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鋼馬章伝1【ボナベナの騎士】

2012年09月22日 | 安彦さん関連
『鋼馬章伝1ボナベナの騎士』
安彦良和著。

以前から読書再トライしようしようと思っていた安彦良和さんの小説です。
え?なぜ再トライ、なのかって?
はい…。
実は、こちらの小説、私は一度読むのを挫折しているのです;;;

初版は1988年6月。角川書店から。
確か、発刊されて間もないくらいの時期に購入したと記憶しています。
書店で平積みされていたのを見かけ、それを手に取り、購入しました。
結局、何巻まで購入して、何巻まで読み進めたのか?
とんと記憶が定かではありません;
「挫折した」ということしかよく覚えていないくらいです。
若さゆえの…でしょうか。何にしても、トホホな想い出です(^o^;)

今回私が再トライしたのは文庫版。
文庫版の初版は2002年10月31日。徳間デュアル文庫から。
今から10年前の秋の刊行ですね。
こちらがその表紙絵。

角川版の表紙絵のものはもう持っていないのですが、画はこちらに収録されています。

『安彦良和全仕事集』


黒光りしてしまって、うまく撮れていませんが;

スークの雰囲気が違いますね。表情が険しいです。
そして角川版のスークのほうが若い!という印象。

(見づらい画像でゴメンナサイ;;)


こちらが徳間文庫版のスーク。
ね?


大人っぽいというか、堂々としてるというか、落ちついた雰囲気のスーク。
どちらもカッコイイということに変わりはありませんが^^
ちなみにスークの年齢設定は17歳です。


☆☆☆


さて、その『鋼馬章伝』
「安彦さんの書く小説は、難解で読みづらく、入って行きにくい」
そんな印象がばっちり根づいてしまったという、ある意味記念すべき小説であります←
そんなこんなで、当時苦い挫折を味わってからというもの、しばらくの間安彦さんの小説には手を出さずにいたのですが…。

月日は流れ、私自身も歳を重ね、ヘンな先入観からも解き放たれた頃、再び安彦小説を手に取り、読むこととなりました。

以前のブログ記事に他の小説の読後の感想などをupしてありますので、ご参考までに^^

勝手にヤスヒコ祭り!
『シアトル喧嘩エレジー』 → コチラ

勝手にヤスヒコ祭り!
『蒼い人の伝説(サーガ) ―ルウは風の中で― 』 → コチラ


☆☆☆


こちらの小説のメインタイトルである『鋼馬章伝』は、→ 『ドル―しょうでん』
と、読みます。
覚えてくださいね^^

購入はアマゾン及び古本ショップにて。古本価格で購入しましたv
全5巻全て一気に揃えることができ、満足です(^-^*)♪
しかしながら、全5巻=5冊
読破するためにはこれらをすべて読み切らねばなりませんっ。
あたりまえですが;

『シアトル喧嘩エレジー』と『蒼い人の伝説』は全1巻。
1冊読めば完結ですから、気持ち的にも楽ちんです^^

そして『聖王子ククルカン』は全2巻。
これも、上巻下巻の2冊でお仕舞い。

さらに『テングリ大戦』全4巻。
こちらは、内容に戦の要素もたっぷり盛り込まれてて、所々難しい箇所があり、読み終えるのが大変でしたが;どうにか読破しましたv

そして、しんがりが今回の『鋼馬章伝』です。
読む前から、わああ大丈夫かしら(^▽^;)…と、やや尻込みしつつも、でも!これを読み切ることができれば「現時点までに刊行されている安彦小説全て読破」ということもあり、がんばることにしました。

※結局のところ、私の安彦小説購読履歴は…
読了順に並べると『蒼い人』『シアトル』『ククルカン』『テングリ』という事になります。

さて、まずは第1巻『ボナベナの騎士』です。
読み始めたのは7月末。
以下は、読後の感想です。
Twitterでつぶやいたものをtwilogから拾ってペタリしています。


☆☆☆


7/29(日)
【鋼馬章伝1ボナベナの騎士】ようやく読み始め。過去に挫折したけど;途中までは読んであるから、一応、再読。今日は其の一まで。
posted at 22:45:47

