
今日はいよいよ愉しみにしていた漓江下りだ。
手配したチケットには9時半と記されている。市内のホテルからは車で45分程の竹江港へ向かう。聞いたところでは、ここは外国人専用で、中国人は別の港から出発するとのこと。値段も外国人用の半分ほどの金額らしい。値段はちょっと高いものの、うるさい中国人が少ないことを思えば、全然高くないってのが俺の感想。それも、通常はこのツアーの金額は定額となっており、一律500RMB程の金額が必須となるが、今回ガイドや港までの交通手段及び、陽朔から桂林までの戻りの交通手段を含めない事で275RMBにしてもらったんだよね。ラッキー。ホテルからタクシー二台に分乗して、さっそく港へ出発。2日後にはまたこのホテルに戻ってくる予定なので、俺は大きな荷物を預けてしまい小さな荷物。ホテルが決まっていると、こういう便利な事が出来るからいいね。タクシーから見える桂林の景色もなかなか。生憎とこの日も天気があまり良く無さそうだが、それでも街のあちこちに見かけられる山々が心をウキウキさせてくれる。
チケットにはそれぞれ乗船する船の名前が明記されている。竹江港もおもったより大きくて、日本からも沢山の団体客が来ているようでした。船も何十隻と並んでおり、ちゃんと確認しないと別の船に行き着いてしまいそうになる。我々の船「桂林2号」は、定刻丁度の9時半におよそ30人ほどの乗客を乗せて出発。客層は外国人もぱらぱら見かけたが、不思議な事に中国人(ひょっとするとシンガポールとかタイとかインドネシアかもしれない)が結構乗船していた。大体全部で30人弱くらいだったと思う。もっとぎっしり詰め込まれるかと心配していたので、余裕をもった乗客数でちょっと安心。日本人も数人乗船していたが、みんなオジサンで若い小姐を連れておりましたね。姫と妹Aの視線が厳しい感じでした・・。
船が動き出すと同時に、一番乗りで屋上というか甲板へ。直ぐに移動した甲斐あって、最も景色の良い先頭ポジションをGet。天気も若干回復傾向で、甲板を吹き抜ける風が心地よい。そして何といっても、その景観。次々に現われる奇観・奇岩の数々に目を奪われる。ガイドブックには十数か所の見所や、岩がどんな風に見えるか?の解説が書いてあるが、俺は全然気にしない。唯ただ、川を下りながら眺める景色が素晴らしい。山、川、川辺にくらす原住民の生活ぶり等々。結局川くだりの最初から最後(13時半くらいかな?)までず~っと屋上の甲板に出っ放しで、席には一度も戻りませんでしたね。ちなみに、船でいい席を取ろうと思ったら、舟が動き出したと同時に屋上にあがる必要があります。これでばっちり写真スポットを確保可能できるのです。重要。川くだりも半ばが過ぎると、ちょうどお昼時で、どの舟も地元の漁船から買い付けた魚介類を中心にしたビュッフェ形式の料理が振舞われます。そうなると、それまで込んでいたデッキは嘘のように人気が無くなり、我々だけの世界に。写真も自由に撮りまくり~、ってことでこのお昼の時間はお勧めですね。飯なんかいつでも食えるけど、この景色は一回しか見れないもんね~。ただ、他の船を見て居たら地元の小舟が各船に漕ぎ酔って連結しており、魚や貝類を手渡していたんだよね。聞いたところで、その日必要な魚貝系の食材はこうやって地元の漁師から手に入れるんだってさ。ちょっと面白いね。ちなみに、俺ら外国人より圧倒的に安い中国人専用船は、二階建てのちょっと小ぶりな感じで、乗船している人数も全然多いように思えました。船足も遅くて、我々の大きな船にどんどん抜かれていきます。うるさい上にあの密集具合、仮に値段を安くしてもらっても全然乗りたくありません。
出発から約4時間、船は無事に陽朔に到着。名残惜しくも桂林2号を下船。やたらと多い土産屋を素通りしながら、ホテルを探して彷徨っていると、歩いて5分も掛らない繁華街にホテル「帝都大酒店」を発見。ロケーションはかなりよい感じ。早速チェックインし、まずは飯を食いに行く事に。陽朔は小さいながらも、桂林地方独特の奇岩風景が田舎町と共に保存された町として有名らしく、内外から多くの観光客が訪れます。なかでも欧米系のバックパッカーなんかが多く来るらしく、町の中心部は「西街」と呼ばれる西洋人街となっており、欧米人の大好きなハンバーガー、ステーキ、ピザ、コーヒーなんかを出すお店が乱立しております。イメージ的には以前訪れた雲南大理古城の洋人街にそっくりでした。多くのお土産屋が並びますが、よくよく見てみると、これと言って欲しい物は何一つ無い感じも全く一緒。街の中からは四方八方どこを向いても例の巨大な奇岩が目に入ります。そんな不思議な街中での初お食事は姫の強力な希望により「ビーフン」と「ワンタン」。この二品を求め街中を彷徨いますが、なかなか出遭う事ができません。西街のはずれまで来た時にようやくビーフンに出遭う事が出来ましたが、ワンタンは無いとの事。若干不満げな姫でしたが、背に腹は変えられず、まずはビーフンを試す事に。ここのビーフン、普通我々のイメージするものとは異なり、スープに入った素麺のような感じ。この上に、ピーナッツや香菜、ザーサイに似た辛い漬物を載せて食べます。食った感じとしては、悪くは無いが、それ程美味いものでもない感じかな~。ここで食った、大蒜の芽とモツの炒め物、それに卵焼きはかなり美味かったけど。
