#9: Coimbra? Nao,"April In Portugal"!

2008-04-20 | Weblog
“ポルトガルの四月”(April In Portugal)、原曲は1947年にジョゼ・ガリヤルドが作詞、ラウル・フェロン(Raoul Ferron)が作曲したポルトガルの歌謡ファド(Fado)“Coimbra”である。
コインブラはポルトガル北部の学園都市で、1290年創設された最古の大学のひとつであるコインブラ大学が町のシンボルである。
古い時代には同国の首都だったこともある。
この曲は、リスボンのFadoとは違って、主として学生たちが歌う甘くて朗らかな感じが漂う名曲である。


原歌詞の大意は、「コインブラは憧れ、夢と伝統の教室、手本は一つの歌、光は大学、本はご婦人、知識を得て学習するものだけが試験に受かる、懐かしき思い出」というコインブラの学生生活を謳い上げる内容である。

1953年にフランス語の歌詞がついてシャンソン“ポルトガルの四月”として、イヴェット・ジロー(Yvette Giraud)が歌って大流行した。
同年、アメリカでジミー・ケネディ(Jimmy Kennedy)が英語詞をつけ、当時はレス・バクスター(Les Baxter)の演奏、歌の方ではヴィック・ダモン(Vic Damone)、トニー・マーティン(Tony Martin)のレコードがヒットした。

APRIL IN PORTUGAL (Lyrics by Jimmy Kennedy, Music by Raoul Ferron)

♪I Found My April Dream In Portugal With You
 When We Discovered Romance Like We Never Knew
 My Head Was In The Clouds
 My Heart Went Crazy, Too
 And Madly I Said "I Love You"

♪Too Soon I Heard You Say
 This Dream Is For A Day
 That's Portugal In Love In April
 And When Showered Fell
 Those Tears I Know So Well
 They Told Me It Was Spring Fooling Me

ポルトガルの四月は雨が多い季節、雨が降れば涙も流れ、せっかく見つけた恋も、朝の雨とともに流れてしまった、てな感じだろうか?
原曲の若々しい朗らかな雰囲気は全くなくなっている!

♪ ♪

この曲は何と言っても、Fadoの女王アマリア・ロドリゲス(Amalia Rodrigues)が原曲の明るいムードを情感込めて歌っていて名唱といえるだろう。
忘れてならないのがサッチモことルイ・アームストロング(Louis Armstrong)で、軽妙な語り口でお勧めだが、残念ながら私は持っていない。
手持ちの中では、ビング・クロスビー(Bing Crosby)の歌がいいなと思っている。


コインブラ大学が出たところで、今年の大学新卒者への1句

「学歴に見合う学力あるだろな」(蚤助)



最新の画像もっと見る

3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
ご当地ソング (ただの蚤助)
2008-04-22 20:05:26
実際に調べてはいませんが、アメリカのポピュラー音楽の関心が欧州から東回りでウエストコーストにたどりつくという迷作さんの説は面白いと思います。旅行キャンペーンよろしく、次の連載テーマはご当地ソングでいくことにしますか。
その前に、Aprilもしくは四月の歌をご存じであればぜひご教示いただければありがたいです。飯塚斜録さんからスリー・ドッグ・ナイト(Three Dog Night)のピース・オブ・エイプリル(Pieces Of April)というのがあるよとメールがありました。あまり記憶になかったんですが、手持ちのベスト盤にしっかり収録されていました。この場を借りて御礼申し上げます。
返信する
ご当地ソングとツーリズムの駄話し (みかみ迷作)
2008-04-22 11:36:26
アコーディング・トゥ・イヤーかどうかはっきりしませんが、戦後しばらくは「エイプリル・イン・パリス」とか「旅情」「アリベデルチ・ローマ」「ユー・ビロング・トゥ・ミー」とか「慕情」とかアメリカの旅行熱というかツーリストの狙いは主に西ヨーロッパの伝統ある旧大国に向けられていたように思います。
その後ミュージカル「南太平洋」やエルビスの「ブルー・ハワイ」などでハワイ・ポリネシアに向けられ、ビーチボーイズの出現でようやく本国の西海岸に引き寄せられたように感じていました。流行歌の流れ見たいなものと旅行キャンペーンの関係ということも面白そうです。※スペルがかけないので和文に徹しました。ゴメン
返信する
Coimbra, Sim! (ただの蚤助)
2008-04-20 18:35:38
もう15年以上前になりますが、リオ・デ・ジャネイロ勤務のためにポルトガル語を勉強するはめに陥りました。硬くなり始めた脳細胞がともすれば休みたがるのをだましだまし必死で勉強したものです。Writingはともかく、Reading、Speakingの方は日常会話程度ならばある程度できるレベルになったんですが、あまり触れる機会がなくなったら、ほとんど忘れてしまいました。考えてみればもったいない話です。

私は3人のポル語教師につきましたが、一人はコインブラ大学出身であることを誇っていました。ちなみに3人とも女性で、しかもすべてMaria先生でした。ただし、全員セニョーラでした。


返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。