名無しの教師の日誌

ある公立中学校教師の教育私論と日記です。

教育学部に行くのはおすすめか

2017-08-29 08:02:02 | その他
教師を目指すなら、教員免許が必須です。

教員免許は、大学で必要な授業を受け、単位を取得し、それを教育委員会に申請すると、もらえます。

なので、教師を目指す高校生諸君は、教員免許の取得が可能な大学に進学する必要性があります。

さて、もうすぐ夏が終わります。

大学進学を目指す高校生諸君は、そろそろ夢では無く現実を語らないといけないという人も出てきたのでは無いでしょうか。

志望先にまだ迷っている……そんな人もいるのでは無いでしょうか。

そんな人の参考になれば、と、教育学部について書きます。



さて、普通の教育学部なら、教員免許が取得できます。

筆者は某大学教育学部の出身なのですが

そこは、教員免許の取得が卒業要件でした。

すなわち、必修を取っておけば必然的に教員免許の取得が可能になるので、あまり頭を使わずに教員免許が取れました。

では、教育学部で無いと、教員免許が取れないのでしょうか?

そんなことはありません。


筆者はそもそも、教員免許取得可能な農学部に進学したかったのですが

落ちて、やむなく滑り止めにしていた某大学教育学部に進学する羽目になったのです。

教員免許が取得可能な、教育学部で無い学部は多いです。

今日は、高校生諸君に向けて、教育学部に進学するメリット・デメリットを紹介したいと思います。



【メリット】

・教員免許取得が容易

これは説明をしなくて良いと思いますが

教育学部は、学生が教員免許を取ることを前提として授業が展開されるため

時間割を組みやすいです。



・附属小中学校を持っている場合がある

教育実習等で、便利です。



・授業が、「将来子どもの指導をするとき、この知識をどう生かすか」という視点であることが多い。

その学生が将来授業を行うことをイメージして、授業が行われる場合が多いので

これは将来、教科指導をする時に役に立つはずです。



・教員採用試験に関する就職支援を受けられる

これは大学によりけりでしょうが

私の出身大学は、退職した地元の元校長先生とかを雇い、その人たちに模擬面接の面接官役をやらせるような大学でした。

これは就活生的にはとてもありがたい。



・一緒に過ごす仲間たちが同じ目標を持っている場合が多い

同学部のメンバーが、同じ目標すなわち教員採用試験に向かう場合が多いです。

お互いに時間を作って、模擬授業を行ったり、教職に対する志を語り合ったりすることができるので、モチベーション維持につながります。



【デメリット】

・授業が、「将来子どもの指導をするとき、この知識をどう生かすか」という視点であることが多い。

メリットと同じじゃ無いか!と思われると思いますが

これはデメリットでもあります。

今自分が教師をやっていて思うのですが

特に小中学生を相手にするとき、子どもたちに社会のことや、さまざまな職業のことを教えてあげなければなりません。

そのとき、ネットでググったような知識を喋るだけの先生の授業と

自分の経験を交えて話してくれる先生の授業、どちらが好ましいかは明らかですよね?


つまり、視野が狭くなる危険性があります。

ちなみに、他職を経験して、退職して先生になった人と仕事をしたことが結構あるのですが

ああ、すごいなぁ、と思います。

職業教育をするときに、そうゆう経験を話せるかどうかは、とても大きな違いです。

お偉いさんもそれがわかっているので、他職の経験がある人は、教員採用試験で優遇される可能性があります。

また、在学中に志が変わった場合、教師になるために知識は役に立たない可能性が高いです。



・就職支援課が教員採用試験特化な場合がある

これは、教育学部しか無い単科大学において発生するリスクです。

すなわち、大学在学中に、志が変わった場合、不利になります。

4年間で志が変わらないという確固たる確信がある人には、関係ないです。



・一緒に過ごす仲間たちが同じ目標を持っている場合が多い

教師は、視野を広く持ち、いろいろなことを知っているべきです。

それが、これでは視野が狭くなる危険性があります

もちろん、サークル活動等でそれは回避できる可能性があります。



とりあえず、自分の経験をもとに、メリットデメリットをまとめてみました。

あとは、皆さん自身で、決めて下さい。

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