ピーター・セラーズといえば、円熟期の「ピンク・パンサー」シリーズが有
名だが、まだ若かったイギリス時代の作品にも素晴らしいコメディーが
たくさんある。「マダムと泥棒」、「泥棒株式会社」、そして日本未公開の
「ピーター・セラーズのマ☆ウ☆ス」。
彼は、イーリング・コメディー(ロンドンにあるイーリング・スタジオで製作
された一連のコメデイー)で頭角を現してきた。
そしてハリウッドに渡り、一躍スターとなる。
「ライフ・イズ・コメディ ピーター・セラーズ」はそんな稀代のコメディアン
の半生を描いた映画。
ジェフリー・ラッシュが怪演、エキセントリックで女好きのコメディアンを巧
みに演じている。この映画で彼そのものが七変化、そのうえピーター・セ
ラーズの七変化をも演じているので、、、全部で十四変化!!
いやあ、見事なものでした。
若い時のセラーズを演じるには老けすぎかな、とも思ったけど、晩年の佳
作「チャンス」の頃になるといい感じになっていた。
「僕には自分というものがない。あるのはその器だけ。。。」彼はいつもそう
言っていた。
「チャンス」はそんな彼の本質を描いた、まさに彼のための映画だったのか
もしれない。
名コンビを謳われたブレイク・エドワーズとの確執も面白かったなぁ。。。
才能は認めてなかったけど、愛してはいたんだな。ラスト・シーンは爽やか
だった。
僕のピーター・セラーズBESTは、そのブレイク・エドワーズと60年代に撮
った「パーティ」。。。報復絶倒のコメディーだった。
「爆笑レッドカーペット」を観る。
とにかく次から次に新しいお笑い芸人が、新しいパフォーマンスが出現し
てくる。中堅芸人たちの危機感は想像を絶するものだろう。
コント系のお笑いが増えている。芝居っ気がたっぷりなので、渡辺えりこ
が喜んでいた。“はんにゃ”ってのが面白い。
なだぎ武は審査員で来ていた宮本亜門に認められ、舞台出演が決まった
のだという。
残念ながら渡辺えりこは、同輩であるぽっちゃり芸人さんに目がいってい
たみたいだけど。。。(笑)
この番組、最初の頃はほとんど一発芸大会だったと記憶してるんだけど、
だんだん持ち時間が長くなってきてるみたいだ。
もう少し長くなってもいいかな。。。若手コント芸人さんたちにもっともっと力
をつけてほしいから。
深夜枠でコントをメインにした番組があるみたいだ。ぜひゴールデン枠でも
観てみたいなぁ。。。
それにつけても今田耕司のMC。。。
ムチャクチャ上手い。
若手芸人たちをイジらせたら、彼の右に出る者はいないだろう。。。
今週はNHK‐BSで「とことん!ルパン三世」。
TV第一シリーズが放送されたのが1971年。僕はリアルタイムで観てい
る。日曜の夜七時半。。。すぐに夢中になった。
絵がいい。ホンがいい。何よりも山下毅雄の音楽がいい。このシャレた音
楽が結局のところ一番印象に残ってるんだなぁ。。。
15本を集中放送してくれた。懐かしかったぁ~~。
パイロットフィルムまで出てきた。ベットで峰不二子に襲いかかるルパン、
派手なカーチェイス、制作会社の東京ムービーはこれを持って原作者の
モンキーパンチを口説き落としたわけだ。
「誕生秘話」では、視聴率低迷のため途中降板した初代演出家をクローズ
アップしていた。
彼は、大塚康生をはじめ、たくさんの有能なスタッフに助けられ、テレビ史
上初の「大人のアニメ」を生み出そうと試みたが、結局挫折した。
35年たって彼は、「途中でケツを割ったことを申し訳なく思っている。」と語
った。「自分の後を引き継いでくれたスタッフたちがどれほど苦労しただろ
う。」と目を伏せていた。「あの時の自分は周りのことに気を配る余裕がな
かった。」と悔やんでいた。
彼の後を引継いだのが、
誰あろう、高畑 勲であり、宮崎 駿であったわけだ。
彼は、現場を去ったあの時からいっさい「ルパン三世」を観ていないと言う。
