早ければ今週中にも関東地方は梅雨入りか…そういう季節になった。
月刊けやぐ(2008年5月号)が配信された。
鶴咆さんの「磨」と「宝」という宿題に対して、5月も100句を超える投句を頂戴した。謹んで御礼申し上げたい。
迷作さんもお手数をおかけしました。
さて、5月のレヴューである。
「磨」「宝」とイメージが似通っているところもあって、句想がかぶる面があったかと思う。
そういう意味では、やや作りにくかったお題ではなかっただろうか。
比較的「磨」の方に好句が集中した感がある。
私が選んだ5月の句のMy Favorites。(順不同、敬称略)
飲み会の精算とか慶弔関係の出費などで天引きがあったのだろうか。
それとも夜遅く帰宅することが多かった割には残業代が少ないというのだろうか。
妻の愚痴を聞きながらため息をつく亭主「どせばいいのや?」(What'll I Do?) とトホホ…
しきりに毛づくろい?をする若い娘。
しゃべり方から仕草まで、おじさんは内心気に入らない。
いくら流行のファッションに身を包んでいても、メイキャップが上手でも、やはり中身が薄っぺらで精神的に幼い娘じゃどうにもならないようで…
現役を退くといことは寂しいことかも知れないが、一方でこれまでのしがらみや束縛から自由になるという前向きなとらえ方もできる。
糸切り歯を磨くのは、定年を迎える本人か、その妻かで句の印象がガラリと変わる、そういう句想が手柄だと思う。
いい句じゃありませんか。
私は、妻の視点という解釈であるが…
倹約家の妻の描写ととると理解が浅い気がする。
むしろ物を大切に使う妻の姿だと見立てると味わいが増すのではなかろうか。
妻が夫に買ってあげた大切な思い出の靴なのかも知れない。
底が減った靴をはいて仕事に出かける夫への優しい労わりの気持ちまで感じられる好句だと思う…
この句の面白さは作者の皮肉な視線にあると思う。
講釈する人が、講釈通り行動するとは限らない。
教育者である人が破廉恥行為をしたり、役人がモラルに反する行為をするとか、世にあふれる「あってはならないこと」を冷めた目で観察した句と解釈したいと思う。
「濁った目」というのが効いている…
余計な解釈は必要ない。
一人っ子政策をとる中国だけでなく、少子化の我が国でもこういうケースは確実に増えていくだろう。
「宝」というお題からこういう句が生まれることに感心した…
5月の自選句は個人的な事情もあり…
穴埋め川柳である。
テーマは女性陣からブーイングを頂戴?した「恋愛」であった。(フッ、フッ、フッ…と含み笑い)
男と女の間のギャップは何だったかってことである。
「深い溝」(俳蓮)と「危機の淵」(迷作)ときたが、どんな溝や淵なのか具体的でないのが残念。
「あの喧嘩」(良弘)、「すれちがい」(模索)も具体性がイマイチ不足?
「姑を」(淫倫)はピタッとこないが、おかしみがある。
斜録が「ま、よくある話です」というように原句は「年の差を」で、篤子、斜録のお二人がビンゴであった。
これは完全に回答が分かれた。
「上から目線」(篤子)、「中身は酒で」(良弘)は苦しまぎれの回答か。
「形色々」(俳蓮)は少し理屈っぽい。
「マニュアルないから」はマニュアルで心に沁みる言葉を吐けないという斜録。
「検索ワード」(模索)、「手旗信号」(迷作)は趣旨が相手に届かぬもどかしさを表わしていて納得。
面白かったのが「電話父受け」(淫倫)、アハハハハ…想像するだに笑えます。
原句は「あとの手順が」であった。
これもいろいろの回答。
「やまんばが」(迷作)はちょっと?だった。
身分や所得格差が恋愛の障害になるという「氏育ち」(斜録)は古典的だが王道の回答?「失恋が」(俳蓮)はやはり理屈の回答…当たって砕けろってわけだろうか。
「母親が」(良弘)、「門限が」(模索)は思わせぶりの回答。
「お姫様だっこ」(淫倫)は回答の最後に「!」が2個も付けて力が入っていた。
「無収入」(篤子)は視点が違うが、逆に恋愛に対する強い思いが感じられるのが面白い。
原句は「セクハラが」で、ちょっぴりアブナイ雰囲気…
思い出のSomethingをホルマリン漬けにしてあるのは確かなようだが…
「いつまでも」(俳蓮)は理解できるが、Somethingを提示して欲しかった気がする。「第二ボタン」(淫倫)は青春のワンシーン、いいね。
「星の砂」(篤子)は大切な思い出のようで…
「赤い薔薇」(迷作)、もらったことはおろか、贈ったこともない私としてはノーコメント。
「エンゲージ」(模索)、オイオイ今後どうすんだよ!
