定期的に愛犬の写真を送って頂く大分県大分市に合併された佐賀関町にある国登録有形文化財に指定されている大田缶詰工場株の大田社長さんから宅急便が届いた。
写真だけなら何時も郵便なのだが今回は小さな贈り物まで入っていた。
それは無学無能の徘徊親爺には、読めない文字の書かれた缶詰であった。
桐の箱に1個1個詰められ「榮螺」と印刷された古式豊かな缶詰のラベルに工場の歴史の古さを匂わせており弘化3年(1846年)創業の老舗の商品である。
「榮螺」とは「サザエ」である。
きっと徘徊親爺の所では、正月のおせち料理も満足に喰えないようだからせめて酒のつまみにチビリチビリやりながら喰ってくれという憐みの気持ちを込めて送って頂いたものと有り難く感謝している。
ただ正月まであと4日果たして正月の食卓まで持つだろうか?
数年前のお節料理も女房が勤務の関係で大晦日と正月元旦は休めず徘徊親爺独りで年越しをしなくてはならない年があった。女房は正月料理にと大晦日に中華料理店から中華料理風おせち料理を配達させて元旦に食べさせようと目論んでいたが、そうとは
知らない徘徊親爺は、年越しの国民的番組を見ながら酒の肴に最高と大かた番組終了の頃には、食べてしまって女房に怒られ翌日お節料理なしの元旦を迎え独りでトースターでパンを焼いて食べた苦い経験がある。
その同封された写真を紹介するが「エリカ」という東京府中市のロアママの愛犬と同胎のメス犬の写真も送られてきたがそのメスの口唇(Flews)の垂れ方がかなり深いのに気がついた。スタンダードでは、余り深いリップは好まれず私自身も英国タイプの様な深い口唇(Deep Flews)は好まず、当犬舎の作出犬は、口唇が余り垂れ下がらないのが特徴であるが「エリカ」は江別市の小野寺君の繁殖なので同じ系列ながら彼の交配計画の中から深い口唇の犬を淘汰しなかったので子孫の中に出現したのだろう。
この深い口唇は、cheek bones (頬骨)の隆起が足りずmuzzle(口吻)の幅の狭い犬に見られるもので英国系の遺伝子が残っている在来セントバーナードに多く見られる。
口唇が深いと涎が常にだらだらと垂れだらしなく不快感があると同時に気品に欠ける。
SBCA発行の「An Illustrated Commentary on the Saint Bernard Standard」からの図説解説書の抜粋を紹介するので参考にして頂きたい。
また、Lips とFlewsの違いを説明すると人間で言うなら口紅を引く部分をLips と言いそれ以外の垂れさがる部分をFlews と言う違いを学んで頂きたい。
原因は、私も解らないが英国系統の犬或いはその遺伝子が強く引いている犬には、“ソバカス” 「freckles」が
目立つ犬が多い。人間ならソバカス美人と言って好まれる方もおられようが犬の場合には余りソバカスが多いと美観が良くない。しかしこのソバカスを持たない犬には、ピンクの色を持った唇の犬が多いのも事実である。
私の犬造りの信条である「犬種の正しいタイプ」とは、スタンダードを最大限順守する事であるのでこのピンク色の唇の犬を改善するためごく少数であるが幾つかのソバカスのある犬を作出する事により出来るだけピンク唇の出現を淘汰しようと試みている。
(↓ 写真はアリスの娘アクア。大田さんの自家繁殖犬である。写真をクリックして大きい画像でご覧いただきたい。口先にわずかながら”ソバカス”があるのがお分かりだと思う。)
![M_ohtasaints134 M_ohtasaints134](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2a/81/ead1b8c9357812769d01badaca5ba968.jpg)
現在当犬舎では、オス犬ではZavierが第一候補でメス犬ではRollerであるが年齢的に繁殖は、難しいので次の候補は、UFOになる。外に巣立って行った犬の中で記憶に残っているのは、岡山のシンジョウ君が最初に思い浮かぶ。
構成美とセンスの高いセントバーナードとしては、Am.Chクエイカージャックは大きく貢献してくれた。
そのクエイカージャックが残してくれた良さを保ちながら次なる世代のセントバーナード造りに徘徊親爺は、来年も引退勧告等気にしないでのんびり頑張るぞ!
![M_20061126 M_20061126](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/14/65/d4bbaf48891382872ad93927b13079dc.jpg)