けやき便り

クリニックの最新情報や治療法について

関節リウマチについて

2011-08-30 10:50:01 | Weblog
お盆休みも終わり、少しずつ秋の気配が漂う今日この頃です。

読書の秋、食欲の秋、運動会など秋は過ごしやすく色々なことに
挑戦できそうですね。


さて、当院では関節リウマチの診断、治療を行っておりますが、
まだブログでご紹介していなかったので簡単に紹介いたします。

関節リウマチの診断や治療はここ10年ほどで大きく変化しました。
現在関節リウマチの国内患者数は70万人程度と言われておりますが、
早期に診断が可能になればまだまだ増加すると見込まれております。

関節リウマチ治療で重要なのは、「早期発見・早期治療」です。

関節リウマチとは自己免疫疾患の一つで、免疫の働きに異常が生じ
通常は外部から侵入してきた細菌やウィルスに対して攻撃する免疫が、
誤って自分で自分の細胞や組織を攻撃してしまいます。
攻撃された部分には炎症が生じ、関節リウマチの場合は関節の痛みや腫れ
となって現れます。さらに炎症が続くと骨や軟骨を破壊していき変形となって
身体に現れます。

関節に痛みや腫れ、変形があると日常生活に支障がでてしまい、
快適な生活を送れなくなってしまいます。

以前までの治療では痛みに対しての対症療法しかなく、
関節破壊の進行を食い止めることができなかったため、
全身の関節が徐々に変形し、寝たきりの生活を余儀なくされていました。

しかし、近年は関節破壊の進行を止めることが出来るようになりました。
関節リウマチを発症しても、的確な治療を行えば質を下げることなく
普段通りの生活が可能になりました。

そのために「早期発見」が重要なのです。
治療開始が遅れてしまうと、炎症の期間も長くなり関節の破壊も
進み、薬の効果が得られにくくなります。

また、炎症を抑えることは発症後どの段階でも可能ですが、
進行した関節破壊は薬で完全には治りません。


では、早期発見のためには・・・
気になる症状があったらすぐに専門医を受診することです。

初期症状として特徴的なものに、「朝の手指のこわばり」があります。
目覚めたときに、両手指の関節がこわばって動かしにくく、30分から1時間以上
続きます。
手の関節に腫れがある、全身の2つ以上の関節に腫れがある、左右対称に腫れがある
などの症状が見られることもあります。
また、疲労感・微熱・食欲不振・体重減少などの全身症状を伴うこともあります。

当院ではX線検査の他にX線では映らない初期症状をMRIを使って
診断をしております。

さらに、最新の治療法に基づき一人ひとりのニーズに合わせた
治療を行い長期にわたりフォローしながら、生活の質を下げないように
向き合って行きたいと思っております。

関節リウマチは30代から50代の女性により多く発症し、
若く働き盛りの年代に多い疾患と言えます。

気になる症状をお持ちの方は早めの受診、相談を
お勧めいたします。