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「ポーの一族」萩尾望都

2024年06月11日 | アニメ、マンガ レビュー

「ポーの一族」1988/6/1

萩尾望都

1972年から1976年までの作品が収録されていて、全3巻です。

2巻だけ持っていなかったので、今回ネットで購入しました。

ーあらすじー

19世紀から20世紀にかけて、ヨーロッパを舞台に、永遠の時間を生き続けるバンパネラ一族を描いた

壮大な抒情詩!!愛と苦悩の物語

☆感想☆

ポーの一族を初めて読んだのは小学生の頃で

ちょっと怖いおとぎ話のような感じで、あまり悲壮感のようなものは感じなかった気がします。

たぶん深く考えて読んでいなかったんだろうと思います。

 

数年前に上記の単行本の1巻と3巻を読んでみて印象に残った箇所は

1巻の「グレンスミスの日記」で、主人公のエリザベスが父の死後見つけた日記の中で

父がポーの村へ迷い込んだ書きつけを見つけ

バンパネラの住む、バラの村、不死の一族が永遠の時をいきつづけている村..

これは物語なのだと思いつつ

結婚してドイツへ行くときに、その日記を持っていきます。

 

その後戦争に巻き込まれ、夫は帰らぬ人となり、苦しい生活の中

3人の娘とともに暮らしていくのですが、エリザベスは病に臥せってしまい

次女のユーリエがお昼休みのわずかな時間、家に帰ってきて家事をしてくれます。

エリザベスが時々望むと、「グレンスミスの日記」を読んでくれました。

ーユーリエの言葉よりー

「わたし、おじいさまがこの日記に書いたこと、ほんとうだと思うわ」

「もうずっと、一生、そんなバラの咲く村で暮らせたら、どんなにいいでしょうね」

その後ユーリエは17歳の冬にとつぜん逝ってしまうのです。

 

この作品を読んだ当時、私もいろいろとあった頃で

ユーリエと同じで、私もポーの村に住みたいなぁと心から思ったことを覚えています。

争いもなく、貧しさもなく、絶望もなく

深い一族の愛をもって村人は生きつづけているのだという..

なんか、その頃はもう、いろいろ考えることに疲れて

どこか遠くで何も考えずゆっくりした時間を持ちたかったのかもしれません。

 

そして最近、全巻そろえて再度読んでみました。

今回読んでみて、あれ?こんなに暗い話だったっけ?なんかすごく悲しいなぁ…

少年の姿のまま、年月だけ過ぎていき、愛する人たちは去っていき

ひとり取り残される悲しみは如何ばかりかと..

 

体の成長に合わせて、心も成長して大人になっていくはずなのに

心ばかりが成熟して、悲しい別れを繰り返す..

永遠に死ぬこともできないって...

これは拷問だよな..

確かにポーの村は居心地がよさそうだけど、結局エドガーもアランも見つけることができなかったし...

物語のラスト、アランは死んでしまったのか?

40年ぶりの続編はまだ読んでいませんが、そろそろ購入してみようかな?

 

ポーの村には赤いバラがたくさん咲いているらしい..

ポーの一族は、バラのスープや、バラのエッセンスをお茶に入れて飲むそうだが

バラのスープってちょっと想像がつかないな(;'∀')

ローズティーはたまに飲みますが、これは味を楽しむというより、

香りを楽しむという感じでしょうか🌹

 

 

 

 



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