順番でいうと『鋼馬章伝』は『蒼い人の伝説』の次。私、てっきり安彦さんの5番目の小説かと思ってたけど勘違い;3番目だった。長さは…『シアトル喧嘩エレジー』全1巻。『蒼い人の…』全1巻。そして『鋼馬章伝』全5巻。初の長編小説だったんですね。2002年10月31日初版。
posted at 22:55:33
※注・「順番」というのは刊行された順番です

7/30(月)
読書中【鋼馬章伝1ボナベナの騎士】現在、其の三。ドラマティックな展開エピソードが一段落し、物語の背景が本格的に語られるとこまで進んだかな。と、ここでちょっと一息&ペースダウン。よーく噛んでから飲み込まないと、未消化になってしまうので、ここは焦らずじっくりといきます。
posted at 08:15:16

【鋼馬章伝1ボナベナの騎士】棚ぼた的な、もしくは、漁夫の利的な。しかし、そうそううまく事は運ばないもので…。主人公スーク。ヴァロ命!若々しくて真っ直ぐでイケメン系安彦キャラ♪そして健全な男子。振り返らずに進むも、このままやましい気持ちを引きずったままなのか。
posted at 10:50:44

【鋼馬章伝1ボナベナの騎士】表紙絵はスークとヴァロ。バックはエルロラ(腹筋がすごい!)しかしスークの凛々しい姿よりも、どうしてもバックのエルロラの太ももに目が行ってしまう;彼女、戦う系の騎士ですよね!?いいんでしょうか、こんなにもハイレグで;しかもこの食い込み(///;)
posted at 10:52:19

【鋼馬章伝1ボナベナの騎士】ベーメとの出会い(再会かな?)とにかくよい巡り合わせ(^-^)ホッとしました。ヴァロのメンテも万全にスーク、仲間を得て帝国首都を目指す。『鋼馬…』の世界背景は、およそ理解しました。スピード調整しながら進みます。1/3ほど読めましたv
posted at 22:08:17

7/31(火)
【鋼馬章伝1ボナベナの騎士】スークの経験値がじわじわとアップしていきます。いいぞスーク!忍耐強く我慢強く芯が強い。負けず嫌い。そしてヴァロ命ね♪行程が進む度にページを戻って概図(マップ)で現在地を確認。安彦小説にはマップは不可欠。それだけ主人公の行動範囲が広く、世界も壮大。
posted at 12:27:55

読了☆【鋼馬章伝1ボナベナの騎士】一気だったあぁー!動管を開けてエナー全開、一気に駆け抜けてしまった。スーク、色んな道筋を辿ったけど、後には戻れない。もっと先へ。もっと勁(つよ)く。『ボナベナの騎士』とても読みやすかったです^^ 読後の余韻が心地いい。
posted at 16:07:16


☆☆☆

※7月下旬に読み終えているのに、9月に感想upなの?…というキビしいツッコミは無しでお願いします。長い夏休みをいただいておりました^^;


難しくって、物語に入っていきにくい先入観があり、ずーっと二の足踏んでいた安彦小説でありましたが、読み始めてみると、あらら…まさかのノンストップ。止まりませんでした。
読書時間がまとまって確保できたという事もあり、中盤以降はぐいぐいと勢いに任せて一気に読み上げてしまいました。
流れるように読み進めることかでき、内容もすとんすとんと落ちていく。
そして読後の余韻が心地良い。
ドラマの盛り込み具合も程よい感じでした。
多すぎず、少なすぎず、よって膨満感も物足りなさも感じず。
未消化も、さほど感じられず。
素直な感想は、面白かった! なんで、私、挫折しちゃったんだろう?

