けやき便り

クリニックの最新情報や治療法について

エコー診断の活用

2017-02-03 11:13:06 | Weblog
こんにちは!
しばらくぶりでの更新になりました。

昨年よりエコーという最新の診断方法を取り入れて
おりますので、ご紹介いたします。


整形外科でエコ-?と不思議に思われるかも知れませんが、
実は整形外科でも近年エコー診断の重要性が認められてきています。


リウマチにおいては、関節の炎症や
痛みや腫れのある部位について
直接かつリアルタイムでの観察をすることができます。

リウマチと類似する症状をもつ、変形性関節症、痛風性関節炎
との鑑別にも使うことができます。


また診断はもちろんのこと、薬剤の有効性を評価するのにも
役立ちます。

何よりも患者様の身体的負担が少なくできることがメリットだと思います。



リウマチだけではなく、運動器における診断にも活用することができます。
足関節、足のじん帯、肘、肩などの部位でレントゲンには写らない
関節内の中の部分を見ることができ、早く的確な治療につなげることができます。


より確実で迅速な診断を心がけ、よりよい治療がすすめられるように
これからもスタッフ一同精進してまいります。


GWのお休みについて

2016-04-08 10:54:20 | Weblog
花便りが各地から届くこのごろ、盛岡でもようやく
桜の開花が待ち遠しい季節となりました。

GWの診察に変更がございますのでお知らせいたします。

4月28日(木) 午前診療 受付11時まで

4月29日(金) 休み

4月30日(土) 通常診療

5月2日 (月) 休み

5月3日 (火) 休み

5月4日 (水) 休み

5月5日 (木) 休み

5月6日 (金) 午前診療 受付11時まで

5月7日 (土) 通常診療

多くの変更があり患者様にはご迷惑をおかけ致しますことを
お詫び申し上げます。
尚、4/28、4/29、5/6、5/7は代診の医師となりますので
ご了承願います。


ビタミンCについて

2016-02-15 09:59:36 | Weblog
余寒なお厳しい毎日ですが、今年は積雪も少なく
いよいよ暖冬のまま春を迎えそうな気配がしてまいりました。

今回はビタミンCについてです。

ビタミンCは普段から身近な栄養素としてとらえられておりますが、
働きとしては、皮膚や骨に多く存在するコラーゲン繊維の構築が
一つ上げられます。この点からビタミンCを摂取すると、お肌が
きれいになるとか、風邪予防にも有効的と考えられています。
その他にも、コレステロール等の脂質代謝、アドレナリンなど
カテコールアミン合成に重要な酵素を助ける補因子として働いています。

人はビタミンCを体の中で作ることが出来ません。
このような動物は人、サル、モルモットなどに限られております。

ですから毎日食事からビタミンCを十分に摂取しなければ
不足、欠乏状態に陥ります。
ビタミンCは水溶性のため尿から排泄されやすく体内から消失
されやすい栄養素です。

ビタミンCが欠乏した時の症状は、初期に皮膚の乾燥、脱力感、
うつ状態が見られやがて大腿部に大きなあざ(内出血の痕)が
現れます。欠乏がさらに続くと、歯茎、消化管、粘膜から出血が
見られやがて死に至ります。ビタミンC欠乏症は「壊血病」とも
呼ばれます。
またマウスでの実験からビタミンCの長期的な不足は寿命を短くすることや
老化の原因である活性酸素種を増加させることも分かってきました。

上記のとおり、ビタミンCは体内消費量が多く、気が付かないうちに
不足状態に陥りやすい栄養素です。

毎日の食事からの摂取を心がけて健康で長生きに過ごしたいものです。


骨粗鬆症から考える日本人の食生活

2016-01-27 10:19:32 | Weblog
今年もよろしくお願い致します。
ブログでは診察では伝えきれない大切な情報を
今年も多く書いていきたいと思います。