「ラブレター」(斜録)は永久保存版だとすればやはり怖い。
「日記帳」(良弘)は若気の至りも書いてある?…
原句はいろいろな物をまとめて「恋の数」、きっと相手に関わるものを標本のようにしてあるんだろう…
「あばたもえ」(俳蓮)、ハイ、鐘ひとつで残念…
「広島が好き」(淫倫)はやっつけの匂い…
「キライじゃない」(篤子)、「嫌いが負けて」(良弘)は同様の発想。
「見当たらないから」(斜録)は全部好きってことでメデタシメデタシ。
「どこといえない」(迷作)も全部好きってことで…
「言えずうつむく」(模索)も全部好きってことだが、可愛いい仕上がりになってる分、点が高い…
原句は「わからないのが」で、斜録、迷作、模索の三氏はビンゴといっていいだろう。
6月は孤衾若衆さんから次の宿題が出ている。
面白そうな題材だと思う。
「半端・はんぱ」と「咄嗟・とっさ」である。
よろしくお願いしたい。
6月の穴埋め川柳。
女性陣から「恋愛ものはやめて」との声があったので、次回のテーマは「夫婦喧嘩」!である…
また知恵を絞ってみてください。
月刊けやぐ(2008年5月号)が配信された。
鶴咆さんの「磨」と「宝」という宿題に対して、5月も100句を超える投句を頂戴した。謹んで御礼申し上げたい。
迷作さんもお手数をおかけしました。
♪
さて、5月のレヴューである。
「磨」「宝」とイメージが似通っているところもあって、句想がかぶる面があったかと思う。
そういう意味では、やや作りにくかったお題ではなかっただろうか。
比較的「磨」の方に好句が集中した感がある。
♪ ♪
私が選んだ5月の句のMy Favorites。(順不同、敬称略)
「給料日磨きがかかる妻の愚痴」(霜降)
飲み会の精算とか慶弔関係の出費などで天引きがあったのだろうか。
それとも夜遅く帰宅することが多かった割には残業代が少ないというのだろうか。
妻の愚痴を聞きながらため息をつく亭主「どせばいいのや?」(What'll I Do?) とトホホ…
「爪よりも知恵を磨けよお嬢さん」(詠得笑)
しきりに毛づくろい?をする若い娘。
しゃべり方から仕草まで、おじさんは内心気に入らない。
いくら流行のファッションに身を包んでいても、メイキャップが上手でも、やはり中身が薄っぺらで精神的に幼い娘じゃどうにもならないようで…
「定年へこっそり磨く糸切り歯」(淫倫)
現役を退くといことは寂しいことかも知れないが、一方でこれまでのしがらみや束縛から自由になるという前向きなとらえ方もできる。
糸切り歯を磨くのは、定年を迎える本人か、その妻かで句の印象がガラリと変わる、そういう句想が手柄だと思う。
いい句じゃありませんか。
私は、妻の視点という解釈であるが…
「まだ履ける底減りの靴妻磨く」(芳男)
倹約家の妻の描写ととると理解が浅い気がする。
むしろ物を大切に使う妻の姿だと見立てると味わいが増すのではなかろうか。
妻が夫に買ってあげた大切な思い出の靴なのかも知れない。
底が減った靴をはいて仕事に出かける夫への優しい労わりの気持ちまで感じられる好句だと思う…
「磨き方濁った目をして講釈し」(斜録)
この句の面白さは作者の皮肉な視線にあると思う。
講釈する人が、講釈通り行動するとは限らない。
教育者である人が破廉恥行為をしたり、役人がモラルに反する行為をするとか、世にあふれる「あってはならないこと」を冷めた目で観察した句と解釈したいと思う。
「濁った目」というのが効いている…
「親同士泣かす一粒種同士」(迷作)
余計な解釈は必要ない。
一人っ子政策をとる中国だけでなく、少子化の我が国でもこういうケースは確実に増えていくだろう。
「宝」というお題からこういう句が生まれることに感心した…
5月の自選句は個人的な事情もあり…
「似た顔が墓石を磨く七回忌」(蚤助)
♪ ♪ ♪
穴埋め川柳である。
テーマは女性陣からブーイングを頂戴?した「恋愛」であった。(フッ、フッ、フッ…と含み笑い)
「 」/何で埋めたか/睦まじい (島田宙吾)
男と女の間のギャップは何だったかってことである。
「深い溝」(俳蓮)と「危機の淵」(迷作)ときたが、どんな溝や淵なのか具体的でないのが残念。
「あの喧嘩」(良弘)、「すれちがい」(模索)も具体性がイマイチ不足?
