鳥取県総合芸術文化祭は今年で四年目。
四年目の今年、初めて「県民企画アートチャレンジ
事業」というのが企画された。
我らが「SATOIMI外伝~もうひとつの八犬伝~」は、
この県民企画アートチャレンジ事業に参加する。
最初この事業の名前を聞いた時、いいネーミングだ
なと思った。
自分に芸術家(アーティスト)の素養があるなんて思
ったこともない。将来もそんな風な立派な者になろう
などとはとても思えない。
そんな平凡な人間に「まね事でいいから、いっぺん
“アート”なるものに“チャレンジ”してみたら。。。」な
~んて軽く声かけをしてくれたような気がしたんだ。
とても敷居を低くしてくれたような気がしたんだ。
だからやってみようと思った。きっと他の参加者もそ
うだと思う。気高い理想は大切だけど、僕たちはあく
までもチャレンジャーなんだ…そう思っていた。
家に入ってから敷居を高くされてしまうと、もう自力で
は出られなくなる。前に突き進むのを止められたら、
もう放っぽり出されるのを待つしかない。
放っぽり出されたら…そいつはもう二度と立ち上が
れない。。。
どこかに再起のチャンスが用意されているのだろう
か?
さて、
僕はといえば、行政が用意するキャッチーな惹句に
見事に引っかかって、毎日頭を悩ましている。
この事業は、「県民企画アートチャレンジ」事業なん
て可愛らしいものではなく、過酷ともいえる「素人芸
術挑戦」事業であった。
それがわかってしまった現在、
僕が一番恐れるのは、
誰あろう、観客だ。観客の評価だ。
果たして、こんな意気地なしの僕に、見も知らぬ観客
たちを満足させることがきるのだろうか!