まずはいきなり物語に飛び込む形の冒頭。
これで私は一気に物語の中に入ることができました。
こののっけは『シアトル』『蒼い人』『ククルカン』も同様です。
安彦小説のお約束と言ってもいいでしょうか。
※ただし『テングリ』は、神話の説明から入ったので、いきなり迷路な状態に;

主人公スークは、やはり、やっぱり安彦作品らしい主人公。そうでなくちゃ!
真っすぐで忍耐強く、負けず嫌い。
若々しくエネルギッシュであり、慎み深くもあり。
状況に巻き込まれていく、翻弄されるというよりも、自ら突き進み、道を切り拓いていくタイプの主人公スーク。好感の持てる青年です^^
愛馬ヴァロと共に!というあたりが、彼と、この物語の要でしょうか。
ヴァロとの再会と、競りに躍起になるシーンは、わたし的に好き♪
後味の悪い買い物だったけど、かけがえのない友を得ることができてこちらも嬉しくなりました。
そんな「ヴァロ命」のスーク、相思相愛の彼女よりもヴァロを選ぶ場面もあり…。
でも、これは身がよじれるほどの切ない展開;;

不思議な仕組みで、まるで生き物のように動く鉄のお馬さん、鋼馬。
物語中でも「謎多き」存在。
そもそも馬や牛が、この物語の世界では仮定上の生き物というところにも驚きました。
架空の生きもの。存在しない生物。なので馬、牛さらには鋼馬の出自は「謎に包まれている」と。
このあたりは、物語が進んでいくうちに明らかになっていくのかも。
さらに、その動力も謎。
鋼馬の動力=『動泉の壺』→『ヴリル・ヤ』と読みます。これも覚えましょう
そして『ヴリル』とよばれる力(エナー)これも謎。
…謎だらけです;

鋼馬ばかりではなく、安彦ワールドでは得体のしれない謎の生きものも普通に生息しています。
そして安彦作品ならではの名称(ネーミング)がテンコ盛り!毎回覚えるのが大~変;
地名もそう。とことん安彦ワールドです。
小説の始めのほうにあるマップは、スークが移動するたびごとにチェックです。なんといっても世界観が広大ですから。
陽の年、陰の年の設定や、騎士(ドルーク)の成り立ちも、興味深し。

安彦作品ならではの緻密な設定と、イキイキした描写。難しい漢字。安彦節炸裂。全てがお約束です^^
戦いのシーンの描写は息詰まるような迫力で、心なしか酔いました。
動きのある場面もそうですが、物語の流れや『間』、台詞、そして場面の切り替わりなど、らしさが満載で、そんなところも楽しめました。

とにもかくにも、『ボナベナの騎士』読了です(*^^)vヤッタネ♪
この調子で2巻、3巻と、順調に読み進めたいものです。が;
なにせ全部で5巻;ううう…。
いえいえ、それでもじっくり丹念にいきたいと思いますよっ。
今回第1巻がキチンと読めたのは、私が安彦小説の作風の慣れてきたからかもしれませんし、相性がいいのかも(^-^*)
なので、必ずや!


☆☆☆


以下は追記です。

こちらの感想記事upにあたり、『ボナベナの騎士』を再読しました。
そのあたりのツイートをペタリします。

9/22(土)
『鋼馬章伝』1を再読中。ブログへ感想をあげたのだけど、せっかく途中まで読んだんだもの、勿体なくてやめられない(笑)最後まで読む!読み返してたらグルームの設定と解説があまりにも綿密で、ほおぉ…なってしまった。その存在は、ある意味、神秘的。中表紙にも画あり^^
posted at 17:26:06

ちなみに再読は感想まとめのために、です(笑)『鋼馬章伝』1『ボナベナの騎士』王宮の街ブラハに着いてからは、畳み掛けるような展開でテンポがいい。フラグも明解。巡り合わせがトントン拍子。やはり確実に何かを持っているスークと、聖なる者ヴァロ。闘技シーンには燃!
posted at 17:38:14

9/24(月)
『ボナベナの騎士』読了☆(再読)なんだかんだで結局人脈に恵まれてるスーク。タワン・サバ。バルタイ。そしてベーメ。あ!エルロラも。終盤の急展開は目が離せなかったし、やはりノンストップでした。酒に呑まれてしまったスークがいとしい♪(笑)ベーメの独壇場は、やや駆け足感がなくもないかも。
posted at 12:46:31

厳重な警戒下のはずが、この結果。警備はどーした!(笑)全てはベーメの采配でしょうか。…となると、ただ者じゃないなベーメ。今後も出てくるのかな?でもスークの度胸も天晴れなもの。伊達に20ゴドムせしめちゃいない← ラスト、グルームに触れるあたり伏線を感じる。さあ!次は『ザオの騎士王』
posted at 12:52:49

