コガラ(Parus montanus restrictus) Willow Tit
アカウソでも居ないかと高原の林を訪れたのだけれど、結局見つからなかった。
その代わりに、先程からコガラやヤマガラが物欲しげにこちらを見ていることに私は気が付いた。ほほう、この辺りは別荘地だから、さてはこの子等は誰かに手乗り餌付けされているのだな。
けれど、もちろん私達は餌など持ち合わせてはいなかった。
そこで私は、マリーバイワワラビーに対して行った作戦の応用を思いついた。
小鳥達はワラビーと違って、手を握っていては警戒してやってこないので、初めから手のひらは開いた状態にする。そして次に、そこらに落ちている木片を小指の爪ぐらいの大きさにちぎる。最後にこの木片をポケットから取り出す風を装って開いた手の中央に置くのだ。
この時は、材の白っぽいシラカンバの木片があったから、よりその木片が「ヒマワリの種」らしく見えた。
すると、さっきまでこちらの様子を伺っていたコガラが、さっそく
“やった!”
とばかりに私の手に乗ってきた。このコガラは木片を素早く咥えると、すぐさま近くの木に飛び移り、咥えてきたヒマワリの種であろう物体を嬉しそうに確認した。そして次の瞬間、それがただの木片であると気付いたコガラは、頭に疑問符をいくつも浮かべて固まってしまった。普段はせわしなく動いているコガラが動きを止めて、まさにあっけにとられた顔をしたのだ。
これを見て、可愛いやらしてやったやらで私達は普段使わないような擬音を発しながら喜んだ。
―こんなことを書くと、大半の方にはケシカランと怒られるかもしれませんが、人間だもの、可愛いから困らせたくなってしまうことって、あります。
ヤマガラ(Parus varius varius) Varied Tit
鳥見に行かない・行けない時に限って、ブルーフロンティドとかなんとか。
こんなのってない。あんまりだ。
【2011/01/22/山梨 Yamanashi,Japan/Jan.2011】