ヤギとの約束

仔ヤギが産まれて早や5日。
紙でくるりと包んだくらい
生まれた時より大きくなりました。

小屋には、私しか入らないようにしていました。
子供には、出産したことを話さずにいました。
夫は、子供のいない時に
「どお？」と聞きます。

今日、初めて子供に発表。
娘ふたりは、大騒ぎせずに
抱っこしました。
そして、7歳の姉は
「もうやめとくね。また、びっくりすると
いけないから。明日の朝、早起きして
そっと、見に行ってもいい？」

何度も、ヤギの死を経験し
その度に泣き、お墓を作り
そして、日常へ戻ってゆく。

そんなことを繰り返し
生にも、死にも
揺らぐ振幅の幅が
大振りしなくなってきています。

だからと言って
嬉しくないわけではないことは
十分わかります。

ヤギから離れてから
4歳の妹と大きな声で話し合っています。
「名前、なんにする？」
「かわいかったねえ～」

そっと見守ることの大切さ。
気持ちをためて場を選んでから
感情を出すという心の待ち時間。

先月、亡くなった仔ヤギの冷たくなった
体をさすりながら
ごめんね。ごめんね。と謝っていた私を
何も言わずに見ていたふたり。

こんどこそ、ちゃんと見守るから。
その仔にそう、約束したのです。

まだ、安心はできない。
手放しに喜ばないのは
落胆したくないから。

でも、今日も1日命は続いている。
良かった。ありがとう。
そう感謝しながらの
毎日、毎日が積み重なって
そして、年月が過ぎていくのでしょう。