北関東の宮彫・寺社彫刻(東照宮から派生した宮彫師集団の活躍)

『日光東照宮のスピリッツ』を受けついだ宮彫師たち

白沢甲部(宇都宮市)の屋台

2019年07月29日 | 各論 礒辺流
先に紹介した東下ヶ橋地区と同じ旧河内町(現 宇都宮市)の屋台です。宇都宮から奥州街道を北へ進んだ白沢宿の甲部地区になります。
屋台は、天保四年に製作(製作者不明)、明治三年(1870)に修復・彩色がされ、彫工として礒辺義兵衛敬信が関わっています。
口伝では、他所(鹿沼)から屋台を購入した話があるとのことでした。

屋台の前面


前面上部(鬼板、懸魚)




前面 拡大(ブドウにリス)


前面(鴛鴦)


前方右の柱(龍)


同拡大。柱と龍が一体のものであることがわかります。


前方左の柱


側面


5年に一度、11月のはじめに白沢宿を巡行します。(前回は平成30年)
屋台が巡行できる街道筋の地区は屋台、奥にそれた農村地区は天棚になっています。
旧河内町では、屋台6台、天棚13台(一部部材のみ)があります。

*参考文献:住吉晴『河内町の屋台と天棚』、平成19年
 (河内町は合併して宇都宮市になっています。)

白沢宿(『下野国全図』の一部)
宇都宮から右上に赤線(奥州街道)が伸びて白沢があります。その上の西芦沼は間違いで東下橋になります。
白沢の鬼怒川の対岸には阿久津(さくら市)、さらには氏宿(氏家)に続きます。

宇都宮から左上には、野沢、徳二郎(徳次郎)、石那田と日光街道が続きます。

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