今回は骨粗鬆症と日本人の食生活について考えてみたいと思います。

まずはリンについてです。

リンはカルシウムの次に多く体内に存在するミネラルで
カルシウムとともに歯や骨の形成に重要な役割を持っています。
近年そのリンの過剰摂取が問題視されています。リンは加工肉や冷凍食品、インスタント食品などの食品添加物、清涼飲料水に多く含まれています。

日本人の平均リン接取量は1日1200~1400㎎以上と言われていますが、そのうち食品添加物からのリン摂取は20~40%を占めるそうです。また、食品添加物に含まれるリンの生体利用率はほぼ100%で、肉・魚・乳製品などの動物性蛋白質は20~30%、米・大豆・めん類などの植物性蛋白質は40~60%とされています。生体利用率から考えると食品添加物は倍以上の負荷が身体にかかることになります。

リンが多く含まれている食品は、乳製品、その中でもプロセスチーズが知られています。レバーなど肉の内臓系、しらす、いわし、たまごの黄身、いくら、すじこ等にも多く含まれていますが、これらの食品はカルシウムも豊富で、蛋白質を同時に取れるものもあるので、過剰摂取さえ気をつければ問題はないようです。やはり気をつけるべきは食品添加物中のリンです。食品添加物中のリンは摂取すればするほど健康を害することが認識されています。

リン過剰は骨粗鬆症をおこす要因とされていますが、血管の石灰化や血管内皮機能障害などの原因になることも分かってきました。また生活習慣病共通の要因となる酸化ストレスを増加することも知られています。

骨粗鬆症の観点から考えた場合、我々日本人の食生活は気を付けるべき点が多くあります。先に述べたリンの過剰摂取の他に、カルシウムの摂取量も海外に比べて少ないと言われています。カルシウムの摂取量が少ないにも関わらず、食塩の摂取量が多いため尿中ナトリウムの排泄量が多く、カルシウムも多く排泄されてしまうと考えられています。また、ビタミンDも不足している傾向にあります。

骨粗鬆症を予防するためには早くから、普段の食生活を意識して取り組んでみる必要がありそうです。

ビタミンDについて

2015-04-25 09:32:34 | Weblog
桜が一気に満開になり、盛岡にもようやく春が訪れました。

皆様、お花見には行かれましたでしょうか?

今回はビタミンDの役割についてご紹介いたします。

身体の中のビタミンDが不足すると筋力低下や骨格筋の委縮
によって転倒しやすくなることが報告されています。

海外の5つの臨床試験の結果によっても、ビタミンD投与をした
人達の転倒発生率は、投与をしていない人達に比べて20%発生率が
低いことが明らかになりました。

転倒発生の原因は筋骨格筋の低下が関与しています。
とくに筋肉量の減少、筋力低下は転倒リスクだけではなく
日常生活動作(ADL)にも大きく影響を及ぼします。

筋肉、骨を健康に保つことは、健康長寿を目指す上でとても
重要です。そのためにビタミンDの摂取が有効とされ、骨粗鬆症の
治療などに加えて病院でも処方することが多くなりました。

当院でも患者様に合わせてビタミンDの投与をお勧めしております。

また食品では、しらす・いわし・いくら・さけ等や乾燥のきくらげ、しいたけにも
多く含まれておりますので、食事の際にもうまく取り入れていってほしいです。


お知らせ

2014-08-22 14:22:05 | Weblog
診療日、時間の変更がございますので
お知らせいたします。

9月18日(木曜日):午後休診
           12時30分受付終了

9月17日(水曜日):午後診療あり
           17:45分受付終了


通常は水曜日の午後が休診、
木曜日が1日診療となっておりますが、
その週だけは逆になっておりますので、
お間違えの無いようによろしくお願い致します。

ご不便をおかけしますことをお詫び申し上げます。


神経障害性疼痛と漢方薬

2013-10-08 11:59:45 | Weblog
こんにちは

秋も深まり、徐々に変化する紅葉の模様を眺めるのが
楽しみな季節になってきました。

皆様、朝晩の冷え込みで体調を崩されてはいないでしょうか?

