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蓮をかけるトサレン

2011-04-13 18:27:02 | 鳥(Birds)


トサカレンカク(Irediparra gallinacea novaehollandiae) Comb-crested Jacana


オーストラリア10日目。
この日は日本人ガイドの松井さんに午前中だけ近郊を案内して頂くことになっていた。
まずはセンテナリーレイク(Centenary Lakes)へ向かう私達。
セントラルに寝床を移してからも車があるうちはセントラルのごく周辺は後回しにしていたため、ここではまだ一度もフィールディングしていなかった。

水路の脇を歩いていると、ヒメミツユビカワセミがマングローブの根の暗がりにとまっていた。
また明るい林を通る道の木ではイチジクインコが数羽でイチジクの仲間の実を食べていて、そのうちセキレイみたいな声で鳴きながら直線的に飛んでいった。背の高い木の樹冠にいたアカメテリカッコウは予想していたよりも遥かに小さくて、スズメを一回り大きくしたほどしかない。このテリカッコウはハシブトセンニョムシクイによく托卵するらしい。
目立つ立ち枯れの木にとまって何やら捕まえたばかりの獲物に舌鼓を打っていたオーストラリアチゴハヤブサはスマートな日本のチゴハヤブサに比べて何だかもっさりしている。
池に居たであろうシャイなタカサゴクロサギは、見つけた時にはすでに木の上に避難していて、全身が私達に見られるようになるとすぐさま飛び立っていった。
ひらりと舞い降りたクロモズガラスはButcherbirdと物々しい名前をしているけれど、太い嘴に真っ黒な体をした見た目は決して名前負けをしていない。
私達の正面を堂々と横切ったカンムリカッコウハヤブサは胸から腹にかけてトケンみたいな横斑があり、翼の広さと尾羽先端の黒帯にドキッとさせられる。
そしてマングローブやその他の雑木が激しく茂る区画に差し掛かった時、とんでもないことが起きた。
なんとその枝が一際絡み合った場所に、とてつもなく可愛くて美しいケープヨークオーストラリアムシクイ(Malurus amabilis)の群れがまさに通りかかったのだ!
ケープヨークオーストラリアムシクイの英名はLovely Fairy-wren。名前の通り可愛すぎて妖精と見まごうばかりのこの鳥の雄成鳥は、上背と頭頂から側頸に向けてエスチュアリー状に食い込む様に輝くメタリックブルーをしていて、肩羽は赤茶色、という見るだけで鼻血が出そうな羽色をしている。全身淡褐色のセアカオーストラリアムシクイの雌タイプと異なり、このケープヨークオーストラリアムシクイの雌タイプは耳羽が落ち着いたツヤ消しインディゴブルー、頭頂から尾にかけての上面がアジサイ色をしていて、和風で素晴らしい。
このケープヨークオーストラリアムシクイは雄が1羽、雌タイプが5羽程度の小群であっと言う間に通り過ぎて行ってしまった。

茂った潅木から真っ赤で尾の長いアサヒスズメが飛び出して数秒間辺りを見回したのを見た後、採石場跡に水がたまって出来たという池にやってきた。
このリリーパッドの繁茂した池の水上を、その長い趾を駆使して優雅に歩き回っていたのは、トサカレンカクであった。
こんなに趾が長いと、そのうち蹴躓いて転びやしないかと心配になるけれど、これが中々どうして器用にペタペタと歩くものである。

この日は他にも多種類の鳥を見たのだけれど、特にこの中でもケープヨークオーストラリアムシクイとアサヒスズメの2種についてはガイド無しには見られなかったろう。








キバタン(Cacatua galerita galerita) Sulphur-crested Cockatoo


このキバタンは何をしているのか、足を軸にくるくる回り続けて遊んでいた。
鳥以外はというと、ひらひらと頼りなく飛ぶパプアトラシャクや、前翅がウスバシロチョウよりもずっと透明なウスバジャコウアゲハ、またかなりの高度を飛翔するミドリトリバネアゲハの雌、翅を閉じた時に前翅の白色部がカギ状の形をしたムモンアオタスキシジミ、それから複数種類のトンボを見かけた。




Northern Dwarf Tree Frog(Litoria bicolor


本種には分布も重なるEastern Dwarf Tree Frog(Litoria fallax)なる類似種がいるのだけれど、黒色部が濃くて前脚の後方にまで明瞭に見られることからおそらく L.bicolor の方であろう。




メガネオオコウモリ(Pteropus conspicillatus) Spectacled Flying-fox

最後に 私達はオオコウモリのねぐらを見に City Place を訪れた。
ここではこのメガネオオコウモリと昨日大群で飛翔しているのを見たオーストラリアオオコウモリが街路樹に大勢ぶら下がって休んでいて、その数の多さからねぐらの木はコウモリの生る異様な光景になっていた。
その中でもこの翼が黒くて目の周りがメガネ状に淡褐色のメガネオオコウモリは英名通りにすごくキツネ顔をしている。ちなみに、フライングフォックスと言えばまず藻類食のコイ科魚類の方を思いついてしまうのは私だけ?




お昼頃に松井さんと別れた後、私達は教えてもらった青果市場へと向かった。
この市場は毎週末に開催されるもので、スーパーなんかで買うよりもずっと安くフルーツが手に入る。
私はこの中でも黒色の縦斑がないスイカとパイナップル、プラム、それからありったけのマンゴーを買い込んだ。それからこれらをユースホステルに持ち帰った後、共用の大冷蔵庫で冷やしてからむしゃこらと昼飯代わりに満腹になるまで食べたのだった。


【2010/03/12/オーストラリア Cairns,Australia;Mar. 2010】


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