「姑を」(淫倫)はピタッとこないが、おかしみがある。
斜録が「ま、よくある話です」というように原句は「年の差を」で、篤子、斜録のお二人がビンゴであった。
告白の/「 」/わからない (太田健次郎)
これは完全に回答が分かれた。
「上から目線」(篤子)、「中身は酒で」(良弘)は苦しまぎれの回答か。
「形色々」(俳蓮)は少し理屈っぽい。
「マニュアルないから」はマニュアルで心に沁みる言葉を吐けないという斜録。
「検索ワード」(模索)、「手旗信号」(迷作)は趣旨が相手に届かぬもどかしさを表わしていて納得。
面白かったのが「電話父受け」(淫倫)、アハハハハ…想像するだに笑えます。
原句は「あとの手順が」であった。
「 」/怖くて恋愛/できますか (早川盛夫)
これもいろいろの回答。
「やまんばが」(迷作)はちょっと?だった。
身分や所得格差が恋愛の障害になるという「氏育ち」(斜録)は古典的だが王道の回答?「失恋が」(俳蓮)はやはり理屈の回答…当たって砕けろってわけだろうか。
「母親が」(良弘)、「門限が」(模索)は思わせぶりの回答。
「お姫様だっこ」(淫倫)は回答の最後に「!」が2個も付けて力が入っていた。
「無収入」(篤子)は視点が違うが、逆に恋愛に対する強い思いが感じられるのが面白い。
原句は「セクハラが」で、ちょっぴりアブナイ雰囲気…
ホルマリン/漬けにしてある/「 」 (上鈴木春枝)
思い出のSomethingをホルマリン漬けにしてあるのは確かなようだが…
「いつまでも」(俳蓮)は理解できるが、Somethingを提示して欲しかった気がする。「第二ボタン」(淫倫)は青春のワンシーン、いいね。
「星の砂」(篤子)は大切な思い出のようで…
「赤い薔薇」(迷作)、もらったことはおろか、贈ったこともない私としてはノーコメント。
「エンゲージ」(模索)、オイオイ今後どうすんだよ!
「ラブレター」(斜録)は永久保存版だとすればやはり怖い。
「日記帳」(良弘)は若気の至りも書いてある?…
原句はいろいろな物をまとめて「恋の数」、きっと相手に関わるものを標本のようにしてあるんだろう…
どこが好き/「 」/恋かもね (野地タカ子)
「あばたもえ」(俳蓮)、ハイ、鐘ひとつで残念…
「広島が好き」(淫倫)はやっつけの匂い…
「キライじゃない」(篤子)、「嫌いが負けて」(良弘)は同様の発想。
「見当たらないから」(斜録)は全部好きってことでメデタシメデタシ。
「どこといえない」(迷作)も全部好きってことで…
「言えずうつむく」(模索)も全部好きってことだが、可愛いい仕上がりになってる分、点が高い…
原句は「わからないのが」で、斜録、迷作、模索の三氏はビンゴといっていいだろう。
♪ ♪ ♪ ♪
6月は孤衾若衆さんから次の宿題が出ている。
面白そうな題材だと思う。
「半端・はんぱ」と「咄嗟・とっさ」である。
よろしくお願いしたい。
♪ ♪ ♪ ♪ ♪
6月の穴埋め川柳。
女性陣から「恋愛ものはやめて」との声があったので、次回のテーマは「夫婦喧嘩」!である…
啖呵でも/切るのか妻が/「 」 (青木四実)
冷戦の/妻へ「 」/そっと置く (後藤博行)
「 」/無視する妻の/敵討ち (上田良一)
家庭内/別居そもそも/「 」 (佐野ゆり子)
「 」/夫婦喧嘩に/勝てるコツ (望月 弘)
また知恵を絞ってみてください。
今回の穴埋め批評は管理人の「浅学」ぶりを完全に「ひろしま」(披露しま)した。(う~、苦しい!)
やっつけではありません。恋愛ものがにがてなのでどうにかならんかと熟考の末「コイ」に掛けたのです。
邪道ですが・・・・