きの書評

備忘録~いつか読んだ本(読書メーターに書ききれなかったもの)~

山怪について気になった表現

2022-01-15 12:48:17 | 書評

 現代の遠野物語と言われる「山怪」は、題名にもあるように山の話だから、

住宅街とは違った感覚なのかもしれない。

 

 

待っている:

 山では熟練マタギもよく遭難するが、それを見つけに行くと、命があってもなくても彼はどこかで「待っている」という表現になっている。どちらかというと「行ってしまった」という心境ならわかる気もするが。

 片仮名でリングワンデリングと書いてあるが、Ring-Wanderingだろうか。輪を描いて、うろうろするみたいな。

 

 

全部キツネのせい:

 説明のつかないことがあると全部キツネのせいにして全員が納得しているけど、そもそもそんなにキツネっているの?シッポにリンが含まれていそう。あと人間が嗅いだら幻覚を見るようなフェロモンとか。タヌキは音が得意みたいだけど、キツネはそうでもない。火の玉には自分はあまり興味がないということがわかった。

 

 

右と左がわからない:

 私事で恐縮だが、小さい頃は体が弱かったので遠足で訪れた名栗川で級友に続いて歩いて下っていたら自分が頭の上の方に離れていく気分がしたが、どう考えても暑さで貧血を起こしていただけだと思う。

 

 あの、足でダシダシ山道を踏みつけて下る動作が脳に良くないのではないか。揺さぶられ症候群ってやつに近い気がする。他人に振り回されやすい性格の話ではなくて、乳幼児の脳の状態の話。

 

右と左がわからなくなる話はそれと関係ないのかな。

 

 

カーナビの幽導:

 これは録音しておいてほしい。どうせ誤作動なのだろうけども、どこに連れて行こうとしているのか知りたい。これは、車に乗ってそんなに脳が揺れないから、さっきの仮説は通用しない。とすると、急に高度が上がり下がりするから?気圧の問題?

 

 

迷い家:

白い山に行って気分が良かった話は幻想的で良い。

 

 

オジロヨンパク:

 怪異とは関係なく、猫の模様の呼び名。四つ足の先が白いタビ柄なんだろうな。シロサキくんでもいいんじゃないかな。かわいい。その流れでいくとスダレサンシチとか、マダラオレンジとか。クロやタマより江戸職人みたいでカッコイイ。

 

 

無人:

 誰も見ていないから怪異が完成するんであって、そこら中の風景を録画できたら、どうなんだろう。

 

 あと、山と平地の何が違うのか。人がいない以外に標高が「高い」という要素が挙げられるが、これがもし文明と言ったらマチュピチュの遺跡みたいに人は高地に家を作るものと決まっていたら、きっと谷こそが怪異の元になるのでは。結局これも人がいないからという結末に収束する。

 

 本当に高さは関係ないのかな。空気が薄い?景色が雄大なのでそんなに歩いてないと思いながらつい長距離を歩いて疲れてしまう?磁場がある?そんなら平地にもあるだろうに。

 

 あと、どうせ自分の内面が投影されただけとかの説明の方がすっきりするのだろうから、できれば大勢で見てもらいたいところだが、それだと今度は集団幻覚ということになり、つまらない。

 

 じゃあその集団幻覚のものが映像にも映っていたとしたらどうなるんだろう。実物がゴジラのように本当に目の前に出てきたとしたら、いつ人は「これは居ます」と認めるのだろう。

 

 

日本オオカミとツチノコ:

 元気に飛び跳ねているという消息が聞けて嬉しい。これらはなぜ幻覚だと思われにくいのだろう。ツチノコがびったんびったんする理由は消化を助けているのではないかと思ったが、そんなんだったら本人も痛いし、食べた直後は動きたくないのが蛇の本性だろう。自分もそうだ。

 

 数年前実家の住宅街にシカが出た。エサが少なかったのか増えたのか、とにかく珍しいことであるらしい。薮の脇を通りかかると物音に驚いて(シカ)「ズザザザ」斜面をずり落ち田んぼではからずも通行人に全身を披露。笑ってやったら慌てて逃げて行った。こいつは野生なのに随分マヌケなんじゃないのか。初めて見たが、猫と違ってしなやかな動きでもない。固そうな生き物だ。絵本の挿絵にあるようなバンビの模様がうっすら残り、どうやら人間で言ったら大人になり切れていない10代の若者といったところらしい。

 

 塀を修理していると近所のおばさま方が話をしておられた。(オバ)「ヒソヒソ。ねぇ本当に出たの?」(きの)「あぁそこに立ってた。」(オバ)「えぇ!?」もはや怪談。これで誰も鹿という生物を知らなければどうなるのだろう。角の生えた化け物が斜面を滑り降りてきて、こっちをじっと見る。確かにコワイな。

 

 数日後に誰かが通報したらしく警察が見回りに来たから(きの)「かわいそうだ。自然に返してやって」少しでも撃ってみろ騒いでやるぞと言わんばかりに動物愛護を強調。数か月したら見なくなったが、帰っていったのか。

 

 

あ~あ~どこかに怪異いないかな~

 

科学的検証をすると言いつつ、結局怪異を待っている。

きのたん - 読書メーター (bookmeter.com)



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