私もこの時期、体調管理に特に気をつけております。


本日は神経障害性疼痛と漢方薬について少し
触れたいと思います。


神経障害性疼痛という用語は1990年代になって一般に
用いられるようになりました。


強い自発痛を特徴とする難治性疼痛疾患で、
重症度も高く罹患期間も長く、患者にとって
生活の質と身体機能を著しく低下させ、
治療に携わる医師にとっても難しい疾患であります。


炎症が長引いている間にさまざまな機序で
末梢神経の感受性が変化し、さらに刺激が中枢にも
影響して痛覚系にも変化を起こしてくるというというものです。



お薬は作用の発現や副作用などで
個人差が大きく、私たちも慎重に変化を見ながら
投与を進めています。

痛み止めのお薬などの処方による西洋医学的な治療が
無効な場合には、東洋医学的治療である漢方薬を
補助的に用いることも選択肢の一つであります。


最近用いられるもので、抑肝散という漢方薬が
神経障害性疼痛に効果が高いとされています。


神経系に対して薬理作用がある他
認知症の行動、心理症状への効果も
期待されている漢方薬です。


長引く痛みとの戦いの中で患者様にとって
一番良い治療方法が見つかる様に
診察をしていきますので気になることが
ありましたらご相談ください。

骨粗鬆症に新薬登場!

2013-07-11 10:52:31 | Weblog
梅雨まっただ中でじめじめとした天気が続いておりますが、

緑に色づいた草木は生き生きとして見えるこの頃です。

さて、骨粗鬆症の患者様に朗報です。

骨粗鬆症の新薬「プラリア」が先月発売されました。

「プラリア」の特徴といたしましては、

1、骨を破壊する細胞(破骨細胞)の活性化を抑え、骨の吸収を抑える。

2、腰椎、大腿骨頸部などに対して骨密度を増加させる。

3、優れた骨折抑制効果がある。

4、6か月に1回の皮下注射のみ。


現在の骨粗鬆症の治療薬の多くは、週に1回または、月に1回の飲み薬であったり、
点滴などが主流になっております。

しかし、患者様の負担は多く、飲み忘れなどがあるのも事実です。


「プラリア」は6か月に1回の注射のみですので、負担が
軽減され、治療が良好に進むことが期待されております。

一千人以上を対象とした臨床試験においても、
骨密度の増加、骨折の抑制など効果的なデータが
報告されております。

重い副作用は報告されておりませんが、
カルシウム濃度が下がる低カルシウム血症がまれに
ありますので、カルシウムとビタミンDの摂取が必要になります。

当院でも採血の経過を見ながら、一人一人に合わせた治療を
行っております。

骨粗鬆症の治療は、経過が長く患者様にとっては
負担になることもあると思います。

それぞれが個人にあった治療法を早期に行い、何よりも
骨折を予防することが、国をあげて求められています。







骨に関係する栄養

2013-05-02 13:16:37 | Weblog
盛岡もやっと長い冬が明け桜の咲く時期となりました。

しかし今年は寒いですね・・・

こういう年は夏が暑くなるという説もありますが、どうなるのでしょうか?


さて、前回転倒と骨折に関して書きましたが(またずいぶん時期があいてしまいました)
今回は具体的に骨のための栄養についてお示ししたいと思います。

骨と言えばまず思い浮かべられるのがカルシウムではないでしょうか?
カルシウムは骨にとって重要な栄養素です。

カルシウムは骨を作りますが、他にも骨組みを構成するコラーゲン(たんぱく質)
カルシウムとともに石灰化に必要なリンやその他多くの微量栄養素からも構成されています。

また骨を作るためにはビタミンD、ビタミンK、ビタミンCなど多くの栄養素が必要です。

そのためには身体に必要な栄養素をバランス良く摂取することが基本で、
具体的には主食となる穀類をベースに、肉類、魚介類、卵類、野菜類、豆類、果物類
をまんべんなく取り入れて行ければよいと思います。

