木彫刻師 吉川浩市

木を生かす木彫技法を求めて

吉川浩市 木彫展 「自然をモチーフとした木彫アート」

2011-09-13 21:47:29 | あいさつ

  吉川浩市 木彫展 「自然をモチーフとした木彫アート」 によせて・・・

 木彫りをはじめて早や18年、高校を卒業してからですから人生の半分を木と格闘しています。
木という自然の素材を相手に造形することの難しさ。
硬い木、柔らかい木、反りや割れ、突然フシやクサレが出てきたり・・・
はじめは思い通りに行かないことばかり。
でもそれが木の魅力。押して駄目なら引いてやれで、100本以上もの鑿を使い分け、
相手と対話すると材料は答えてくれる。
研ぎに5年、鑿を使いこなせるようになるまで10年、今では道具が手の延長となり
木との対話を手伝ってくれる。
素材から受けるあやふやなイメージを図案化し、それを頭の中で立体にし材料に向かう。
埋まってるものを掘り出すような感覚です。
はじめは彫りすぎを恐れ手が止まることも、今でも鑿が迷います。

はじめて井波彫刻の欄間を目にしたとき、板の中に動物や草花などのモチーフを
本物以上に生きいきと表現するの技術に衝撃を受けました。
「本物よりも本物らしく」をテーマとし、作品に生命を吹き込むような。
目には見えなくてもそこに風や日差しの匂いを感じるような。
日々の生活や活動のなかで自然から受けるふとした感動の中に制作のヒントあるように思います。
今の自分のできる方法で、作品に表現したいと思っています。


「桜に春告鳥」 材質 ヒノキ 

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