腹ごしらを済ませたところで、早速観光へ出発。この陽朔は市内から10km圏内に様々な観光ポイントやアミューズメントが点在している。タクシーは殆ど居ないので、移動はレンタル自転車が中心。我々は、ちょっと贅沢に電動自転車(見かけは50CCのスクーターと全く一緒)を1人一台借りて出発だ。料金は一台1日50RMB。ただし、気をつけなければいけないのは、その電気残量。フル充電でも40kmまでしか持たないとの事なので、移動距離には気をつけないといけない。当社は不安がっていた妹Aも、載り出すと直ぐに楽しくなってきた模様。市街を抜けて、一路月亮山へ。ここは陽朔から8km程離れた高田郷にある真中にぽっかり穴が空いた岩山だ。ここへ至る風景は将に、桂林地方らしく、そこら中に奇岩がにょきにょきと生えている感じで漫画の「ドラゴンボール」にそっくりだ。ってドラゴンボールが真似してるんだろうけど。途中雨が降ったり止んだりするものの、それもまた趣があって楽しめちゃう。
ところが、快調に飛ばしていた俺のバイクにトラブル発生。どうも運転しずらくスリップするかと思ったら後ろタイヤがパンクしている・・・。どうすりゃいいんだ~??こんな場所で!と思ったら、道沿いに「車修理」の看板が。いや~、助かったなってことで、早速パンクの修理をしてもらい(5RMB)、無事に目的地に到着。入場料を払いさっそく月亮山へ向かうが、これがキツイキツイ。今回の旅で初めて汗が滴ってきましたが、それも半端じゃない量。正に滝のような汗を流しつつ、かなりの階段を上って行きます。途中すれ違う中国人達に「加油!加油!」と励まされながら、なんとか月亮山の○に穴へ到着です。いや~苦しかった~。メンバーそれぞれ辛そうな感じで上ってきますが、妹Aと姫の2人はそれ程苦しそうな素振りも見せずに到着。歳の差なんでしょうか?苦しい思いをしましたが、ここから眺める高田郷の景色は、はっと驚くほどに美しく魅力的なものでした。う~ん、登ってよかったよ。お勧めです。本音を言えば、こんな曇りの日ではなく、霧が出ているか、晴天かのどちらかの日に来たかったけどね。
さて、ようやく下山してみると、またもや俺のRedバイクがパンク・・。一体どうなってんだ?ラッキーだったのはこの直ぐ傍にも修理屋さんが居た事。どうもこのあたりではまだまだ自転車がメインの交通手段の為、500Mおきくらいに自転車屋があるみたい。昔の日本もそうだったんでしょうかね?直ったとは言え、どうにも瀋陽のおけないこのバイク。少しでも負荷を軽くしようとアフロにバイクを替わってもらう。18時を過ぎていたが、気になっていた「水岩 Water Cave」に立ち寄ってみる事に。写真で見る限り、かなり過そうな場所であったが、ここでまたまた旧俺のバイクが故障。一体全体どうなっているのかね?結局アフロに修理して貰っている間に、おれらは水岩の下見へ。途中何箇所も「入口こちら→」みたいな看板があるが、なにやらどうも様子がおかしい。全くそれらしき入口が無いのだ。チケットの値段も一定していない。ある場所では128RMB、ある場所では160RMB、ある場所では交渉で100RMBと言った感じ。一体全体どうなってるの?と思いつつ、確かめる為に、水岩の入口まで行ってみる事に。これが思った以上に全然遠く、ダートの道を延々進むことに。途中で後発のメンバーともはぐれてしまったが、一本道なのでとりあえず先を確認してみる。結局、30分以上も走り続け、ようやく水岩の入口を目視し、来た道を戻る事に。途中はぐれたメンバーと合流すると、妹A達の今にも泣きそうな顔・・親にはぐれた子猫みたいでした。ご心配お掛けしましたね。結局水岩へは明日再度チャレンジするってことにしました。
街への帰り道、アフロとゆり坊にも合流し、再度バイクがパンクしないようにゆっくりと戻ります。結局8時頃出発点に到着。大分汗かいて気持ち悪かったので、まずはホテルにもどりシャワーって思ったんですが、たまたま歩いていた道端で屋台発見。「?飩」って書いてある!これぞ捜し求めていたワンタンではありませんか!?ってことで、シャワーもすっかり忘れてワンタンを試す事に。これが鳥スープベースの台湾風っぽくて結構いける。具に椎茸が入っていたので、俺はあんまり食いませんでしたが、ここの麺もなかなかでした。屋台ってことで、全員で一杯をシェアしていたのが、追加追加で計8杯くらいは頼んじゃったかも。。姫もみんなも大満足そうでした。
一旦ホテルに戻り、シャワーを浴びてさっぱりしたところで1時間半程自由行動。思えば、このたび殆ど自由行動無かったな~。やる事が多すぎたかね?10時半ごろホテルで待ち合わせて、再度晩餐へ。なんといっても、6人で食べる夕食はこれで最後。ゆり坊、MM、妹Aの三人は明日の夜のフライトで広州へ戻ってしまうのです。心置きなく飲まないとってことで、買い物後街の中で最後の晩餐。陽朔名物のビール魚を食べたり、ピザ食ったりしながら思い出話に花が咲きます。ワインが激まずかったのが印象的ですが、まあ楽しい夜でしたね。長い1日でした。