カルシウムについては1日700~800㎎の摂取が勧められています。
カルシウムは
牛乳・チーズ、ヨーグルトなどの乳製品・小魚・大豆・豆乳などの大豆製品
緑黄色野菜 などに多く含まれています。

ビタミンDは
サケ、さんま、うなぎのかば焼きなどの魚に多く含まれていますが、
高齢者を中心に不足状態にある人が多いことが指摘されています。

ビタミンKは
納豆に特異的に含まれています。それ以外では緑黄色野菜に多く含まれています。

また近年は骨の質についても注目されています。
骨の強度は骨の密度と質で決められるからです。

糖尿病では骨密度が高くても骨折が起こる例が報告されていますが、
これは骨質の劣化が原因と考えられています。

骨質にかかわる栄養素としてはビタミンB群に多く含まれています。
ビタミンB6は
レバー・牛肉・魚類などです。

ビタミンB12は貝類とレバーです。


色々と食事について書きましたが、少しでも普段の食事の参考に
なればと思います。
あまり神経質になりすぎずにバランスよく楽しくそして規則正しく
食べることが大事ですね。

また食事だけではなく適度な運動も骨密度の増加や維持につながります。

毎日の積み重ねが生涯現役!の第一歩です。

頑張りましょう!



















転倒に気をつけましょう!

2013-01-28 14:06:44 | Weblog
皆様こんにちは。
年が明けたと思ったらもう1カ月が過ぎようとしておりました・・・

遅くなりましたが、本年も宜しくお願い致します。

1月に入り盛岡は冬本番となってきましたね。
毎日降り積もる雪を眺めたり、
時には格闘したりと
しばらく雪とのお付き合いが続きそうです。

そして、やはりこの時期1番気をつけていただきたいのが
転倒です。
転倒は不意に起こります。
明るい日中でも、
雪で見えなくなった段差につまづいたり、
滑ってバランスを崩したり、
冬道にはあらゆる危険が潜んでいます。

転倒によりけがや骨折へと至ってしまった患者様が
当院にも目立ち始めました。

先日あるデータを目にしました。
2001年から8年間の間に鳥取大学の先生が集めたものです。
高齢者の大腿骨近位部骨折(股の付け根の部分です)
で受診した患者を調査したところ、引き金となるのは
単純な転倒が77.7%と最も多く、
次いで交通事故が8.3%
階段での転倒が5.6%であるというものです。

大腿骨近位部骨折は現在わが国で約20万人あまりおり、
1度起こすと寝たきりになりやすい上に、
生命予後を悪化させ
生存率を大きく低下させることも明らかとなっています。

骨折は1度起こすと次々と他の部位の骨折を起こしやすく
なることは広く知られています。

骨折の発生部位でみると、50代から60代では
手や腕の骨折が多く、
高齢になるに従って脊椎、大腿骨と重篤な骨折が
増加していきます。

若い時期から軽微な骨折でも軽視せずに、危険な骨折に
つながる可能性がある事を知っていただきたいと思います。

雪の道路での転倒には環境の要因も多く潜んでおりますが、
室内の段差などでの転倒の背景には
加齢による筋力低下や
複数の薬剤を服用していることによる関連もあります。
そして、骨折の要因としては
骨粗鬆症に伴う骨強度の低下が考えられます。

骨折を以前にしたことのある方は骨密度が低下しており
治療の対象となる事もあるので
ご心配な方は骨密度の計測をおすすめいたします。

転倒予防には下肢のバランス強化を意識した
トレーニングが欠かせません。
背骨の周囲や下肢の筋肉をバランスよく鍛え、
転びにくい身体を作り、
冬の季節を楽しめることを願っております。