港で出航準備をしていると、知り合いの潜り漁師さんが
「1つ持っていけぇ〜」と言うので、船までいくと船の上には
ゴロゴロと夜光貝が転がっていた。
沖縄では夜光貝は高級食材である。
昔はたくさんいたが、乱獲の影響からか今ではほとんど見なくなった。
貝の習性から夜は隠れていた岩の隙間から這い出てくる。
夜に光る貝と書いて夜光貝。
夜に光るわけではなく沖縄の古い文献には
「夜句貝」又は「屋久貝」と書かれている。
これらの表記は交易品として需要が高まった9世紀以降の資料によく見られる。
「ヤク」の呼称が「屋久」を指すようになったのは分布の北限が
屋久島であることとは結びつかない。しかし7世紀初期以前の
「ヤク」は、奄美地域を含む広大な範囲を示す言葉であったそうだ。
奄美大島付近でたくさんとれたことから「屋久貝」と呼ばれるように
なったという説が有力だ。
沖縄では刺身、寿司、海鮮丼の具材として使われる。
貝は工芸品や高級ボタンの原料として使われる。
工芸品としては古くから使われていて、正倉院の宝物用いられて
いることでも有名。
平安時代以降、夜光貝は、螺鈿(らでん)や酒盃などとして使われ、
遺跡からも出土している。
昔は高値で取引されていたが海外から安く輸入されるようになって
値段が暴落した。現在では養殖されるようになったが
大きくなるまでには約15年以上といわれている。
今日はいただいた夜光貝を刺身でいただこう。