


みたいな趣旨のコメントが出てきました。

はっきり言いますけど、僕から見たら　「たかが漫画です！」　


でも、その”たかが漫画”に感動した読者達がその作品を創造した人に魅力を感じ、クリエイターもその仕事に人生を賭けてのめり込む・・・・その姿や人生観、もちろん作品に人は共鳴して、「プロフェッショナル」と呼ぶんじゃないでしょうか！。


漫画雑誌が娯楽であるように、珈琲だって嗜好品です。飲まない人から見れば、「たかが珈琲！」なんです。当たり前です。


僕の好きな大先輩の方の文章の中に、

私は、不特定多数の為に珈琲を焙煎してるんじゃありません。まず持ってそんなことは出来ません。一生懸命勉強して、「お前の珈琲はおいしい」と言って戴く『特定多数』のお客様の為に、心を込めて毎日焙煎しています。　


という言葉があります。これは今でも僕の「座右の銘」なんですが・・。


そんなプロフェッショナルは、もちろん人生を賭けてやってる訳ですから、”たかが”なんて思ってもいないんですが、「言わせない」なんて言いだしたら、ちょっと違うような気がします。・・・・たかが漫画、たかが珈琲なんです。


・・・そしてされど漫画、されど珈琲・・・・・これは本当のプロフェッショナルが”心の中でこっそり、そして確かに”持っているプロの証しかも知れません。





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