2012 09 26



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6 コメント

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なるほど。 (がんじい)
2012-09-22 16:32:19
私は安彦さんの小説は読んだ事がありません。
夢中になっている作家がいるのもありますが。

「安彦良和全仕事集」なる本が出されているのですか?
知らなかったです。
これはいつ頃発売されて、いくら位のものなのでしょうか?
全仕事集という事は、今までに描かれたキャラクターの画が載っているのですかね?
興味あります♪
ぜひぜひ^^ (樹乃枝)
2012-09-23 13:38:54
がんじいさん、こんにちは。
お返事が遅くなってしまい、申し訳ありません(´人`)

安彦さんの小説は、私も3年前くらいにようやく本格的に取りかかったくらいです(笑)
今回の『ボナベナ』を読んだ当時は、画が好きというだけでは、なかなか読み切ることが出来ないんだなぁと、実感しました。

安彦良和全仕事集
安彦さんの3冊目の紙の画集ですね。
2000年の発売です。定価は2,800円。

http://www.amazon.co.jp/%E5%AE%89%E5%BD%A6%E8%89%AF%E5%92%8C%E5%85%A8%E4%BB%95%E4%BA%8B%E9%9B%86-%E5%AE%89%E5%BD%A6-%E8%89%AF%E5%92%8C/dp/4840101981

私は(2008年くらいだったかな?)古本で購入したので、定価よりも安く入手しました^^

『全仕事』と銘打っていますが、安彦さんがこれまでに描かれたものが全て収録されているわけではありません。
でも、2冊目以降12年目の発売で、その間に描かれたものや、1冊目2冊目に収録されていなかった画も載っているので見どころ満載、充分に楽しめます(*^^*)
おススメですよ!
ありがとうございます。 (がんじい)
2012-09-24 12:02:57
わざわざ詳しくありがとうございます♪
結構、いいお値段ですね?参考にさせて頂きます♪
こんばんは。 (Toj)
2012-09-24 20:36:43
読み始められたのですね。
最初の壁を乗り越えればあとはグイグイのめり込んでいけました。

ソニーのアイボが出たとき、馬型も出て欲しいと思った事があります。
名前はアイバで・・・(^^;

全仕事集とイラストレーションズは持っています。
近年出た画集はオリジンのみ収録でしょうか。
なかなか買うに至りませんです。
ご参考までに (樹乃枝)
2012-09-25 20:55:16
がんじいさん、こんばんは。
またまたお返事が遅くなってしまいました;;
ごめんなさい。

当ブログでも、全仕事集のちょっこっとレポの記事をupしていますので、よろしかったらご参考までに^^

http://blog.goo.ne.jp/kinoe_0709/e/3962bf4e00460e017adf805d76a4ae5f

画集はやはりどうしてもお値段が張りますね。
でも安彦さんの画は、観始めると時間の経つのも忘れるくらい魅せられてしまいますので、お値段も全然妥当だと思いますよ^^
楽しみです! (樹乃枝)
2012-09-25 21:07:51
Tojさん、こんばんは。

おお!Tojさんも『鋼馬章伝』は全巻読破組ですか!?
私は、また第2巻の『ザオの騎士王』を読み始めるところなのですが、壁は、これからでしょうか。
もう越えたでしょうか。

アイバ。いいですね~♪(笑)
もしかしたら、まんまヴァロかもしれませんよね^^
あっさすがに、お馬さんの実物大はないでしょうか。

安彦さんの紙の画集は、『全仕事集』の他は『安彦良和原画集』と『イラストレーションズ』
原画展の『図録』もそうですよね。
あと、おっしゃる通り一番最近の画集は『ORIGIN画集』という事になりますね。
なんだかんだで全て持っています。

そろそろ『ORIGIN』以外の画集もろそろ出て来てほしいと、私は結構真面目に思っています。
仕事集が2000年刊行。12年経ってますもん。
あと『ORIGIN画集』は、連載の途中で出たので、最後の最後まできっちり収録した第二弾もほしいところです。
…買い揃えるのが大変ですけどね;

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