そんな人物をこの特集番組で取り上げるNHKドキュメンタリー班。。。さす
がである。
最後に彼の言った言葉が印象的だった。
「子ども相手の仕事(アニメや児童劇)ってのは辛いものです。
最初はその反響がよくわかんない。反応があるだけで声は聞こえてこない。
聞こえてくる大人の声(批評)というのは、子どもならこう思うんじゃない、と
いう推測でしかないわけ。
その子の本当の感想を聞けるのは、その子が大人になってから。。。三十
年も四十年も後のことなんです。」
平山秀幸の「しゃべれども しゃべれども」を観る。
国分太一扮する今昔亭三つ葉は、いまだ二つ目の落語家。
新作落語をと薦めてくれる人もいるが、頑として耳を貸さない。古典落語
が好きで、師匠の落語が好きなのだ。師匠を尊敬するあまり、その模倣
になってしまっている。そのへんが彼の伸び悩みの原因のようだ。
国分が上手いのでビックリする。師匠役の伊東四郎も達者なものだ。二
人の落語はかなりの長尺で撮られている。
前半は大好きな「の・ようなもの」と重ねながら観ていたが、中盤から映画
は意外な展開を見せ始める。
三つ葉が、ひょんなことから、素人落語教室を始めることになるのだ。(自
分だって目いっぱい半人前なのに~…)
生徒は、いつも仏頂面をしている若い女の子、関西弁のせいでイジメにあ
う小学生、引退して下手くそな野球解説をしている元プロ野球選手。
このアンバランスな取り合わせは面白かったけど、関西弁小学生以外は
落語を学ぶ意味があったのだろうか?
結局、人生にとって、“しゃべり”の上手い下手にさほどの意味はない。。。
ってことなのかな?
子役の子は最初はあまりにもクセが強くて閉口したが、最後の落語発表会
のくだりはとても良くなっていた。
香里奈、松重 豊は好演。八千草薫も、久しぶりに“八千草薫らしい”八千草
薫だった(笑)。
とても爽やかな人間ドラマだったけど、芸道モノとしてはどうだったろう?
いろんな人と出会い、いろんなことが周りで起って、主人公はきっと人間的
に成長したんだろうけど、芸の道はそんな容易いものかしら?
大切な一門会までの過程はほとんど描かれず、その大切な一門会に遅刻
しそうになる主人公。
それを叱りもせず、あろうことか酒を飲ませて高座に上がらせる師匠。
ここに至るまでに描かれたのは、主人公が“師匠の落語”が好きで好きで
堪らないということだけ。。。
こんなうすっぺらな描きこみで、最後に師匠に誉められたって、観てる方は
キョトンとしちまうだけだ。。。師匠の十八番『火炎太鼓』が泣きまっせ!
最後のラブ・シーンも唐突すぎるでしょ。いつ、お前たちはそんなに接近をし
ちゃたの? 抱擁ともいえない抱擁から、いきなり「うちに来ないか。」って言
われてもなぁ。。。
爽やかで好感の持てる映画でしたが、やはり“芸の道”をしっかりと幹に据
えるべきでしたなぁ。
久しぶりに「篤姫」を観る。
宮崎あおいが未亡人になっていた(笑)。
結局のところ、家定を見ぬままに終わった。堺 雅人の演技はどうも好き
になれない。
新将軍は松田翔太。なかなか凛々しくていい。
もうすぐ、京都から堀北真希を嫁に迎えることになる。
松田翔太はお兄ちゃんとはまたタイプが違う感じ。。。松田優作の二人の
息子はこれから順調に育っていきそうだ。
薩摩の方は、斉彬が死に、久光の時代に。そして西郷と大久保の時代が
やってくる。どうも、小澤征悦とネプチューン原田では心許ないけど…。
もうひとつ心配なのはベテラン俳優がどんどん消えていくということ。
松坂慶子が暇乞いを願い出た。中村梅雀ももうすぐ桜田門外で殺されち
ゃうし。。。
NHKの公式ホームページを覗いてみる。
これからどんな役者が出てくるんだろう。。。?
坂本龍馬が玉木 宏。。。これは心配だ。
勝 海舟に北大路欣也。和宮の母に若村真由美。う~ん…やはりこのあた
りのベテランで支えるしかないのか。
大河ドラマは結局、役者で観るもんなんだよね。