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世田谷一家4人殺害事件の各種報道記事ファイル

一家殺害の話題本、「事実と違う」と捜査幹部

2007-01-25 | 世田谷-2006年報道
[2006年07月20日10時03分 産経新聞]

 平成12年に東京都世田谷区の会社員、宮沢みきおさん=当時(44)=一家4人が殺害された事件を題材にした「世田谷一家殺人事件-侵入者たちの告白」(草思社刊、齊藤寅著)について、警視庁の光眞(みつざね)章捜査1課長は19日、殺害方法など10項目を挙げ、「事実と異なる記述が多い」と述べた。捜査幹部が事件を扱った出版物の真偽について公式に言及するのは異例だ。

 同書は多国籍の「クリミナル・グループ」による犯行とする話題のノンフィクションで、発売2週間で25万部が売り出されたベストセラー。

 光眞課長は「内容は全般にわたり根本的に事実と異なっており、誤解を生じさせる恐れが高い。今後の捜査に悪影響を及ぼすことが懸念される」とコメント。その上で、これまでの捜査結果と異なる点として、(1)侵入方法(2)殺害方法(3)被害者の致命傷(4)犯人の治療行為(5)パソコンの操作(6)遺留指紋(7)遺留品(8)逃走方法(9)被害者の当日の行動(10)被害者の親族-の10項目をあげた。

 具体的には、侵入方法として「手製のガラス切りを使って、風呂場窓の鍵(クレッセント錠)の部分を手首が入るくらいに切り取ってしまう」との記述があるが、実際には窓は割られていなかった。また、「母親の胸にアーミーナイフを叩きつけた」とあるが、泰子さん=当時(41)=の傷は顔に集中し、胸を刺された形跡はなかった。宮沢さんの「指が切れ落ちた」との記述についても指の欠損はなかったといい、「侵入から逃走に至る経緯で事実が異なっている」としている。

 草思社と齊藤寅さんは連名で「本書は筆者が取材の過程で知り得た情報をありのままにまとめたものであり、あくまで事件解決の一助となることを願って出版したものです。捜査を妨げる意図はまったくありません」とのコメントを出した。

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