Hitch your wagon to a star. という言葉は、有名な詩?の引用らしい。
おまえのワゴンを星につなげ、という意味だろうけど、
実に素晴らしい。
娘に届いた甲南大学の入試案内の裏表紙の中央にババーンと載ってた。
本来、馬につなぐはずの荷馬車の金具を、天高く光る遠い星に引っかけて、そっちに向かって躍進しろということだな。
カタカナでワゴンというと、新幹線の弁当売りのゴロゴロカートのイメージがするが、
この人は、たぶんアメリカ人だろうから、西部開拓時代の、全財産が入って移動していた人生そのものといった感じの幌馬車だろう、きっと。
他の詩も読めるかもしれないと思って、近所の図書館の書庫3層から呼び寄せてきて読もうとしたら、ものすごい難しそうで、
語尾が全部「〇〇なり。」となっていて、〇〇曰くとか、詩の内容がどうのというより、漢文書き下し文みたいで、日本語自体が読めなかった。
見たら、明治44年初版て。表紙も「集文論 ンソーマエ」だし。
しかも、どうしたことか、中身がほぼ全編にわたって傍点 ′ ′ ′ ′ がついてて、
1項がびっしり黒い。
ついでに黒丸と白丸もついて賑やか。
あれって重要なとこにつけるのではなかったか?
全部重要ということか。結局、いろんな意味で読めなかった。
昔から、いまいち詩というものがわからなくて、金子みすずや中原中也記念館なども行ったが、何一つ理解できたとは思えない。
共感するとか、感動するとかしないと、ただ書いてある内容がわかったとしても、
それは標識を理解したような状態であって、真に詩を楽しんだことにはならないんだろうなと思うから、
今回のこの詩は、一瞬でわかって、おお!スゴイ!と思ったということは、
よっぽど言いたいことの背景なども含めて全部理解した上で、心に直接届いたんだろう。
よかった、よかった。
そういえば、素晴らしいことは、素晴らしいのだが、
何でいわば関係のない赤の他人が言ったことを、パンフレットの裏に堂々と書くんだろう。
確かにエマーソンはそう言ってるかもしれないが、ではお前はどう「言う」のだ?と聞かれたら、当の甲南大学は、何と答えるのか。
偉い人の引用を自身の結論の補強に使ってはいけないというのは、
オリジナリティーにこだわるアメリカ人だけなのかな。
しかし、そこに書いてあったから、自分は今回幸運にもその詩に巡り合って、感動できたのだけれども。